キャノンフィルムズ爆走風雲録(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

キャノンフィルムズ爆走風雲録(ネタバレ)

キャノンフィルムズ爆走風雲録

キャノンフィルムズ爆走風雲録

原題:The Go-Go Boys: The Inside Story of Cannon Films
2014/イスラエル 上映時間89分
監督:ヒラ・メダリア
撮影:オデッド・キルマ
出演:メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス、シルベスター・スタローン、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ジョン・ボイト、チャールズ・ブロンソン、チャック・ノリス、イーライ・ロス
パンフレット:なし(でも、「ニンジャ」のパンフを買っちゃった (〃∇〃) ウフフ)
(あらすじ)
映画監督でもあるゴーランとプロデューサーとして高い資質を持つグローバスのコンビは、低予算のジャンル映画を次々と製作し、ヒットを量産。その一方で、ジャン=リュック・ゴダール、ジョン・カサベテス、ロバート・アルトマンといった、商業主義とは一線を画する映画作家たちにも出資していく。2人の経営するキャノンフィルムズは、あらゆる方面の映画に手を伸ばしていくが、そんな2人の情熱もやがて大きな資本に飲み込まれていき……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


我が家がビデオデッキを購入したのは1989年、高校1年生の冬。ただ、基本的にはプロレス中継や映画を録画する専用マシーンでして。当時はレンタルビデオ屋が近所になかったし、レンタル代も高いし、しかも僕は臆病だったので「借りたテープを壊しちゃったらどうしよう… (´Д`;)」と怯えてしまって、なかなか借りられなかったんですよ。で、高校三年生ぐらいからやっとレンタル屋に通うようになるワケですが…。僕が観る映画には高確率でこのロゴが映ってたんですね↓


キャノンフィルムズのマークでございます。
CANNON


今と違って、インターネットどころか「映画秘宝」もない時代ですよ。語学力が著しく低い僕は「カンノン? (・ε・)」と読んでいて、MGMとか20世紀FOXとかと並ぶ映画会社だと思っていたものです…(しみじみ)。ちなみにキャノンフィルムズ製作で好きな作品を3本挙げるなら、「ブラッドスポーツ」「サイボーグ」「キックボクサー」…って、あらやだ、全部ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作じゃないの!(´∀`) ンモウ!


「キックボクサー」はこんな映画でございます↓




だが時は経ち、今じゃマナ子のパパ、保育園で幅、きかすパンパパパン(唐突な「Grateful Days」オマージュ)。2015年現在、キャノンフィルムズはとっくに潰れてしまって、最近は高橋ターヤンさん&てらさわホークさん&多田遠志さんのイベントなどで話題に上がる程度だったワケですが、しかし。今回、なんとキャノンフィルムズを取り上げたドキュメンタリー映画が公開される上に、「メナヘム・ゴーラン映画祭」が実施されて、あの「ブラッドスポーツ」も上映されるというのだから、テンションはガンガンズンズングイグイ上昇!ヘ(゚∀゚*)ノ Sky Triple Dancing! 基本的に土日は家族サービスデーなんですが、奥さん&娘がママ友と遊ぶということで、公開初日にシネマート新宿へ足を運んだのでした。感想は「撮ってくれてありがとう!ヽ(TДT)ノ」って感じでしたよ。


初日のシネマート新宿でございます。
本日初日

ロビーにはこんな展示があって、キャノンフィルムズ作品のパンフが販売中。
こんな展示

思わず「ニンジャ」のパンフを買っちゃったりして。
ニンジャのパンフ

ヴァン・ダムファンがケチだと思われたら心外なのでソフトクリームを購入。劇場の人の“巻きスキル”の低さが愉快。
ソフトクリーム


席が取れなかったら大変だと思って、ダッシュで映画館に行ったら、結構ガラガラでションボリしましてね… (´・ω・`) 昔、キャノンフィルムズの作品にお世話になった人ってかなり多いと思うんだけど、ドキュメンタリーには興味なかったのかしらん。まぁ、内容を雑に書いておくと、イスラエルからハリウッドを目指したメナハム・ゴーランとヨーラン・グローバスの友情と決別をキャノンフィルムズの栄枯盛衰とともに描いた…ってな感じ。オチを書いておくと、大ヒットする映画が作れなかった&「スーパーマンIV」なんて作ってしまったので、会社が破綻→2人は仲違いしてしまうものの、最後の最後に和解しまして。自分たちが作った数々の作品を一緒に観ながら談笑して、映画は終わってましたよ。


若いころの2人。金集めをヨーラン(左)が担当して、ゴーランが好き勝手に映画を作るのです。
若き日のヨーランとゴーラン

再会した2人。この映画の撮影後にゴーランが亡くなってしまったことを考えると、仲直りして良かったね。
年を撮ったゴーランとヨーラン


観ながらスゲー連想したのが、「コーマン帝国」とか「ノット・クワイト・ハリウッド」といった、低予算のB級C級映画が絡んだドキュメンタリー。劇中で流れる映画のビジュアルはアクション・ホラー・エロが中心だから、全体的な雰囲気が似てくるんですかね。何とかして名作を作ろうとするゴーランの情熱的な姿は好感が持てたし(「一番好きな作品は?」と聞かれると「次の作品だ」と答えるアグレッシ部振り!)、「コーマン帝国」にも出てたイーライ・ロスがキャノンフィルムズについて熱く語ったりするのも、なかなかうれしかったです(というか、この手の映画にクエンティン・タランティーノとイーライ・ロスは付きものですな)。


こういう知った風な口を叩くカスも出てきましたが、両目を抉られた挙げ句、屁で爆死してました(唐突なウソ)。
一度も名作を生み出したことはない


で、今作には、チャールズ・ブロンソンやチャック・ノリス、シルヴェスター・スタローンといった僕好みの男どもの映像が流れるワケですが、一番テンションが上がったのは、そりゃあヴァン・ダムが出てきたシーンですよ。他のアクションスターと違って、今の本人がわざわざ出てきて語っているのが超ありがたい。あの有名な「レストランで回し蹴りを見せたエピソード」が聞けたのはもちろんのこと、「その後、土下座して頼んだ」なんてくだりをヴァン・ダムったら大げさなジェスチャーを交えながら話すから、とても愉快でね…(しみじみ)。あのシーンが観られただけで元は取れたと思ったし、当然ながらDVDが出たら即購入する予定でございます。


みなさんが大好きなチャック・ノリスは過去の映像のみの出演でしたが…(どことなくイヤミな文章)。
チャック・ノリスは過去の映像

ヴァン・ダムはちゃんと登場! サービス精神たっぷりに話してくれるのでした! でした!(`∀´) ドウヨ!
ヴァン・ダム登場!


正直なところを書くと、ヒラ・メダリア監督は同じ“イスラエルの映画人”としてメナハム・ゴーランとヨーラン・グローバスに興味を持っただけで、キャノンフィルムズの作品自体はそんなに好きじゃないみたいでして。なんて言うんですかね、「オレたちはバカっぽい映像が大好きなのさ」的な部分が弱い印象。実は「ノット・クワイト・ハリウッド」を撮ったマーク・ハートリー監督が「Electric Boogaloo: The Wild, Untold Story of Cannon Films」という同じ題材のドキュメンタリーを同時期に作っているんですが、ごめんなさい、そっちの方が好みのタイプっぽいなぁ…なんてね (´∀`;) エヘヘ とは言え、予告編を観る限り、あっちはヴァン・ダム要素が薄そうなので(ドルフ・ラングレン要素は高そう)、2人の監督が手と手を取り合って作ってくれれば超良かったんでしょうけど、まぁ、無理な話ですわな(実際、監督はゴーランが向こうの作品に協力しないようお願いしたんだとか)。


「Electric Boogaloo: The Wild, Untold Story of Cannon Films」の予告編はこんな感じ↓




ただ、キャノンフィルムズの作品のおかげでヴァン・ダムファンになった僕的には、こうして再評価されることが何よりもうれしいし、おかげさまでシネマート新宿で一番大きいスクリーンで「ブラッドスポーツ」を鑑賞できたので、基本的には感謝しかないのです m(_ _ )m アリガトウゴザイマス 映画鑑賞後のトークショーでは「多くのスターが2人に文句を言ったりする中、ヴァン・ダムは感謝の気持ちを忘れていませんでした (´∀`し」なんて、これまたファンがキュンとくるようなことを言ってくれたりしてね…(しみじみ)。昔、キャノンフィルムズにお世話になった方は、ソフト化されるかどうかわかりませんけど(汗)、機会があったらぜひ観てみてくださいな。


上映後のトークショー、質問者のレベルが高くてビビリました(こちらに記事があります!)。
監督のトークショー


おしまい!( ゚∀゚)o彡゚クミテ、クミテ!




とりあえず貼っておきたいヴァン・ダムの初主演作。僕の感想はこんな感じ



ただ、一番好きなキャノンフィルムズのヴァン・ダム主演作はこれでございます。



これも大画面で観たかったんだけどなぁ…。ヘンリー・マンシーニが作ったテーマがとにかく最高。



劇中に出てきて感謝していたアンドレイ・コンチャロフスキー監督作。エリック・ロバーツの出世作でもあります。



連想したドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ