① ジャンは何を考えて行動していたのだろう…(「薄氷の殺人」の感想の続き) | 三角絞めでつかまえて2

① ジャンは何を考えて行動していたのだろう…(「薄氷の殺人」の感想の続き)

※今回の記事は「薄氷の殺人」の感想の続きなので、未読の方はこちらから読んで!
※今回の記事は「母なる証明」のネタバレに触れているので、気を付けて!


映画を見終わって考えてしまうのは、「ジャンは何を考えて行動していたのだろう…」ということ。ラスト、1人で踊り狂った挙げ句、酔っぱらってビルの上から花火を上げまくるに至ったのはなぜなのか? とにかく台詞が少ないため勝手に想像するしかないのだが…。ジャンは“女の愛し方がわからなかった男”だったのではないだろうか。

奇妙な踊りを披露するジャン。
レッツ、ダンス!

ジャンは刑事としての職務を愛しており、1999年の“それなりの優秀さ”を観れば、警察を辞めた途端、生き甲斐を失って酒浸りになるのもわからないでもない。ウーに付きまとったのも、「助けたい」だなんだと言ったのも、基本的には捜査のためであって、彼女に関しては全編を通して「あわよくば関係を持ちたい」程度の思い入れだったと思えなくもない。

ただ、やはり最後のシーンを見ると、激しく後悔しているのは間違いない。映画の冒頭、別れた妻に駅で襲いかかる自己中振りを踏まえると、女性に喜ばれる愛し方がわからなかっただけで、彼なりにウーを愛していたのではないか。ただ、観覧車で“自分の女”になったと思ったのに、翌朝、朝食の時に彼女の心が自分にないことを見抜いてプライドが傷つき、腹いせとして社会正義を優先した…というのは考えすぎだろうか。

ジャンは失って初めて彼女を愛していたことに気付いたのかもしれない。また生き甲斐も愛する人もいない状況になったことを後悔したのかもしれない。だから、その想いを伝えたくて、白昼に花火を上げた。昼間の花火なんてムダなものでしかないが、あれは“彼女への手向け”であり“彼自身の慟哭”なのだ。

もう一度、貼っておきますね。
白昼の花火



な~んて、知った風なことを書いちゃいましたが(苦笑)、どうなんですかねー (´∀`;) エヘヘ 今回の感想文は映画がノワールテイストなので大人っぽい記事にしようと、顔文字やら「ですます」調やらを封印してみたんですけど、恐ろしく時間が掛かっちゃったので、もうどうでも良いザンス(投げやりな文章)。まぁ、こういうバカな男が後悔するって話は嫌いじゃないし、最後のダンスは「母なる証明」の踊りのような「もうどうにでもなーれ ヘ(゚∀゚*)ノ」感が漂ってて良かったし、あの白昼に花火がバンバン上がるシーンは心に沁みたし、何よりも突発的に発生した銃撃戦が最高だったのでね、スゲー好きな映画になりましたよ。気になる人は、観てみて!




ディアオ・イーナン監督が参考にした映画、1本目。僕の感想はこんな感じ



監督が参考にした映画、2本目。僕の感想はこんな感じ



監督が参考にした映画、3本目。恥ずかしながら未見なのです…。