ローン・サバイバー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ローン・サバイバー(ネタバレ)

ローン・サバイバー

ローン・サバイバー

原題:Lone Survivor
2013/アメリカ 上映時間121分
監督・製作・脚本:ピーター・バーグ
製作:マーク・ウォールバーグ、サラ・オーブリー、ランドール・エメット、ノートン・ヘリック、バリー・スパイキングス、アキバ・ゴールズマン、スティーブン・レビンソン、ビタリー・グレゴリアンツ
製作総指揮:ジョージ・ファーラ
原作:マーカス・ラトレル、パトリック・ロビンソン
撮影:トビアス・シュリッスラー
美術:トム・ダフィールド
衣装:エイミー・ストフスキー
編集:コルビー・パーカー・Jr.
音楽:エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ、スティーブ・ジャブロンスキー
出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、アリ・スリマン、アレクサンダー・ルドウィグ、エリック・バナ、 ジェリー・フェレーラ、ユセフ・アザミ 、サミー・シーク、ローハン・チャンド
パンフレット:★★★(720円/コラムが充実してたけど、ネットに同じ記事があると少し萎えますな)
(あらすじ)
2005年6月、アフガニスタンの山岳地帯で偵察活動中の4人のシールズ隊員は、あるひとつの決断によって、200人を超すタリバン兵の攻撃にさらされることになる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※今回の記事は、映画とはまったく関係のない妄想やくだらない文章がダラダラと書かれているので、間違いなく読まない方が良いというか、しっかりした感想が読みたい方は別のブログに行った方が良いです。
※今回の記事は、「ライオンハート」「ボディ・ターゲット」「ライジング・ドラゴン」「バックドラフト」のネタバレに触れているので、気を付けて!


尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で紹介されていて面白そうだったし、さらに僕はピーター・バーグ監督の前作「バトルシップ」が大好きということで、前売り券を購入。ムービーウォッチメンの監視対象になったのもあって、急いでTOHOシネマズ 日本橋で観てきました。程良く燃えましたYO!ヘ(゚∀゚*)ノ


仕事の合間を縫って、そそくさと向かったのは、日本橋のコレド室町2
コレド室町2

先月オープンしたばかりのTOHOシネマズ 日本橋に来たのです。
TOHOシネマズ日本橋

お昼を食べてなかったので、散財…。1500円もしたけど、美味しかったから後悔してないぜ! 本当だよ!ヽ(;´Д`)ノ アアン
全部で1500円


この「ローン・サバイバー」が、「思い切って都内にマンションを買ってみたものの、ローンがあと23年も残っているのに収入が減ってしまって、これからどうやってサバイブすれば… (´・ω・`)」なんて物語じゃないなんてことは町山さんもちゃんと話していたワケですが(不要な文章)、実は日本でも「これからの『正義』の話をしよう」第一章で扱われた<アフガニスタンのヤギ飼い>というエピソードで結構有名だったりしましてね。それがどんな内容かをこちらのリンクから引用してみると、こんな感じ↓


<アフガニスタンのヤギ飼い>

2005年6月、アフガニスタンでのこと。マーカス・ラトレル二等兵曹は、米海軍特殊部隊のほかのメンバー3人とともに、パキスタン国境の近くから秘密の偵察に出発した。任務はオサマ・ビン・ラディンと親交の深いあるタリバン指導者の捜索だった。情報によれば、目標とする人物は140ないし150人の重武装した兵士を率いており、近寄ることの困難な山岳地帯の村にいるとのことだった。
特殊部隊が村を見降ろす山の尾根に陣取ってまもなく、2頭のヤギを連れた2人のアフガニスタン人農夫と14歳くらいの少年に出くわした。武器は持っていないようだった。

やれやれ、まったく面倒くさいことになった。そう思ったマーカスが、他の3人に「どうする?」と聞くと、全員が「殺っちまえ」と即答。マーカスはカトリックだったため、一瞬、迷ったものの、「こいつらとは信仰が違うしな」と賛同した。
飼い主たちの運命を知ってか、2頭のヤギがメーメーと悲しげに泣く中、3人のヤギ飼いを一列に並べて、マーカスが「あばよ、ターバン野郎」と引き金を引こうとしたその瞬間! 何やら奥の茂みから、ガサガサガサガサと大きな動物が近づいてくるような音がしてきた。
なっ…なんだ? 焦りの色が隠せないマーカスたちが「誰だ!?」と銃を構えると、巨大な影が茂みから跳躍し、兵士たちの前に立ちはだかった!

「オレだーッ! 大きいヤギのがらがらどんだーッ!」

それはヤギというにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに怪物だった
こ、この化け物、しゃべりやがった! そう、マーカスが驚いている間に、同じく呆然としていたマイケル大尉とダニー二等兵曹の腹部を巨大なヤギの2本の角が貫通した。ゴボゴボと口から血の泡を吹く2人の兵士。彼らは我が身に起こっていることを信じられないようで、池の鯉のように口をパクパクと開閉させていた。
助けを求めてマーカスがアックス二等兵曹の方を向くと、なんと、中ぐらいの大きさのヤギに後頭部から角で貫かれ、両目から目玉が飛び出て、すでに絶命状態だった。そばにいた小さいヤギがニヤリと笑ったように見えたのは気のせいだろうか?
仲間が全員無惨に殺された怒りから“戦士の心”を取り戻したマーカスは、「おおおおおおッ!」と咆吼しながら、怪物に向かってライフルを乱射した。だが、巨大な“それ”は無慈悲にも2人の死体で巧みに銃弾を受け止める。そしてマーカスの瞳が最期にとらえたのは、あまりにも大きい蹄だった…。

ヤギ飼いたちが米兵の死体を埋めると、それからヤギたちは山へと登っていきました。
ヤギたちは山の草場でとても太ってしまって、うちへ歩いて帰るのもやっとのこと。もしも脂が抜けていなければ、まだ太っているはずですよ。そこでーー。
チョキン、パチン、ストン。
話はおしまい
(´∀`)



って、途中から不謹慎なウソを書いて本当にすみません…。共通している要素はヤギだけなのに、無理矢理ノルウェーの昔話を引っ張り出して、クソの役にも立たない二次創作を書いてしまったのは、「もしあのヤギたちが、メーメーと鳴くだけでなく、戦闘力が高くて飼い主たちを守れたのなら…」と恐ろしいほどどうでも良い妄想をしてしまったからなのです (ノω・、) スミマセン


「三びきのやぎのがらがらどん」は、僕が一番好きな絵本なのでしたー(なんだこれ)。



実際のところは、4人のシールズ隊員は「縛って放置したら凍死するし、殺したら国際法違反になっちゃうけど、解放したら超危険だよぅ… (;´Д`)(;´Д`)(´Д`;)(´Д`;) ドウシヨウ」とスゲー迷った挙げ句、ヤギ飼いたちを解放してみたら、案の定、200人のタリバン勢が襲来してきちゃって…。ハードな戦闘を繰り広げるうちに、3人&ヘリで救出に来た16人が死亡。這う這うの体で逃げ出したマーカスは、偶然出会ったバシュトゥーン族のグラーブ(アリ・スリマン)に助けられるんですね。


「逃がしたら200人に囲まれる!」なんて言ってたら…。
逃したら200人に囲まれる!

案の定、囲まれちゃうのでした (`∀´) ザンネーン! 東映ヒーロー映画のいつもの採石場シーンを思い出したりもして。
案の定、囲まれた!

助けに来たヘリが爆破される場面は、あまりにコントチックなので、少し笑っちゃいましたよ、すみません。
ヘリがボーン!

そして唯一生き残ったマーカスは、バシュトゥーン族に救われるのです。
助けてもらいました


マーカス的には「なんでお前が助けるんだよ? (・ε・) ブー」と不信感丸出しなものの、死にかけているので仕方なく厚意に甘えてみたりして。で、グラーブったら、タリバンどもがマーカスを殺害しようとしても、「私の客人に手は出させない!ヽ(`Д´)ノ」と超強気で刃向かったため、バシュトゥーン族vsタリバンの戦闘が勃発! 米軍の助けが来たおかげで、マーカスは一時心肺停止に陥りつつも、無事助かって映画は終了しまして。ラストはテロップで「グラーブたちがマーカスを助けてくれたのは『助けを求めてきた客人は、どんな犠牲を払っても守り抜く』という“パシュトゥーンワーリ(パシュトゥーンの掟)”を守ったため」という説明が流れて、実際の人たちの映像が流れてましたよ。


最後は、実話系映画にありがちな本人映像が出まくってました。
本人たち


正直なところ、驚くほど乗れなかったところがありまして。「ヤギ飼いたちが鐘をカランコロン鳴らしてるんだから、気付けよ」とか「手を拘束できて、そのまま歩かせられるなら、安全なところまで一緒に行けば良くね?」とか、そこはスルーしますよ。ただ、後半がちょっとなぁ…。まず、スゲー萎えたのが、突然、アフガン人同士の会話に字幕が出たこと。それまで何を話しているのかわからないようにしていたくせに、ああいう時にだけ説明的に字幕を入れるのって、映画としてちょっとカッコ悪いなぁと。些末なところですけど、結構萎えちゃったり。

それと、後半のアクションの“取って付けた感”にはガッカリしました。中盤の4人vs200人のバトルがあらゆる面で素晴らしかっただけに、後半のマーカスとタリバンの戦闘とか、米軍がやってきて助かる展開とか、あまりに“安易な劇映画のクライマックス”っぽいというか。やられそうなマーカスに“仲良くなった子ども”がナイフを渡したりとか、ギャグかと思いましたよ(いくらナイフにまつわる交流描写があったにせよ)。なんて言うんですかね、コース料理を頼んだら、真ん中ぐらいに超ボリューミー&ジューシーなステーキが出て来て、メインディッシュに“シェフの気まぐれサラダ”が出て来た感じ?(乱暴な例え)

つーかさ、あのバシュトゥーン族の子どもは盛りすぎじゃないでしょうか。原作を読んだスターリング・エレファントさんのツイートによると、「マーカスが子どもたちに好かれていたのは事実」みたいですけど、別れ際に抱き合ったりしちゃってさぁ。基本的にああいうシーンが嫌いじゃない僕ですら、非常に居心地が悪かったです… ('A`)


ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作で例えると、「ライオンハート」のラストとか。
ライオンハートのラスト

「ボディ・ターゲット」のラストとかはスゲー泣いちゃう僕ですけれども!
ボディターゲットのラスト

このシーンだけは、ごめんなさい、安っぽく見えちゃいました… (´・ω・`) ウーン
子どもとの触れ合いはどうよ


ということで、最初に文句を書きましたけれども、それを補って余りあるほど非常に良かったところもあって。まず、褒めたいのが戦闘描写! マーカスの「タイムカードを押すぜ」からスタートする4人vs200人の山岳バトルは100点の素晴らしさ。タリバン側の“単調だけど止むことのない攻撃”は地獄のようで、“相手がよくわからない恐怖”が非常に上手く描かれていたのではないでしょうか。ロケットランチャーをバンバン撃ってくるのとか、最高でした。


唯一生き残る男マーカス。傷口には泥を、レンコンの穴には辛子を詰めるのが得意(どうでも良い文章)。
マーカス(マーク・ウォルバーグ)


で、その中でも特に感動したのが「落下」! 文字通りの崖っぷちに追い詰められた4人の隊員たちが「『落下』だな ( ̄ー ̄) フフッ」「『落下』するか ┐(´ー`)┌ マイッタネ」みたいな感じで言うので(若干の誇張アリ)、崖から飛び降りるにしても「五点着地」のような“何らかの技術”が介在するのかと思いきや! なんと普通に転がり落ちるだけなので、「漂流教室」のミネヴァ先生ライクに口がアングリ。「相手と一緒に飛び降りるだけ」という雑な荒技「暗黒流れ星」を思い出したりしましたよ。


飛び出せ、青春! 勢いよく絶壁を転がり落ちる描写は必見のクオリティ。スタントマンも頑張ったんだろうな~。
落下!


この「落下」シーン、「ランボー」のような“崖飛び降り”ではなく、むしろ「ライジング・ドラゴン」の“火山の急斜面転がり”の岩場バージョンって感じで、観ているだけで激痛が走る凄惨さなのです (´∀`) イヤーン しかも何がスゴいって、これでも敵から逃げられなくて、もう1回やって、それでも逃げられなくて、ボロボロの体のままタリバンとの戦闘を続行するから、あまりに酷い状況すぎて笑っちゃったりもするというね。今まで「崖から飛び降りる→その場は逃げ切れるか、第三者に助けられて、場面が変わる」という映画が多かった中、「飛び降りても(しかも2回)戦闘続行」というのは斬新であり、ここだけなら映画史に残るんじゃないでしょうか。あと、傷口に泥を詰める応急処置もフレッシュでしたね~。


なんとなくこのシーンを思い出したり(「グラップラー刃牙完全版」第4巻より)。実際はこんなこと無理だよね(身も蓋もない文章)。
崖を転がり落ちる範馬勇次郎


そして、もう1つ、僕の胸をワシ掴みにして離さなかったのは、仲間描写。ハッキリ言って、「バックドラフト」「You go,we go」の台詞を聞くだけで白飯二杯は食える人なら、確実にあなたのハートにテレポート(なんだこれ)。序盤は「死ね」とか軽口を叩き合う感じですけれども、「ピンチになったら何を置いても仲間想い」なのがとにかくハートと涙腺を強打しまくりなのです。例えば、2回目の「落下」の後、ダニー(エミール・ハーシュ)を上に置いてきたことに気付いたら、あんな絶望的な状況なのに、即座に「上に戻らなきゃ」って発想をしたりする姿勢が非常にグッとくるんですよ。


上に置いてかれて死ぬダニー。演じたエミール・ハーシュ、「キラー・スナイパー」でのトラッシュ振りがウソのようでしたな。
ダニー(エミール・ハーシュ)

狙撃名人のアックスを演じたのはベン・フォスター。片目が潰れても戦い続けるのです。
アックス(ベン・フォスター)


もうね、テイラー・キッチュ演じるマイケル大尉がスゲー良い男でして…(しみじみ)。タリバンたちに包囲されて、絶望的な状況になった時、ヤギ飼いたちを解放することを主張したマーカスが、マイケルに「オレが悪かった… (ノω・、) アタシッテホントバカ」って謝るんですよ。マジで、これはマーカスのせいなので、心の狭い僕だったら「あのさ、もう話しかけないでくれる? (`Δ´) シネヨ!」なんてイヤミな態度をとりそうなんですが、しかし! マイケルったら、「標的を殺すチャンスが出来て、むしろ全然OK!(o^-')b」的な台詞を言うんです…。要は「でもね、そう、逆だ! 敵襲って、反撃の予告編だ。ダ・ダ・ダ・ダッて撃っていたら、すぐに殺れちゃうもの♪( ´∀`)人(´∀`)」 という発想の転換に見せかけた励ましであり、あんな窮地で吐く、あんな男らしいひと言があるかと。もうね、これこそがまさに「キャプテン(大尉)は君だ!ヽ(TДT)ノ」ってことだと思って、号泣した次第。


マイケル役のテイラー・キッチュ、超カッコ良かったです…。
マイケル・マーフィ大尉(テイラー・キッチュ)


ということで、なんとなくTomato n'Pine「キャプテンは君だ!」を貼っておきますね↓




なんて言うんですかね、“物事をいろいろな角度で考えた時の面倒臭さ”ってあるじゃないですか。「ヤギ飼いたちの命を助けたのにぃ~ヽ(´Д`;)ノ」ってのはコッチの都合であって、アッチからしてみれば、米兵に酷い目に遭わされた人たちかもしれないし、そもそもアフガニスタンがこんなことになっているのはアメリカのせいでもあるし。スタさんがツイートしてましたが、確かによくよく考えれば「シールズ自体がバカ」ってことではあるし…。パンフにも載っていた池上彰先生のコラムを読むと、最後にマーカスを救った“パシュトゥーンの掟”自体も問題になってたんだってさ。

まぁ、だからこそ「命を掛けて一緒に戦ってくれた仲間がいて、不利益になるにも関わらず守ってくれた人がいた」ってことにポイントを絞った映画にしたんだろうなぁと思うんですが、どうなんですかねー (´∀`;) エヘヘ パンフとかこのインタビューとかこういう特別映像を観ると、遺族とガッチリ組んで作っているだけに、「ネイビーシールズ」寄りの美談になるのは仕方ないのかなぁとも思うし…。ただ、美談によって誤魔化されてしまうこともあったりするだけに、この手の戦争映画ってのは難しいんでしょうな (・ε・) ウーン


遺族の気持ちを考えると、こういう映画があっても良い気はしますが…。
遺族の方々


何はともあれ、後半の展開は結構イラッとしましたけど、エンドクレジットで助けた理由が明らかになったり、本物のグラーブと一緒に撮った写真が出て来たり、マーカス本人が自分の息子に「アックス」と名付けたことを知った時は、やっぱりグッときて。「『ローン・サバイバー』ってタイトルは“仲間たちが死んだのに1人だけ生き残ってしまった者”って意味でもあったんだ!Σ(゚д゚;)」と、感動しちゃったんですよね…。山岳バトル描写もスゲー良かったし、仲間描写では警官だったころを思い出したりもしたし、トータルすると程良く燃えて良かったです (o^-')b 僕的にピーター・バーグ監督の戦闘描写は相性が良いみたいなので、また異星人を相手に戦争するような作品を撮ってくれないかしらん (・∀・) オシマイ




最も好きなピーター・バーグ監督作。大コケした理由がサッパリわからない…。僕の感想はこんな感じ



映画の原作になったマーカス・ラトレル本人による著作。読みたいけど、分厚そうなんだよなぁ。



サントラを貼っておきますよ。



一応、貼っておきますね。僕はKindle版で読んで、なんとなく頭が良くなった気がしました。



連想した映画その1。僕の感想はこんな感じ



連想した映画その2。結構好きです。