2017年12月06日

ソウル・ステーション パンデミック(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2017)
ソウル・ステーション パンデミック

ソウル・ステーション パンデミック

原題:Seoul Station
2016/韓国 上映時間92分
監督・製作・脚本・編集:ヨン・サンホ
製作:イ・ドンハ、ソ・ユンジュ
製作総指揮:キム・ウテク、ソ・ヨンジュ、イ・ウン
キャラクターデザイン:チェ・ギュソク
美術監督:ビョン・キヒョン
テクニカルディレクター:ヨン・チャンフム
編集:イ・ヨンジュン
音響監督:オ・ユンソク
音楽:チャン・ヨンギュ
声の出演:シム・ウンギョン、イ・ジュン、リュ・スンリョン
パンフレット:★★★(600円/監督インタビューとコラムが1本。作ってくれただけありがたい)
(あらすじ)
風俗店から逃げ、恋人キウン(イ・ジュン)と同居するヘスン(シム・ウンギョン)だったが、彼はへスンの体を売ることでしか金を得ることができなかった。このことが原因でケンカし、家を飛び出したへスンは一人で夜の街をさまよう。一方、ソウル駅では死んだはずのホームレスが生き返って人を襲い、襲われた者はゾンビと化し犠牲者が激増していた。キウンは、彼女と彼女の父だという男(リュ・スンリョン)を捜し……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


公開前から評判が良かった「新感染 ファイナル・エクスプレス」は観るつもりマンマンでしてね。で、その前日譚らしい本作も一緒に観たいと思って、両作品の前売り券を購入。なかなか足を運べなかったものの、10月中旬、新宿ピカデリーにて、「新感染」を観て超上機嫌になった状態で、本作をハシゴ鑑賞いたしました。「厭な映画!(°д°;) ヒィ!」と思ったり。


「新感染」を観てゴキゲンだったので、思わず飲食物を奮発しちゃいましてね。
飲食物を奮発!

本作はこの週で公開終了だったんですが、観客は10人程度だった記憶。
7番スクリーン


なんて言うんですかね、「新感染」がエンタメ系ゾンビ映画として本当に素晴らしくて感動させられただけに、同じような感じなのだろうと勝手に思っていたら、厭な展開が地味に続く拷問のような作品だったから、マジでゲッソリしたというか。ただ、ここまで厭な内容だと、それはそれで清々しさも感じられて、映画としてはかなり好きという不思議。まだ上映している映画館もあるのでね、興味がある方はぜひ観てほしいほどだったりするのです。

ウロ覚えであらすじを書くと、映画が始まると、意識の高い若者2人が「人助けは大切だよな」みたいな話をしていましてね。ちょうどその近くを「ゾンビに首を噛まれました」ムードを漂わせる血まみれホームレスが通り過ぎたので、若者が助けようとするものの、近づいた途端、「くせぇ!」と顔を歪めて、「ああいう奴は死んだ方がいいな」的な会話をするという、なかなか厭なオープニング。さらに、その弟のホームレスが「お兄さんが死んじゃう〜」といろいろな施設に助けを求めるも、みんな露骨に不機嫌な顔をしたり、溜め息をついたり、舌打ちしたりという、地味に厭な描写を延々と見せられた挙げ句、血まみれホームレスはゾンビになってしまうのです (´Д`;) イヤーン


オープニングに登場するホームレス。血だらけなのに、誰も助けてくれなくて。
血だらけホームレス

そんな中、コクのある顔の弟(ホームレス)が奔走するも…。
兄のために奔走するホームレス

助けを求められた人は軒並み塩対応。観客もスゲー居たたまれない気持ちになるという誰得展開。
不機嫌顔

そして、めでたくダッシュ系ゾンビが誕生→パンデミックがスタートだッ!m9`Д´) ビシッ
ゾンビになりました


で、“ゾンビ発生”のくだりと同時進行で描かれるのが、へスンの物語。家出→風俗店で強制労働→店から逃げ出して、恋人キウンと暮らしていたものの、生活費を稼ぐために売春をさせられるという、やり切れない状況ですよ。とうとうキウンとケンカして、ソウルの街をあてどなく歩いていると、ゾンビ発生の現場に出くわしてしまって、たまたま一緒になったホームレスのオッサンとともに逃げることになって。なんとか辿り着いた路地裏のバリケードは安全地帯かと思いきや、反対側が機動隊によって封鎖されていて逃げ道ナッシング 川o^-')b グー そんな中、キウンの元にはヘスンの父親と名乗る男が現れて、2人で彼女を探すことになるというね。


ヘスンに売春を強要するキウンがクズすぎて、殺したいゲージが3本満タンになったシーン。
体は売らない!

ケンカ別れしたら、ゾンビに襲撃されて、ヘスンはホームレスと一緒に逃走開始。
ホームレスと一緒に逃げるへスン

一方、キウンの元にはヘスンの父親が登場しまして。
へスンの父親だ

戒厳令が発動される状況下で、必死に彼女を探す展開に。
へスンを探す2人

機動隊に封鎖されたエリアが地獄と化し、逃げようとするヘスン。頑張って!ヽ(´Д`;)ノ アァン
へスン危機一髪!


あーだこーだあって、ヘスンはなんとかモデルルームのビルに逃げ込みまして。そこにキウンたちも到着して、めでたしめでたしかと思ったら、“ヘスンの父親”と名乗っていた男は彼女を強制労働させていた風俗店店長だったから、スーパー厭な気分に!Σ(°д°;) スーパー! 立ち向かったキウンはあえなく殺されて、必死に隠れたヘスンも見つかっちゃいましてね。自分の父親から見捨てられたことを教えられてから、風俗店店長にレイプされるも、逃走中に足を引っ掻かれていた→感染していた彼女はゾンビになって、店長を食い殺すのでした… ('A`) ゲッソリ


ぶら下がっている時、足を引っ掻かれてたんですよね… (ノω・、) ヘスン...
足を引っ掻かれて感染


本作はかなりストレスの溜まる作りになっていまして。通常のゾンビ映画だと「こうやって生き残ろうぜ!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォッ!」みたいな燃え展開が用意されているものですが、本作の主人公ヘスンは泣きながら逃げ惑うだけであり、行動をともにするホームレスも頼りになるオーラはゼロ。ヘスンが「お家に帰りたい… (ノω・、し」と泣けば、「オレには帰る家もない…(ノДT)」と泣き崩れるありさまですよ。機動隊や軍隊は「市民を守る」のではなく「牙を剥く」って感じだし、「新感染」のように”父娘映画”ではあるものの、正反対の凶悪な着地だし…。観ている途中はかなりイライラしたというか、「なぜお金を払って、こんな厭な思いをしなければならないのか!? (`Δ´;) ヌゥ」なんて疑問が浮かぶほどだったり。


こんな厭な機動隊描写があるのも韓国映画の妙味、ですな(知った風な口調で)。
ゴミども撃つぞ!

一応、ゾンビかと思ったら、電波おばさんだった…なんて笑える場面もあったりはするんですがー。
電波おばさん


だが、それがいい ( ̄ー ̄) ニヤッ 本作は”家”が象徴的に扱われていて、監督はインタビューで「家庭の没落と社会の崩壊を重ね合わせて見せようとした」といった風なことを語っていて。要は、弱者が攻撃したり、食い物にしたりするのは、結局、同じ弱者であって。そうやって弱者がどんどん増えていくと、富裕層だろうと関係なく、世界自体が壊れてしまうのではないか? そんな風に考えると、厭な気分になりながらも、その寓話感が非常に“ゾンビ映画”っぽいと思ってね、ヨン・サンホ監督、スゴいなぁと感心いたしました(小並感)。


「弱い者達が夕暮れ、さらに弱い者をたたく」繋がりで貼っておきますね↓




その他、「リアル寄りのキャラデザインがスゲー好き」とか「ヘスンの声がシム・ウンギョンだから、最後は高速列車に乗りこんで終わるのかと思ったら、そうでもなかったぜ(ただ、「新感染」のシム・ウンギョンが足から感染してたのはサービス?)」とか「爪でも感染するって、『新感染』のゾンビとは設定が違う?」とかとか思うところはあるんですが、割愛! とにかく厭な映画でしたけど観て良かったです。前述したように、まだ公開中&これから上映される映画館もあって、例えば早稲田松竹では、1月6日(土)から1月12日(金)まで「新感染」との2本立て上映があったりするので、気になる人は足を運んでみてくださいな。




来年1月24日発売予定のDVD。止めないで最後まで観られる自信はないです… (´・ω・`)



同じく1月24日発売予定の後日談。僕の感想はこんな感じ



厭な映画が満載の映画秘宝の別冊を貼っておきますね。






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