今日は明治神宮第二球場横の日本青年館大ホールまで、
宝塚歌劇雪組公演「ミュージカル 心中・恋の大和路」を観に行きました
11時公演です。
実を言いますと、心中モノなんて暗くてイヤだなぁ・・・と思っていました
積極的に観るつもりはなかったのですが、「名作」だという話なので何とかチケットを入手して観に行きました。
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いやぁ・・・見終わって思わず号泣(ノ_・。)
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観に行って良かった、観に行って良かった・・・
人生、半分損するところだったぜ\(゜□゜)/
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大坂商人の若旦那が遊女と心中(凍死)する話、というのは知っていましたが・・・
てっきりダメ人間(若旦那)のダメっぷりを楽しむお話だと誤解していました。
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でも、えりたん(壮一帆)演ずる亀屋忠兵衛は、軽薄でも浅慮でもなく分別ある大人。
なぜこのような「真面目」な商人が破滅に向かって突っ走ってしまったのか
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この芝居では忠兵衛と遊女梅川(愛加あゆ)の馴れ初めは描かれていません。
でも・・・えりたんの演技を観ていると想像できるのです。
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養子として飛脚問屋を継ぐことになって、きっと息苦しい毎日だったのでしょう。
そのような状況で遊郭で見知った梅川に、つい溺れてしまう・・・
「生真面目」一本に生きてきたからこそ、一旦深みに陥るとズブズブのめり込んでしまう。
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う~ん・・・見える見える
えりたんは実に分かりやすく、かつ自然に忠兵衛を演じていたように思いました。
人間だったら誰でも心奥深くに持つであろう狂気と乱心、そしてそれを覆う正気と良識。
「一線」を越えた時に見せる、虚ろで呆然とした表情
今の宝塚歌劇で「恋の大和路」やるんだったら、えりあゆコンビの雪組以外考えられませんね。
それぐらいあて書きドンピシャでした。
劇団GJ
飛脚問屋・亀屋忠兵衛は壮一帆
感想は上記したとおり。
申し分なし。
最初に登場した場面の男役の色気ときたら・・・たまりませんわ
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梅川は愛加あゆ
何なんだ、この生々しいまでの肉感的な色香・・・
結果的にファム・ファタールなんだけど、完全な(本来の意味の)確信犯であって本人的にはどうしようもない。
だからこそ、悲劇を一層彩っているわけです。
スタイル的には「頭の鉢」が大きくて純日本美人風。
透水さらさちゃんもそうですが、スタイル的にもあて書きバッチリ(^_^;)
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忠兵衛の友人、丹波屋八右衛門は未涼亜希
忠兵衛を心配しいろいろ画策するのですが、全てが裏目裏目
この「恋の大和路」って構図的にはミュージカル「ロミオとジュリエット」と似てると思いますが、
「泣かせ度」ではこの公演の方が圧倒的
まっつ(未涼)って、「ロミジュリ」でもロミオの友人ベンヴォーリオとして、
結果的にロミオに「痛恨の一撃」を喰らわせてしまいますが、この芝居でも同じです。
でも、やっぱりまっつって歌ウマいや
忠兵衛の実父、孫右衛門は汝鳥伶
1場面のみですが・・・もう・・・号泣ですわ(>_<)
あの場面から、ラストまで涙ボロボロで目を開けられませんでした
孫右衛門は、梅川にいろいろ矛盾したことを言っていています。
でも人間だもん、路論整然には生きられません。
もうね・・・
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番頭伊兵衛は帆風成海、手代与平は月城かなと
若旦那忠兵衛に忠節を尽くしながら、心から心配し、取り繕うべく活躍する二人・・・
帆風・月城は若いのに芸達者ですわ
忠兵衛と梅川は最終的に破滅するのは誰も知っているわけですが、
えりあゆコンビは決してあざとく演じていません。
ホントに感動してしまいました
その他、感じたこと・・・
忠兵衛が小判を撒いてしまう1幕ラストのシーン。
「封印」を切る前に小判がえりたんの懐から落ちてしまって・・・
でも、みんな無視して芝居進行(^_^)v
2幕の「逃避行」は大坂から大和山地に至るまでのロードムービーなんですね。
旅行が不自由な時代では、そこがこの芝居が受けた一つの理由かもしれませんね。
「葛城」の場面では「飴屋」さんの歌に感動してしまったのですが・・・
久城あすですか・・・・メモメモφ(.. )
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平野川で忠兵衛が梅川をおぶって渡るシーン。
えりたんがあゆを落として、おんぶ失敗
あゆっちが「すんまへん」と関西弁で謝っていましたが、
あの瞬間、あゆっちは梅川そのものだったのだと思います。
この芝居、忠兵衛・梅川が白装束で雪山の中に息絶える場面で終わりで、
カーテンコールもフィナーレもないんですねぇ・・・
驚いたけど新鮮でもあり、あくまで芝居の余韻重視なんですね
P.S.
日本青年館ですが・・・
同じ場所から撮った(だろう)と思われますが、もうすぐこの位置からの風景は激変するはずです
それから・・・
明治公園には、江戸城の石垣が置いてありました(多分)
皇居周辺の石垣は定期的にメンテナンスしているから、今でも保っているわけです