トロール・ハンター(ネタバレ)
トロール・ハンター
原題: Trolljegeren/TROLL HUNTER
2010/ノルウェー 上映時間104分
監督・脚本:アンドレ・ウーヴレダル
出演:オットー・イェスパーセン、ハンス・モルテン・ハンセン、トマス・アルフ・ラーセン
(あらすじ)
ノルウェーの田舎町で問題になっている熊の密猟事件を取材しにやってきた大学生3人組。彼らが怪しい男・ハンス(オットー・イェスパーセン)を尾行していたとき、何と伝説の生き物トロールが出現。ハンスは政府に雇われていたトロール・ハンターだったのだ。3人はハンスと一緒に行動し、トロールの衝撃的な生態をカメラに収める。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
90点
※今回の映画に関しては、かなり評価が分かれると思うので、よっぽど僕と好みが合う人以外は(「劇場版 マリア様がみてる」も含めて)、点数を鵜呑みにしないで!
映画鑑賞をするにあたって、僕は基本的には“事前知識をなるべく入れない派”でして。今年のベスト1になるであろう超期待作「エクスペンダブルズ2」ですら、キャスト以外の情報はあまりチェックしてなかったりするんですよ。
ただ、好きなライターさんやブログの評価だけはチラ見して、観に行く映画を決めてたりはしてましてね。今回の「トロール・ハンター」は「映画秘宝 2012年 03月号」の年間ベスト企画で、僕が誰よりもそのチャイルディッシュな審美眼を信用している映画ライター・ギンティ小林さんがベスト2に、その相棒である市川力夫さんはなんとベスト1に選んでいたということで、「これは観なければ!ヽ(`Д´)ノ」と。で、TOHOシネマズ日劇に行ってきたんですが…。思ってた以上に僕も大好物でした (´∀`)
映画について簡単に書くと、「トロールの駆除を生業とするハンスを大学生3人組が取材する話」であり、「彼や政府(TST/トロール保安機関)が『どうやって秘密裏にトロールたちを倒してきたか』、そして『その存在をどうやって国民に隠してきたか』を描いたフェイクドキュメンタリー」なんですね。そりゃあね、「そんな大きい生物、絶対隠蔽できないだろ (`Δ´) バカジャネーノ」とか、「トロール、CG丸出しじゃん (`∀´) ヤスッポイ」とか、いろいろツッコミどころはあるのかもしれませんが、それっぽいウソを細かく散りばめて頑張って世界観を作ってたので、僕的には全然OK。そして、何よりも“陽の当たらない場所で戦ってきたプロフェッショナルの映画”というところにグッときたんですよね…。
ギンティ小林さんが「映画秘宝 2012年 05月号」やパンフレット(600円なのに素晴らしい出来なのでマストバイ!)で書かれていたように、僕も真っ先に思い出したのは「仮面ライダー響鬼」でした。「仮面ライダー・ミーツ・中学生日記」といった作りも大好きだったんですが、何よりも胸を掴まれたのは、「“鬼”と呼ばれる妖怪退治のプロたちが、地元の人たちと協力しつつ、人知れずにずっと魔化魍(妖怪)を退治していた」という設定。しかも、ディスクアニマルを使って魔化魍の居場所を探索するという手順がリアルっぽくて好感が持てたし、倒す時も“ある一定時間、音撃を叩き込む”という手間が“仕事”っぽくて良い感じ(だから、話が進んで一撃で倒したりするようになったのは本当にイヤだった)。まぁ、“仮面ライダー感”はゼロですけど、僕はその“職業感”がたまらなくて、今も心底愛している作品なんですよ。
動画を貼っておきますね↓ 神戸みゆきさんが亡くなったのは悲しいですな…。
仮面ライダー響鬼 投稿者 retudou
で、この映画に出てくるトロール・ハンターのハンスはモロにそんな感じでして。陽の当たらない場所で、ずっと体を酷使しながら、精神をすり減らしながら、テリトリーから離れて人里に降りてきたトロールを駆除してきたというね…。トロールは紫外線を当てて倒すんですけど、体の動きは鈍いながらも、お手製なムードが漂う装備を駆使して退治していく姿はまさに“歴戦の仕事人”であり、素敵としか言いようがなかったです。
仕事に厭気が差して、大学生たちの取材に応じることにしたハンス。70年代にトロールを大量虐殺した過去を持つ。
トロールは紫外線を照射して倒す! 車までおびき寄せて浴びせると、トッサーラッド(トロールの種類)は一気に石化。
しかも、この手のフェイクドキュメンタリーって、なかなかクリーチャーそのものを見せなかったりするイメージがありますが、この映画は基本的に見せまくりなので、そのサービス精神もありがたかったです。まぁ、確かに出てくるトロールたちは少し作り物っぽいですけどね、僕はそれが逆にトロールという生物の不気味さを上手く表現している気がして、良かったと思いましたよ。特にハンスを食べようとした時のリングルフィンチにはゾッとしましたね。
トロールの採血を命じられたハンスは、DIY魂がこもったアーマーを装着。胸の赤いボタンは紫外線爆弾のスイッチ(たぶん)。
一時はリングルフィンチに撲殺されたと思いきや、見事採血してから、紫外線爆弾による連続照射で爆殺してました(直接は映りませんが)。
何よりも胸を打たれたのは、クライマックス。狂犬病に冒されて暴走する60メートル級のトロール、ヨットナールに何度も車から紫外線を当てた後、ハンスは手持ちの武器で立ち向かうんですが…。ノルウェーの過酷な風景と合わさって、巨大なトロールに単身で向き合うシーンは超カッコイイ!ヽ(`Д´)ノ 倒した後、立ち去っていく背中には何とも言えない哀愁が漂ってて、ちょっと泣いちゃいました… (ノω・、)
最後は60メートル級のトロール、ヨットナールとタイマン! ハンス、男だぜ!ヽ(TДT)ノ
気になるところもあるんですよ。正直、トロールが出てくるまでは少し退屈だったというか。狂言回しだから仕方ないんでしょうけど、大学生たちのパートは全体的にもう少し短くても良かったと思いました。あと、僕は結構真面目に観てたので(映画自体にはコミカルで笑えるところはあるんですけど、劇中のムードは基本シリアス)、最後、大統領が記者会見でトロールの保護云々を言うくだりや、エンドロール後の「この映画でトロールは虐待されていません」的なテロップが出るのは蛇足に感じちゃったかなぁ。
ただ、パンフレットによるとアレはガチの大統領の映像であり、実際は「トロールガス田のことについて話していた」そうで。要は、ノルウェーの観客に向けた映画としてはかなり気が利いたオチみたいなんですよね。ハンスを演じてるのも有名なコメディアンらしいし、むしろ僕みたいに真剣に観てる人の方が間違ってるんでしょうな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
そんなワケで、ツッコミどころは結構あると思いますけど、僕は大好きなフェイクドキュメンタリーでしたよ。かなり人を選ぶような気はしますが、興味がある人は絶対大画面で観た方が良いんじゃないかしらん。現在、全国では公開が終わってるところが多くて、都内も4/13(金)で上映終了なので気をつけて!
大好きな特撮ドラマ。DVDは全部持ってます。
モンスターが出てくるフェイクドキュメンタリーといえば、これですわな。
なんとなく思い出した“吸血鬼を退治するプロフェッショナル”の映画。超地味だけど大好き。
トロールが出てくる有名な絵本も貼っておきますね。ラストの「チョキン、パチン、ストン」のパンチラインは永遠。
原題: Trolljegeren/TROLL HUNTER
2010/ノルウェー 上映時間104分
監督・脚本:アンドレ・ウーヴレダル
出演:オットー・イェスパーセン、ハンス・モルテン・ハンセン、トマス・アルフ・ラーセン
(あらすじ)
ノルウェーの田舎町で問題になっている熊の密猟事件を取材しにやってきた大学生3人組。彼らが怪しい男・ハンス(オットー・イェスパーセン)を尾行していたとき、何と伝説の生き物トロールが出現。ハンスは政府に雇われていたトロール・ハンターだったのだ。3人はハンスと一緒に行動し、トロールの衝撃的な生態をカメラに収める。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
90点
※今回の映画に関しては、かなり評価が分かれると思うので、よっぽど僕と好みが合う人以外は(「劇場版 マリア様がみてる」も含めて)、点数を鵜呑みにしないで!
映画鑑賞をするにあたって、僕は基本的には“事前知識をなるべく入れない派”でして。今年のベスト1になるであろう超期待作「エクスペンダブルズ2」ですら、キャスト以外の情報はあまりチェックしてなかったりするんですよ。
ただ、好きなライターさんやブログの評価だけはチラ見して、観に行く映画を決めてたりはしてましてね。今回の「トロール・ハンター」は「映画秘宝 2012年 03月号」の年間ベスト企画で、僕が誰よりもそのチャイルディッシュな審美眼を信用している映画ライター・ギンティ小林さんがベスト2に、その相棒である市川力夫さんはなんとベスト1に選んでいたということで、「これは観なければ!ヽ(`Д´)ノ」と。で、TOHOシネマズ日劇に行ってきたんですが…。思ってた以上に僕も大好物でした (´∀`)
映画について簡単に書くと、「トロールの駆除を生業とするハンスを大学生3人組が取材する話」であり、「彼や政府(TST/トロール保安機関)が『どうやって秘密裏にトロールたちを倒してきたか』、そして『その存在をどうやって国民に隠してきたか』を描いたフェイクドキュメンタリー」なんですね。そりゃあね、「そんな大きい生物、絶対隠蔽できないだろ (`Δ´) バカジャネーノ」とか、「トロール、CG丸出しじゃん (`∀´) ヤスッポイ」とか、いろいろツッコミどころはあるのかもしれませんが、それっぽいウソを細かく散りばめて頑張って世界観を作ってたので、僕的には全然OK。そして、何よりも“陽の当たらない場所で戦ってきたプロフェッショナルの映画”というところにグッときたんですよね…。
ギンティ小林さんが「映画秘宝 2012年 05月号」やパンフレット(600円なのに素晴らしい出来なのでマストバイ!)で書かれていたように、僕も真っ先に思い出したのは「仮面ライダー響鬼」でした。「仮面ライダー・ミーツ・中学生日記」といった作りも大好きだったんですが、何よりも胸を掴まれたのは、「“鬼”と呼ばれる妖怪退治のプロたちが、地元の人たちと協力しつつ、人知れずにずっと魔化魍(妖怪)を退治していた」という設定。しかも、ディスクアニマルを使って魔化魍の居場所を探索するという手順がリアルっぽくて好感が持てたし、倒す時も“ある一定時間、音撃を叩き込む”という手間が“仕事”っぽくて良い感じ(だから、話が進んで一撃で倒したりするようになったのは本当にイヤだった)。まぁ、“仮面ライダー感”はゼロですけど、僕はその“職業感”がたまらなくて、今も心底愛している作品なんですよ。
動画を貼っておきますね↓ 神戸みゆきさんが亡くなったのは悲しいですな…。
仮面ライダー響鬼 投稿者 retudou
で、この映画に出てくるトロール・ハンターのハンスはモロにそんな感じでして。陽の当たらない場所で、ずっと体を酷使しながら、精神をすり減らしながら、テリトリーから離れて人里に降りてきたトロールを駆除してきたというね…。トロールは紫外線を当てて倒すんですけど、体の動きは鈍いながらも、お手製なムードが漂う装備を駆使して退治していく姿はまさに“歴戦の仕事人”であり、素敵としか言いようがなかったです。
仕事に厭気が差して、大学生たちの取材に応じることにしたハンス。70年代にトロールを大量虐殺した過去を持つ。
トロールは紫外線を照射して倒す! 車までおびき寄せて浴びせると、トッサーラッド(トロールの種類)は一気に石化。
しかも、この手のフェイクドキュメンタリーって、なかなかクリーチャーそのものを見せなかったりするイメージがありますが、この映画は基本的に見せまくりなので、そのサービス精神もありがたかったです。まぁ、確かに出てくるトロールたちは少し作り物っぽいですけどね、僕はそれが逆にトロールという生物の不気味さを上手く表現している気がして、良かったと思いましたよ。特にハンスを食べようとした時のリングルフィンチにはゾッとしましたね。
トロールの採血を命じられたハンスは、DIY魂がこもったアーマーを装着。胸の赤いボタンは紫外線爆弾のスイッチ(たぶん)。
一時はリングルフィンチに撲殺されたと思いきや、見事採血してから、紫外線爆弾による連続照射で爆殺してました(直接は映りませんが)。
何よりも胸を打たれたのは、クライマックス。狂犬病に冒されて暴走する60メートル級のトロール、ヨットナールに何度も車から紫外線を当てた後、ハンスは手持ちの武器で立ち向かうんですが…。ノルウェーの過酷な風景と合わさって、巨大なトロールに単身で向き合うシーンは超カッコイイ!ヽ(`Д´)ノ 倒した後、立ち去っていく背中には何とも言えない哀愁が漂ってて、ちょっと泣いちゃいました… (ノω・、)
最後は60メートル級のトロール、ヨットナールとタイマン! ハンス、男だぜ!ヽ(TДT)ノ
気になるところもあるんですよ。正直、トロールが出てくるまでは少し退屈だったというか。狂言回しだから仕方ないんでしょうけど、大学生たちのパートは全体的にもう少し短くても良かったと思いました。あと、僕は結構真面目に観てたので(映画自体にはコミカルで笑えるところはあるんですけど、劇中のムードは基本シリアス)、最後、大統領が記者会見でトロールの保護云々を言うくだりや、エンドロール後の「この映画でトロールは虐待されていません」的なテロップが出るのは蛇足に感じちゃったかなぁ。
ただ、パンフレットによるとアレはガチの大統領の映像であり、実際は「トロールガス田のことについて話していた」そうで。要は、ノルウェーの観客に向けた映画としてはかなり気が利いたオチみたいなんですよね。ハンスを演じてるのも有名なコメディアンらしいし、むしろ僕みたいに真剣に観てる人の方が間違ってるんでしょうな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
そんなワケで、ツッコミどころは結構あると思いますけど、僕は大好きなフェイクドキュメンタリーでしたよ。かなり人を選ぶような気はしますが、興味がある人は絶対大画面で観た方が良いんじゃないかしらん。現在、全国では公開が終わってるところが多くて、都内も4/13(金)で上映終了なので気をつけて!
大好きな特撮ドラマ。DVDは全部持ってます。
モンスターが出てくるフェイクドキュメンタリーといえば、これですわな。
なんとなく思い出した“吸血鬼を退治するプロフェッショナル”の映画。超地味だけど大好き。
トロールが出てくる有名な絵本も貼っておきますね。ラストの「チョキン、パチン、ストン」のパンチラインは永遠。