戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章(ネタバレ)

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章



2015/日本 上映時間89分
監督・脚本・撮影:白石晃士
製作総指揮:原啓ニ郎
プロデューサー:三上真弘、田坂公章
出演:大迫茂生、久保山智夏、白石晃士、宇野祥平、舘野豪、はるうらら、小明
(あらすじ)
工藤(大迫茂生)と市川(久保山智夏)が異世界に飲み込まれたと同時に、新宿の上空に謎の巨人が出現。しかし、政府の調査で危険性はないと判断され、そのまま放置されていた。一方、現世にひとり残された田代(白石晃士)は、巨人の謎を解明して工藤と市川を救おうと調査を続けていたが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


※今回の記事に関しては、「オカルト」のネタバレに触れているんですが、僕は非常に好きな映画なので、できれば「オカルト」を観てから読んで!
※この作品は、ネタバレを知っちゃうと微妙な部分もあるし、さらに「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズを未見の人は確実に何が何やらなので、できれば「FILE-01 口裂け女捕獲作戦」から「史上最恐の劇場版」までの6本を観る→今作も観てから読んで!


DVDで観た映画の感想についてはまとめて書くようにしているんですけど、白石晃士監督作ということで、単独で残しておきますね。本当は劇場で観たかったものの、上映期間が短かった&ちょうど仕事が忙しかったのもあって、見逃してしまって。まぁ、レンタルDVDから始まったシリーズ→その最終章はDVDで観るのが良い気がしないでもないということで、先月、借りて観たんですが、「お見事でした (´∀`) オツカレサマ」という気持ちになりましたよ。


映画を観た直後の僕の心境を代弁する徳川光成の画像を貼っておきますね。
見事じゃっ!


まず、雑にあらすじを書いておくと、物語の舞台は前作から1年半後、上空に巨人(鬼神兵)が浮かんでいるのが日常風景になってしまった新宿。異世界に飲み込まれてしまった工藤と市川を救えぬままだった田代が「TSTREAM」なる動画配信をしていたところ、謎の男・江野(宇野祥平)が登場しまして。「ええか、夜が明ける前に、オレの言う通りにやれば工藤と市川が戻ってくるんや ( ゚д゚)」と“4つのミッション”を命令してくるんですが…。


一応、冒頭で“今までの犠牲者”を振り返ったりしますが、シリーズ初見の人はまず付いて来られないと思います。
今までの犠牲者

そして突然、現れた江野。手始めに「FILE-01」の投稿者で行方不明だった矢野(舘野豪)を甦らせてました。
謎の男・江野


最初は「① ホームレスのオッサンが抱えている2体のゴミ人形(生き人形)を奪う」という程度だったのに、「② 見知らぬ女性のパンティを奪って食べて、それを吐いたものを人形に入れる」「③ 包丁を使って右手の親指と小指を切断→人形に入れる」「④ 『FILE-02』の投稿者で姿を消していた真野夕子(はるうらら)を射殺して、飛び散った脳を人形に入れる」とエスカレートしていくのです(田代が躊躇したせいで、条件がさらにハードになっちゃうのが愉快)。


「映画秘宝」の監督インタビューによると、ガムテープで右手にカメラを固定するくだりは「死霊のはらわた2」を意識したそうな。
右手にカメラを固定


で、なんとか工藤と市川が復活するも、”向こう側の世界”から“あいつら”が絶賛侵入中。今度は世界を元に戻すために、工藤が生まれる前にタイムスリップすると、工藤の両親に鬼神兵を作らないように説得しまして。現代に戻った後は、スカイタワー上空にできた異世界の入口=黄泉比良坂をふさぐため、工藤の右腕がバズーカに変形すると、江野を砲弾代わりにして発射! 世界がリセット→今までの「コワすぎ」シリーズが「なかったこと」になって動画配信が終了すると、シリーズのダイジェスト映像を経て、新シリーズのスタートが告知されてました。


復活した2人ですが、甦った直後は「転校生」ライクに中身が入れ替わっていたりして。
復活した2人

江野を発射するシーン、大好きだったので貼っておきますね。
江野を発射!


もうね、「よくぞここまで… (゚д゚;)」という感じ。映像から低予算感は常にビンビン伝わってくるものの、それを創意工夫でカバーしまくって、見事“ワンカット風映像”を作り上げたんだからたいしたもんですよ(偉そうに)。前作のラストから続編を作ることだけでも大変だったろうに、「コワすぎ」シリーズだけでなく、「オカルト」「殺人ワークショップ」(どちらも江野繋がり)、「ある優しき殺人者の記録」(ワンカット風映像&異世界のルール描写あたり)まで巻き込んだ一大サーガを構築しちゃったなんて、スゴいのひと言じゃないですか。「魔法少女まどか☆マギカ」劇団イヌカレーに影響を受けたという異世界描写も良くて、そりゃあ安さは感じるけどさ、スゲー頑張ってましたよ。異世界ではこれまでの登場人物が大量に登場するワケですが、僕は“河童のせいで引き裂かれた親子”が再会した場面で涙が出ましたね… (ノω・、) グスン


異世界シーンには「史上最恐の劇場版」で散々な目に遭う小明ちゃんも登場してました。
異世界の小明ちゃん


お話自体はいわゆる“セカイ系”っぽいものの、工藤ディレクターが粗野かつ粗暴に突っ走ってウジウジしない分、妙に爽快なのがスゲー好き(ホラーシリーズなのに!)。僕的には「世界の終わりと始まりの生中継だよ!」の台詞がツボに入りました。白石監督の“ビビリ演技”も相変わらず面白くて、田代が酷い目に遭う場面はかなり笑いましたね。それと「前作から1年半後の世界では、鬼神兵のことを誰も気にしなくなっている」という設定には3・11後の原発問題を連想させられて、少しブルーな気分になったりしましたよ(「映画秘宝」のインタビューによると、そのつもりだったそうな)。


なんかね、良い意味でイヤな気持ちになりました。
空に浮かぶ鬼神兵


ただ、今作は動画配信→ワンカット風映像が続くことの弊害として、説明っぽい台詞が多かったのがちょっと合わなかったなぁと。複雑な話なので、仕方ないとは思うんですがー。あと、僕は前に観てた&大好きな映画だったから、「オカルト」の江野が出て来て「田代は別の世界では白石」ということが確定したのは面白かったものの、「コワすぎ」シリーズの最終作としてはどうなのかと。やっぱり無関係な作品ではあったので、あそこまで江野が活躍しちゃうと「オカルト」を未見だった“シリーズのファン”が少し可哀相というか、ヤリすぎにも感じちゃったというか(「殺人ワークショップ」のような“同一人物だと匂わす程度”だったら良かったと思う)。それこそ、“白石版「バイオレンスジャック」みたいな別の作品でやるべきだったんじゃないかと思ったり思わなかったり… (・ω・;) ウーム


最終的には「カルト」に出てきた霊能者NEOを巻き込んでほしいんですけどね。

ネオ登場!


ううむ、ダラダラした文章になっちゃいましたが(汗)、基本的には楽しい作品でしたヨ (´∀`) ウフフ レンタル代なんて大したことないんですから、興味がある方はぜひこの白石サーガを味わってほしいですな。ちなみに、この感想がアップされるころにはすでに新シリーズが劇場公開されているんですけど、観に行く時間が作れるかなぁ…DVDまで待とうかなぁ…。


「戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-01恐怖降臨!コックリさん]の予告編を貼っておきますね↓




おしまい!m9`Д´) ビシッ




記念すべきシリーズ1作目。一応、5作目までまとめて感想を書いております



同シリーズで唯一劇場鑑賞した作品。僕の感想はこんな感じ



そして始まる新シリーズ。劇場に行くか、レンタル開始まで待つか…。



とにかく好きな白石晃士監督作。僕の感想はこんな感じ