バトルフロント(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

バトルフロント(ネタバレ)

バトルフロント

バトルフロント

原題:Homefront
2013/アメリカ 上映時間100分
監督:ゲイリー・フレダー
製作:ケビン・キング=テンプルトン、シルベスター・スタローン、ジョン・トンプソン
製作総指揮:アビ・ラーナー、トレバー・ショート、ボアズ・デビッドソン、レネ・ベッソン、マーク・ギル、ジェームズ・D・スターン、ダグラス・E・ハンセン
原作:チャック・ローガン
脚本:シルベスター・スタローン
撮影:テオ・バン・デ・サンド
美術:グレッグ・ベリー
衣装:ケリ・ジョーンズ
編集:パドレイク・マッキンリー
音楽:マーク・アイシャム
出演:ジェイソン・ステイサム、ジェームズ・フランコ、ウィノナ・ライダー、ケイト・ボスワース、ラシェル・ルフェーブル、フランク・グリロ、クランシー・ブラウン、イザベラ・ビドビッチ
パンフレット:★★★(620円/値段の割には良いパンフ)
(あらすじ)
ひとり娘のマディ(イザベル・ヴィドヴィッチ)のため、危険な潜入捜査官の仕事を辞し、亡き妻の田舎で娘と穏やかに暮らすことを決めたフィル(ジェイソン・ステイサム)。しかし、町を裏で牛耳る麻薬密売人のゲイター(ジェームズ・フランコ)が、ある思惑のためにフィル親子を陥れようと画策する。平和な生活を望んだフィルだったが、娘の身に危険が及んだことで怒りに火が付き、娘を守るためにたったひとりで悪に立ち向かう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


※今回の記事は、破壊屋さんの記事が非常に面白いので、そっちを読めばいいんじゃないかな。

前評判の高さから前売り券を買って期待していたジェイソン・ステイサム主演作。8月下旬、やっと新宿バルト9で観たんですが、「理想的な映画ダナー (ノ∀T) アイシテル」と心底思いましたよ。ちくしょう、現在、都内では上映が終わってしまっているんですけど、この映画の素晴らしさを適当に書いておくので、読んでいただけると幸いです。


7月末の画像ですが、ロビーにはこんな展示がありました。
ロビーにはこんな展示が

渋川剛気の「理想的です」発言を貼っておきますね(「グラップラー刃牙完全版」第19巻より)。
理想的です


映画秘宝で信頼できる漫画家の古泉智浩先生がプッシュしているように、最近のステイサム映画は“高値安定”な印象。今回の「バトルフロント」は、よくある“田舎町バトルモノ”ではあるものの(ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作で例えると「ボディ・ターゲット」)、しっかりした役者さんたちを起用&モンスターペアレント問題という新要素を加えることで、非常に良い作品に仕上がっているのです。まぁ、まずは画像を使って、簡単なあらすじを紹介しておきますね↓(若干、時系列が違うので気をつけて!(o^-')b チガウヨ!)


ロンゲ捜査官のフィルは潜入捜査で犯罪組織のボスを逮捕するも、厭気が差して退職→アメリカ南部の田舎町に引っ越し。
01 麻薬捜査官ステイサム

1人娘マディと「ママが死んで寂しい… (ノω・、し」「オレもさ ( ̄ー ̄)」なんてやり取りをしながら暮らしていたのです。
02 娘との穏やかな日々

そんなある日、ヌガー入りのチョコバーが主食風のデブ小学生が娘をイジメてきたから超激怒! このクソガキ、殺す!ヽ(`Д´)ノ キィィィ
03 デブの意地悪!

と思いきや、マディったら2回警告すると、腹をパンチ→顔面蹴りのコンボを見舞うから、すっかり森高千里気分なのです (´∀`) アラアラ
04 2回警告したわ

すると、クソガキの親キャシーがモンペだったから面倒くさいことに。
05 モンスターペアレント襲来!

乗り気じゃない旦那をフィルにけしかけたらアッサリ制圧されたので、“地元一のワル”な兄貴ゲイターに嫌がらせを依頼。
06 兄貴に相談

フィルの家に侵入したゲイターは、地下室の資料を発見→フィルが元潜入捜査官なのがバレた!Σ(゚д゚;) タイヘーン
07 素姓がバレた!

自家製ドラッグの販売経路拡大を狙ったゲイターが“恋人の元娼婦”を使って、フィルが潜入していた犯罪組織に報告すると…。
08 マフィアに報告

当然ながら敵が襲来してピンチに陥るんですが、フィルは抜群の戦闘力で全員迎撃!
09 敵が襲来!

歯車が狂ったゲイターは、ヤケになってマディを人質に逃走を図るも、これまたフィルに阻止されまして。
10 暴走するゲイター

ブチ殺すかと思いきや、「娘の前でござる (・ε・) オロ?」と不殺のフィル。めでたしめでたしなのでした~ ( ;∀;) ヨカッタネー
11 ハッピーエンド


もうね、ステイサムはいつだって素敵だから置いといて(面倒くさい文章)。僕がこの映画で一番褒めたいのは、実はモンペと仲直りする展開なのです。キャシーは、小学生の女の子を「ビッチ」呼ばわりするクソ女だし、ヤク中だったりもするんですけど、実はそれほど悪い人じゃなくて。フィルが最初に譲ることで、キャシーも「アタシも悪かったかしら… (`Δ´;し ヌゥ」程度には受け入れるし、クライマックスで兄貴が暴走すると止めに入る=何が悪いことなのかはわかっていたりしてね。

アクション映画だからさ、つい「モンペ=悪・即・斬!m9`Д´) ビシッ」といった風に、安易に留飲を下げる展開を求めがちな僕でしたが、そうやって簡単に切り捨てるのではなく、「互いを尊重してみようよ ( ´∀`)人(´∀` ) ナカーマ」という正しすぎる着地を見せられると、RHYMESTERの名曲「POP LIFE」「こちらから見りゃサイテーな人 だがあんなんでも誰かの大切な人」というリリックを思い出したりもしてね…。脚本を書いたスタローン、スゲー信用できると感動したのです。


この和解シーンはグッときた! 「クソガキ、殺す!」なんて小学生相手に激怒したあたしってほんとバカ (ノω・、) ハンセイ
仲直り


あと、お話自体は、いくらモンペ要素を加えたとしても、やっぱり“よくある話”ではあるんです。ただ、役者さんたちが意外と豪華でちゃんと演技ができる人たち揃いだから、話の中にグイグイ引っ張られていくというか。よくこれほどのキャストが揃ったなぁと。キャシー役のケイト・ボスワースは本当に素晴らしかったし、ゲイターを演じたジェームズ・フランコも“計算が狂って追い詰められて行く様子”が最高でした。元娼婦のシェリル役のウィノナ・ライダーの場末感とバカっぽさはね、いろいろな意味で涙腺を刺激するものがありましたよ…(遠い目)。その他、娘役のイザベル・ヴィドヴィッチも可愛らしかったですね。


この映画のMVPはケイト・ボスワースだと思います。
キャシー(ケイト・ボスワース)


アクションに関しては「普通に楽しめる」レベルで、なかなか小気味良かった印象。ステイサムがさすがに無敵すぎな気もしましたが、意地悪で粗暴なクズどもがぶちのめされるのは気分がスッとしたので問題ナシ。唯一の不満はクライマックスにタイマンがなかったことで、これは物語上、仕方ないんですけど…(ジタバタするゲイターが面白いワケだし)。最後の橋の光景は、傑作「ラストスタンド」を思い出したりもしたので、少し寂しい気持ちにはなった次第。


両手を拘束されたまま高い戦闘力を発揮するのはやりすぎな気もしたけど、スッキリしたから許す(偉そうに)。
腕を拘束された状態でのバトル


なんて言うんですかね、ありふれた料理に一流のシェフが新しい材料とひと工夫を加えたら、スゲー美味しくなったような? 僕的には“このぐらいのアクション映画”が理想というか、こういう作品がたくさん作られたらいいのにな、そうだったらいいのになと思うほどでしたよ。都内の上映は終わってしまいましたが、アクション映画が好きな人は機会があったらチェックしてくださいな。




今年観たスティーブン・ナイト監督×ステイサム主演の渋い映画。僕の感想はこんな感じ



ゲイリー・フレダー監督作って、これしか観たことないかも。なんか集める映画でしたっけ?(雑なボケ)



ゲイリー・フレダー監督、他にも南部を舞台にした映画を撮ってたんですね。ちょっと面白そう。



最近観た南部モノでは、これがイヤだったかも(誉め言葉)。



ヴァン・ダム主演の田舎バトル映画。ある意味、ヴァン・ダム版「MUD マッド」と言えなくもない気がしないでもない。