マチェーテ・キルズ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

マチェーテ・キルズ(ネタバレ)

マチェーテ・キルズ

マチェーテ・キルズ

原題:Machete Kills
2013/アメリカ 上映時間108分
監督・製作・原案・撮影・編集・音楽:ロバート・ロドリゲス
製作:リック・シュワルツ、セルゲイ・ベスパロフ、アレクサンター・ロンダヤスキー、アーロン・カウフマン、イリアナ・ニコリック
原案:マルセル・ロドリゲス
脚本:カイル・ウォード
衣装:ニナ・プロクター
編集:レベッカ・ロドリゲス
音楽:カール・シール
出演:ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード、カルロス・エステベス、レディー・ガガ、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、デミアン・ビチル、アレクサ・ベガ、バネッサ・ハジェンズ、キューバ・グッディング・Jr.、ウィリアム・サドラー、マルコ・サロール、ウォルト・ゴギンズ、ビリー・ブレア、メル・ギブソン
パンフレット:★★★★(500円/値段の割に情報量が多くて素敵すぎ。高橋ヨシキさんのコラムは要チェック)
(あらすじ)
麻薬捜査官のマチェーテ(ダニー・トレホ)は、アメリカ大統領(カルロス・エステベス)から、マッドマンと呼ばれるメキシコの麻薬王を倒してほしいとの依頼を受ける。しかし、マッドマン(デミアン・ビチル)は自分の心臓が止まると同時にワシントンD.C.へミサイルが飛ぶように仕組んでいた。その仕掛けを解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズ(メル・ギブソン)だけだったが、ヴォズもまた、世界を混乱に陥れようと企んでいた。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この映画のネタバレや細かいところを知りたい人はカゲヒナタさんのブログを読めばいいんじゃないかな。

「グラインド・ハウス」フェイク予告編が非常に愉快でして。それを元に映画化された前作もそこそこ面白かったので、今回の続編も前売り券を買って楽しみにしてましてね。なかなか時間が作れなかったんですが、先日、やっと新宿バルト9で観てきました。まぁ、好きにすればいいんじゃないかな (´∀`) モウイイヤ


ちなみにヒューマントラストシネマ渋谷が展示に力を入れてたので、貼っておきますね。
力を入れた展示


最近、500円台のパンフレットに良いモノが多い気がするんですが、この「マチェーテ・キルズ」のパンフも素晴らしくて。てらさわホークさんによる「『マチェーテ・キルズ』ミニ辞典」も最高なんですけど、何よりも高橋ヨシキさんのレビュー「幼稚なことは楽しい!『マチェーテ・キルズ』とロドリゲス映画」がスゲー良い感じ。特に「<幼児性>の快感が詰まったロドリゲスの映画を楽しむには、こちらも幼児になるのが一番」という文章には凄まじく頷かされたというか、気分がラクになったのです。まぁ、このパンフを読む前に、僕自身、「マチェーテ・キルズ」を観て悟ったことでもあるんですがー。


映画を観た人はぜひ読んでくださいな。
パンフレットのコラム


なんて言うんですかね、ロバート・ロドリゲス監督が作り出す瞬間的な快楽に特化したアクションシーンは大好きなんですよ、やっぱり。例えば、ヘリコプターを使った3つの気が利いた殺し方(① 敵の腸ををローターに引っ掛ける→人体バラバラ、② 敵にロープを引っ掛けてからローターに引っ掛ける→人体バラバラ、③ マチェーテ自身がローターに引っ掛かる→グルグル回って、敵の集団の首を刎ねまくる)とか最高だったし、とにかく人が死ぬ時は派手に無惨なのがスゲー良い。クローン用心棒のサロールを演じた“チリのアクション番長”マルコ・サロールが頑張ってたのもうれしかったですね~。


マルコ・ザロール、これを機に大作映画に抜擢されると良いですな (´∀`) ガンバッテ!
マルコ・ザロール


それ以外にも、3作目となる「マチェーテ・キルズ・アゲイン・イン・スペース」のフェイク予告編から始まるくだらなさ、マダム・デズデモーナ(ソフィア・ベルガラ)の“ガトリングガンを仕込んだブラジャー”に“股間のチンコ銃”という愉快なギミック、殺し屋カメレオンのキューバ・グッディング・Jr.→レディー・ガガ→アントニオ・バンデラスというデタラメな変化振り、エミリオ・エステベスの弟カルロス(a.k.a.チャーリー・シーン)がアメリカの大統領という配役のバカバカしさなどなど…。メル・ギブソンの悪役振りも良かったし、細かいところではカメレオンを撃ち殺したのが「ラストスタンド」の超ムカつくロンゲ野郎(ビリー・ブレア)だったのも妙に親近感が湧いたりして。基本的にはスゲー楽しかったのです。


振り返ってみれば、このマダム、ギミックは愉快だけど重用なキャラじゃなかったね。
ソフィア・ベルガラ


映画冒頭、この予告編が流れた時はビックリしましたよ↓ 「仮面の男」役がディカプリオって…。




唯一残念だったのは、話があまりにメチャクチャすぎて、“燃え”がまったくないこと。前作はまだ“メキシコの不法移民たちの怒り要素”などがあったものの、今回は単に「007/ムーンレイカー」とか「スター・ウォーズ」とか「マッドマックス」とか、いろいろな映画のパロディをやりたいだけであって。カッコ良かったり、愉快だったりする場面を即物的に消化しながら、とにかくやりたい放題に展開していくから、“人の死”の重さはゼロだし、登場人物がピンチに陥っても全然ハラハラしないんですよね。例えば、ルース(ミシェル・ロドリゲス)の片目が潰されて全盲となろうとも、「どうやって勝つんでしょうな~ ( ゚д゚)」と鼻をほじりながら観ちゃう感じ。


ミシェル・ロドリゲス、両目を失っていましたが、3作目が作られたら「座頭市」チックに戦うんでしょうか。
ミシェル・ロドリゲス


とは言え、ロバート・ロドリゲス映画とはそういうモノなのだろうと。彼にはずっと“キッチリと燃えるドラマチックなアクション映画”を撮ってほしいと思ってましたけど、今はそういうのが無理…というより、そういうのが作りたいワケじゃないんでしょうな。御年70歳にもなるダニー・トレホにハードなアクションを見せろと言っても大変だしね。要は、やっと諦めがついた感じだったのです(というか、僕が間違ってた)。なんとなく今年観た「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」を思い出したりしましたよ(あっちはグロすぎるけど、作り手の精神性は近いような)。


ダニー・トレホ、70歳でこんなアクション映画に主演してること自体が偉業な気もします。
ダニー・トレホ


だからね、最後、メル・ギブソンとの決着が宇宙に持ち越されて終わっても、「まぁ、いいや (´∀`) スキニシテ」と微笑ましい気持ちで受け入れられたというか、ハッピーな気分で劇場を後にした次第。もし、3作目となる「マチェーテ・キルズ・アゲイン・イン・スペース」が公開されることになったら、たぶんまた前売り券を買って楽しみにすると思います。おしまい。




同監督による1作目。スティーブン・セガールをラスボスに引っ張り出したのは大したモンだと思う。



サントラを貼っておきますが、音楽がどうだったか、サッパリ覚えてないです…。



「両目を潰される」繋がりで思い出したロバート・ロドリゲス監督作。嫌いじゃないけど… (・ε・) ウーン



マルコ・ザロール主演のボンクラ系ヒーロー映画。僕の感想はこんな感じ



ある意味、“金と品がないロバート・ロドリゲス映画”と言えるような。僕の感想はこんな感じ