トガニ 幼き瞳の告発(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

トガニ 幼き瞳の告発(ネタバレ)

トガニ 幼き瞳の告発※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(11/11) ※gifを追加しました(2013/3/9)

三角絞めでつかまえて-トガニ

原題:도가니/Do-ga-ni
2011/韓国 上映時間125分
監督・脚本:ファン・ドンヒョク
製作:オム・ヨンフン、ナ・ビョンジュン
原作:コン・ジヨン
音楽:モグ
出演:コン・ユ、チョン・ユミ、キム・ヒョンス、チョン・インソ、ペク・スンファン、キム・ジヨン、チャン・ガン、キム・ミンサン、オム・ヒョソプ
(あらすじ)
郊外の学校に赴任した美術教師のイノ(コン・ユ)は、寮の指導教員が女子生徒に体罰を加えている現場を目撃する。やがて、その女子生徒が校長を含む複数の教員から性的虐待を受けていることを知ったイノは、その事実を告発し、子どもたちとともに法廷に立つ決意を固めるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の記事は、いろいろな意味で不快になる怖れのある文章が書かれているので、そういうのが苦手な人や、この映画を好きな人は読まない方が良いかもしれません。
※今回の記事は、「バタリアン」のネタバレにも触れているので、気をつけて!
※今回の記事は「('A`)」と「ヽ(`Д´)ノ」の顔文字が大量に使われているので、苦手な人は気をつけて!


渋谷のシネマライズで観たんですけどね、激怒しすぎて具合が悪くなりました ('A`) ゲッソリ


シネマライズはこんな感じで…。
三角絞めでつかまえて-シネマライズの展示

新宿武蔵野館はこんな展示でした(こっちでは観てませんがー)。
三角絞めでつかまえて-武蔵野館の展示


僕も映画館で激怒したことは何度もありますけど(そもそも怒りっぽいしね (ノ∀`) テヘ)、ここまで頭に来たのは初めてでしたよ。話が始まってちょっと経って、学校の教師パク(キム・ミンサン)が少年ミンス(ペク・スンファン)に対して尋常じゃない暴力を振るってる場面からムカつき始めて、寮を仕切ってるクソババァが洗濯機に少女ヨンドゥ(キム・ヒョンス)の頭を突っ込んでいるシーンで、怒りゲージが一気に満タン状態に!ヽ(`Д´)ノコロス! しかも、その寮母が超ムカつく顔で「“しつけ”ですけど、何か? 川`Δ´) モンクアル?」みたいな態度をとるから、まだ序盤なのに怒り満タンゲージが2本に!ヽ(`Д´)ノ ナンダコレ 正直、この時点で、かなりヤバイ映画だと思いました…。


少年にハードな体罰を加えるクソ教師パク。さらにレイプもしてたので、牛裂きにすべき!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ教師

水責めという“拷問”を加えるクソ寮母。耳と鼻をもいでやりたいくらい憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソババァ


で、何がキツいって、子どもたちへの性的虐待描写がスゲー生々しいの ('A`) ヒドスギ 僕にも娘がいるからなおさらなのかもしれませんが(まだ1歳ですが)、可哀相だしおぞましいしムカムカして仕方がないというか、画面を直視するのも強固な精神力がいるレベル。ファン・ドンヒョク監督、よくここまでやったなぁと。その邪悪な所業を積極的に行うのは校長と行政室長(チャン・ガンの二役)&クソ教師パクであり、裁判になると己の既得権益を駆使しまくって保身に走る上に、さらには被害児童の貧乏な親たちを札束で叩いて示談に持ち込んだりするに至っては(この親の貧乏描写がまたドン底すぎて最悪…)、脳のキャパシティを越える怒りの波動に包まれるというか、座席で身悶えながら「ぬぅぅー!」と思わず声まで漏らしてしまうほど激昂!ヽ(`Д´)ノ マワリニメイワク!


クズ双子。こんなのが地元の有力者だからタチが悪い。2人とも凌遅刑にすべき!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-最悪な双子

このヨンドゥを手話で脅すシーンは、観てるこっちが殺してやりたいほど不快でしたが、実は伏線になっててビックリ。
三角絞めでつかまえて-子どもを脅すクソ野郎

最凶におぞましいシーン。この時ほど映画の人物をブチのめしたくなったことはないです。
三角絞めでつかまえて-最凶におぞましいシーン


もうね、ファン・ドンヒョク監督の見事な演出と脚本、観客を常にムカつかせる悪役たちの鮮やかな演技、そしてあんまりすぎる子ども描写により、まったく怒りが途切れないという恐ろしい状況であり、映画の半分くらいで熱で頭がグラグラしてしまって… ('A`) シニソウ クライマックス、被害児童が何とかクソ野郎どものプレッシャーを跳ね返して見事な証言をして、主人公たちも証拠のビデオテープを確保したりして、「ああん、やっと溜飲が下がるぅ~ ヽ(´Д`;)ノ ゲンカイデシタ」と思いきや! 味方かと思ってすっかり信頼してた検事&意外と中立っぽかった判事までグルになりやがって、ちゃっかり執行猶予がつくという、「ハードロックカフェ」アップル・コブラーに練乳とメープルシロップをふんだんにかけてスニッカーズを載せたような超アマアマ判決!ヽ(`Д´)ノ チクショウ!


クソ弁護士。弁護自体は仕方ないにしても、前官礼遇&検事買収は許せない。目をスプーンでくりぬいてやりたいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ弁護士

クソ判事。前官礼遇ってマジで狂った悪習としか言いようがない。頸椎と脊椎を1箇所ずつ砕いてやりたいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ判事

※土壇場で裏切ったクソ検事の画像がなかったので貼れませんでしたが、全裸で監禁して20日間かけて両手足の指を1本ずつ切断してやりたいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ


結局、その判決を納得できなかった少年ミンスがクソ教師パクとともに電車に飛び込んで死亡した挙げ句、そのクソ野郎集団が裁かれずに終わっちゃうんだから、マジで怒りすぎて脳が爆裂するかと思いました。一応、エンドクレジット後に「韓国での映画公開後に再調査されて、法律も改正されました」的なテロップが出るから、多少の救いはあるんだけどさ、やっぱり全然納得行かないというか。劇中に出てきた数少ない良心的な人たちが全員避難した後、「バタリアン」のようにミサイルが落ちて街ごと消滅しちゃえば良かったのに… (ノω・、) クヤシイ


その他のムカつく登場人物。クズ双子から賄賂をもらってたクソ刑事チャン(オム・ヒョソプ)は、両手両脚の腱を切断したいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ刑事

序盤に出てきたお役所対応をする教育庁のクソ職員。歯をペンチで1本ずつ丁寧に抜きたいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ職員

職を失いたくない一心で虐待を見過ごしてきたクソ警備員。下半身の皮を剥いでからゆっくりと海水に浸けたいほど憎い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-クソ警備員


って、やたらと「怒った怒った!ヽ(`Д´)ノ」「憎い憎い!ヽ(`Д´)ノ」と書いてきましたけど、非常に溜飲が下がる名シーンがありまして。主人公イノも仕事がないと生きていけないし(喘息の娘がいる)、母親(キム・ジヨン)の実にリアルな説得もあって、一旦は虐待を見過ごそうと思ったりもするんですね。で、ゴキゲンを取ろうと、校長が好きな鉢植えを持って校長室を訪れると、そこにはミンスを虐待するクソ教師パクがいて…。散々悩んだ挙げ句、ミンスにさらなる暴力を加えようとするパクの後頭部に向かって必殺の鉢植えストライク!ヽ(`Д´)ノ ナイスジャスティス! このシーンは本当に見事というか、スゲー気持ち良くて、そのままイノが大量の鉢植えを使ってムカつく奴らの頭を次々とカチ割る映画になれば良かったのになぁ…(遠い目)。


すべてを見抜いていたお母さんの正論。それもその通りなんですが…。
三角絞めでつかまえて-お母さんの正論

「やっぱり子どもを蹂躙するクズは許せない!」と、パクの後頭部に正義の鉢植えストライク! イノ、容赦せん!ヽ(`Д´)ノ ※gifに変更しました(2013/3/9)
三角絞めでつかまえて-奥義・鉢植えストライク!


つーか、主人公を演じたコン・ユを始め、虐待される子役の3人とか、超素晴らしかったですよ(監督は子どもたちにかなり気を遣って演出したそうな)。さっきも書きましたけど、悪役を演じた人たちは軒並みスゲー憎らしかったし、イノのお母さんを演じたキム・ジヨンもコクのある顔が素敵でした。まぁ、ヒロインにあたる人権センターのユジン(チョン・ユミ)も良かったけど、映画冒頭の“停まってるイノの車に追突して文句をつけるくだり”は、かなりイラッとしたというか、あのシーンはなくても良かったと思ったり。


主人公を演じたコン・ユは頑張ってましたな~。
三角絞めでつかまえて-超良い人

このヒロイン、登場時は最悪だと思いましたよ。
三角絞めでつかまえて-登場時は問題があった人


僕的にこの映画を観て、あらためて認識したことは2つ。1つ目は、当たり前ですけど、虐待はダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ 「頼れる人がいないシングルマザーが、つい、我が子に手をあげてしまって… 川ノω・、) ドウシヨウ」といった状況ならまだ理解できなくもありませんが、ケガをするような過剰な暴力やおぞましい性的虐待なんて言語道断。冤罪の怖れもあるので、死刑とまでは言いませんけど、やった奴は無期懲役をデフォルトにしてほしいところです。ただ、生まれつきそういう性癖の人間がいて鬱屈しているのも確かですから、せめてエロ漫画などの創作物の世界はゾーニングの徹底を条件に、自由にしておくべきだとも思ったり。

2つ目は、子どもへの犯罪は見過ごしちゃダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ 僕なんて基本的に“強者に媚びを売りながら生きてきたような人間”ですからね。長いモノに巻かれるどころか、むしろ毎朝、自ら長いモノを体に巻いて出掛けているほどであり、お金のためなら信念なんかグニャグニャと曲げまくって、取引先のニーズに「はい、喜んで~!ヘ(゚∀゚*)ノ」と応えることなんて何の抵抗もなかったりするんです。

だがしかし! 子どもに関してはダメですよ。劇中でイノや警備員が直面する問題であり、実際にそういうことを目撃しちゃうと、あまりのおぞましさに「自分の勘違いかも…」と逆に現実逃避して目をつむったりもしそうですが、子どもの未来が掛かっているワケですから。そういう奴を見つけたら、積極的に鉢植えストライクを実施してほしいところですな(って、さっきから勝手に技名をつけちゃってすみません…)。

ということでね、見終わった後は“怒りの熱”で脳が茹で上がっちゃって、スゲー具合が悪くなりましたよ… ('A`) ゲッソリ こういう問題って日本でも全然起こりうるというか、パンフレットでフリージャーナリストの小宮純一さんが触れていたように、すでに恩寵園事件とかあったワケで、ぜひ多くの人に観てもらいたいと思いつつも、内容&描写がキツいので無闇には薦められないという複雑な心境。この映画を観てゲンナリした人は、逆に「隣る人」とか観ると、「ああ、こういう素晴らしい大人たちもいるんだよな… ( ;∀;) イイハナシダナー」と、より胸に響くかもしれませぬ。ちなみにこの映画が韓国で大ヒットしたことで再調査が始まって、今年7月、元になった事件の学校関係者に懲役12年の実刑判決が下ったりしたそうで、それは非常に良いことだけれども、僕的には「羽死夢に股間を握り潰させる」とか「関係者全員をつなげてみる」といったハードな罰を与えてほしかったカナー (・ε・) オシマイ 

宇多丸師匠の非常にタメになる批評がアップされてるので、ぜひ聴いて!




孔枝泳(コン・ジヨン)による原作小説。ハードそうで読む気がしない…。



ファン・ドンヒョク監督の長編デビュー作。これも実話ベースだとか。



サントラも貼っておきますね。



孔枝泳が死刑制度を扱った小説。映画化もされたそうな。



コン・ユが人気を博したテレビドラマ。話の内容は「イケメン♂パラダイス」の喫茶店版っぽい。



映画の元になった事件について書かれてそうなので貼ってみました(未読)。