② 最後にウーが笑みを浮かべたのはなぜだろう…(「薄氷の殺人」の感想の続き) | 三角絞めでつかまえて2

② 最後にウーが笑みを浮かべたのはなぜだろう…(「薄氷の殺人」の感想の続き)

※今回の記事は「薄氷の殺人」の感想の続きなので、未読の方はこちらから読んで!

映画を見終わって考えてしまうのは、「最後にウーが笑みを浮かべたのはなぜだろう…」ということ…って、ごめんなさい、今回の感想文は映画がノワールテイストなので大人っぽい記事にしようと、顔文字やら「ですます」調やらを封印してみたんですけど、恐ろしく時間が掛かる&スゲー面倒くさかったので、通常運行に戻しますね(勝手な文章)。

この映画の原題である「白日焰火」は「白昼の花火」という意味なんですが、ウーは「白日焰火」という店のオーナーである成金クソ野郎に強請られて犯されそうになったので、殺害してまして。クライマックスを雑に書くと、「真相を知ったジャンに呼び出されて、観覧車の中から『何が見える?』とその店を指差される→自分の犯行がバレバレだと知ったウーが無理矢理ジャンにキスをする→その流れでセクース!(`∀´)人(゚∀゚*し ヤッチャオーゼ!」という展開になるんですね。

「白日焰火」というナイトクラブなのです。
白日焰火

で、翌朝、一緒に朝食を摂るものの、ウーったらせっかくのお粥を二口ほど食べるだけ。夜に会う約束はするものの、非常にビジネスライクなムードが漂っていて。たぶんその冷たい雰囲気にジャンは傷ついて、彼女を警察に売ることを決めたんじゃないかと。ただ、結局、ジャンも己の行為を心底後悔。彼女が現場検証している場所に花火を打ち込みまくると、搬送される車の中で彼女は微笑むんですが…。ウーが笑った理由として、僕なりに考えられるのは次の3つ↓


① 現場検証時のアパートの住人が愉快だったので、思い出し笑い
② 近い場所で炸裂する花火に大慌てな刑事たちを見て、少しウケた
③ ジャンの仕業だと気付いて、微笑んだ



は、“自分たちの住む部屋が殺人現場だったことを知った夫婦”のリアクションが愉快だったのは確かですが、映画的には違うだろうと。も、同じ理由でパス。というか、基本的にジャンの仕業だと気付いた前提の描写っぽいのでが該当するワケですが…(不要だった三択)。では、なぜ彼女は花火がウーの仕業だと知って笑みを浮かべたのか? 僕なりに考えられるのは次の3つ↓


① おばかさん 川´∀`) ウフフ
② ざまぁ!ヘ(゚∀゚*し
③ なぁんだ 川 ´_ゝ`) ククク



は、彼女を売ったことをジャンが後悔していることを知り、「んもう、おばかさん川´∀`) ウフフ」と憎めないムードで思った感じなんですが、よくよく考えると、あまりにもジャンに都合が良いので却下(マッチポンプな文章)。いや、基本的にウーはジャンをまったく愛していないというか、彼女が好きになる要素はゼロじゃないですか。“宇多丸師匠が「紙の月」評の中で出した脚本の早船歌江子さんの表現”で言えば、ウーはモロに「美しいことが得になっていないタイプ」であり、その美貌のせいで「体で払え!」なんて脅されて殺人をするハメになり、クリーニング屋のクソ店主からはセクハラエブリデイと、男には散々な目に遭わされているワケで。そんな彼女が自己中クズ刑事のジャンごときに好意を寄せるワケがない。観覧車での情事は、生きるために利用しようとしただけのことなんですよね。

この場面のクリーニング店店主、死ねばいいと思ったり。
セクハラエヴリデイ

だから、「トチ狂って、ざまぁ!ヘ(゚∀゚*し ウケルー」ということで、答えは②。「ざまぁ」とまで行かなくても、「ウケルー」くらいの笑いじゃないでしょうか。まぁ、ちょっと角度を変えると、細身で巨乳というナイスバディのファム・ファタールな彼女ですよ。多少は朝食時につれない態度をとったとしても、自分にメロメロだと思っていただけに、ジャンに売られた時、「アタシ、魅力ないのカナ… (´・ω・`し」と悲しい気持ちになっていたかもしれません。だがしかし、最後にジャンがトチ狂ったことで、「あ、やっぱりアタシってイケるんだ」と自信を取り戻した可能性も否定できないので、も決して「ナシ」ではない…って、みなさん、ついてきてますかね (´∀`;) スミマセン

ごめんなさい、ここまで読んでくれた方の気持ちを代弁する曲を貼っておきますね↓





他にも「彼女は新しく庇護してくれる存在として、ジャンを愛そうとしたのでは?」とか「彼女自身、犯行を悔いていて、最後の“笑み”はそんな自分に想いを寄せてくれるジャンがうれしくて…」とか思えなくもない気がしないでもなかったりしてね。何はともあれ、そういう風にいろいろと想像の余地があるところが面白いし、とにかく突発的に発生した銃撃戦が最高だったのでね、スゲー好きな映画になりましたよ。気になる人は、観てみて!




なんとなく連想したニコラス・ウィンディング・レフン監督作。僕の感想はこんな感じ



なんとなく連想した北野武監督作。



なんとなく連想したポン・ジュノ監督作。