奪還(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

奪還(ネタバレ)

奪還

三角絞めでつかまえて-奪還
奪還 [DVD]

原題:Wrong Side of Town
2009/アメリカ 上映時間85分
監督:デイヴィッド・デファルコ
製作:ジェイソン・ヒューイット
製作総指揮:カーステン・ロレンズ
出演:ロブ・ヴァンダム、デイブ・バティスタ、ジェリー・カッツ、オマリオン、ルイス・ハーサム、ランダル・リーダー
(あらすじ)
元SEAL隊員のボビーは、退役後、静かな生活を送っていた。しかし、ある時、LAギャングのボス、セルの弟とトラブルを起こしてしまい、彼の首には賞金がかけてられてしまう。街中のギャングや汚職警官から命を狙われることになったボビー。ボビーは、特殊部隊時代の相棒、ルーニーに助けを求める。ルーニーの協力を得ながらも、一人悪に立ち向かうボビー。そして、悪の手は、ボビーの家族にも伸びようとしていた。果たしてボビーは、悪を倒し、家族を守ることができるのか?!(以上、FINE FILM公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




30点


プロレスラーの主演映画は基本的には観るようにしてまして。レンタル店のアクション映画の棚でたまたま見つけて、「おおっ、バティスタが主演の映画じゃないですか!」とノリノリで借りたんですが…実際に観てみたら主演がロブ・ヴァン・ダムだったのでビックリしました。


ロブ・ヴァン・ダム(以下、「RVD」)はこんな感じのレスラー↓




バティスタはこんな感じのレスラー↓(DVDの宣伝ですな)




FINE FILMのサイトに書いてあるあらすじを読む限りは、ボビーを演じているのがバティスタだと思いそうですけど、バティスタが演じているのは途中から出てくるルーニーという役で、ボビー役はRVDなんですね。アクションシーンの見せ場はそれなりに用意されてたけど…バティスタは合計20分くらいしか出てないんじゃないかな。それなのにジャケットの前面にバティスタを推しだして、「このオヤジ無敵!」なんて、いかにもスティーヴン・セガールの映画っぽいキャッチを載せちゃったりしてさ、リリースしたFINE FILMのやり方はどうかと思いますよ! と思っていたら、米国版DVDのジャケットはこんな感じでして↓


あら、バティスタが中央に!
三角絞めでつかまえて-アメリカ版DVD2

こんなバージョンもありました。
三角絞めでつかまえて-アメリカ版


ううむ、元からこういう状態ならFINE FILMに責任はありませんな。ちなみにオマリオンという有名な感じの人もジャケットに主要人物っぽく載っていますが、たぶんほとんど活躍してないと思います(どれがその人だったか全然分からなかった)。

でも、RVDも好きなレスラーなので「まぁ、いいか」と気にしないで観たんですが、結構つまらなくて。話を簡単に書くと「引っ越ししてきた隣人に誘われてボビー夫婦がクラブ風のレストランに行く→ギャングのボスの弟・イーサン(ロス・ブリッツ)がボビーの奥さんをレイプしようとする→ボビーが助けたらイーサンは自爆して死亡→逆恨みしたギャングのボス・セス(ジェリー・カッツ)がギャングたちを使ってボビーたちを襲う→撃退→また襲われる→撃退→ボビーが昔の仲間のルーニーに助けを求める→娘がさらわれる→救出→適当な軽口を叩いて終了(「アタシも刺青入れたい」「ダメだ」的なやりとり)」って感じ。それに「汚職刑事(ルイス・ハーサム)が良心を取り戻して~」とか「ルーニーがボビーを助けるかどうか悩む」とか「イーサンが実はセスが16歳の時に生まれた息子だった!」という要素が絡んで……なんて書くと、意外と面白そうに思えるかもしれませんが、全然そんなことないので注意!

とにかく全編ツッコミどころが多すぎるんですよ。「敵も味方も登場人物たちが野放図に人を殺しまくりすぎ」とか、「主人公が警察を頼らなすぎ」とか、「イーサンが『セスの息子だった!』設定、必要なさすぎ」とか、「汚職刑事が善人になる描写、不要だろ」とかとかとか…。なんか「有名なレスラー2人も起用したんだから、アクションさえ見せとけば話なんてどーでもいいだろ?」的な舐めた感じがプンプンするというか。セスと汚職刑事が裏切り者を殺すオープニングがそんなに悪くなかったので、ちょっと期待しちゃった分、恐ろしくイライラしましたよ…。

アクションは…まぁ、低予算感バリバリの中、それなりには頑張ってましたけど、全体的に面白くはないです。非常に素敵な映画ブログ「【SAMPLE】ビデオながら見ながら日記」さんでも触れられていましたが、ド迫力な肉体を持つバティスタがこぢんまりとサブマシンガンを持つ姿が実にショボくて、「この映画の監督はセンスないなぁ」と心から思ったりして。バイクに乗った敵が出てくるシーンとかもなんか牧歌的だったなぁ。


ドルフ・ラングレンの映画でも思うことですけど、体の大きい人に小さな銃ってなかなか合わないような。
三角絞めでつかまえて-左にいるのが主演の人


格闘アクションに関しては、ところどころ「オッ」というシーンもあるんですが…やっぱり微妙。柔術的なムーブも少しあったけど、多人数のアクションシーンで腕十字仕掛けて、案の定、他の奴にボコられたりしてました。なんだソレ。バティスタの必然性のないタイマンシーン(銃を持っていたのを捨てて、わざわざ素手で戦う)も頑張ってはいたけど…。バティスタの方が体が大きくて強そうに見えるから、彼がピンチに陥ってもハラハラするというよりは「貴様は何をモタモタしてるんだ!」的に見えちゃって全然面白くない。ナイフバトルも単にパタパタと手を動かすだけだしね(ちゃんとできないならやめようよ)。しかも、最終的には相手に逃げられちゃって、そいつは「ボスを殺害直後のRVDを襲う」という展開…。結局、「RVDと戦っているそいつの背後からバティスタが一撃して倒す」ってオチなんですけど、驚くほどカタルシスがなくて逆に感心しました。こんなダメなクライマックス、なかなか観られないような気がします。

ただ、途中、バティスタの店(トップレスバー?)の女の子がオッパイを出すというサービス精神は買えると思いました(しかも、男性を立てるタイプの女性であり、野郎どものマッチョイズムをさらに刺激!)。あと、RVDの娘がギャングに拉致されて、手下と話すシーン↓


拉致されても強気な娘。手下どもを「バカ」と挑発すると…。
三角絞めでつかまえて-バカなのね

「バカじゃないよ! 短大入ったモン!」と反論。
三角絞めでつかまえて-短大入ったモン

ところが娘が「卒業したの?」と聞くと…。
三角絞めでつかまえて-卒業は?

少しゲンナリしながら「いや…」との答え。
三角絞めでつかまえて-いや

勝ち誇る娘! 学歴社会に絶望した!
三角絞めでつかまえて-あらあら


太った手下の役名はトラブルで、演じたのはランダル・リーダーって人なんですが、このやりとりはツボに入ってなんか好きでした。ただ、映画全体は本当につまらなかったので、RVDかバティスタのファンじゃない人がチェックする必要は皆無だと思いますよ。




ロブ・ヴァン・ダムが出演してる映画。「1」はジェット・リー主演だから観たけどイマイチだったような。一応、「3」まであるっぽい。
三角絞めでつかまえて-ブラックマスク2
ブラックマスク2 [DVD]


ロブ・ヴァン・ダムの魅力が詰まってるっぽいDVD。ほしいんだけどなぁ。
$三角絞めでつかまえて-ロブヴァンダム
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バティスタの魅力が詰まってるっぽいDVD。こっちもほしいんだよなぁ。
三角絞めでつかまえて-バティスタdvd
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セガールの「奪還」。この映画の方が全然面白かった…と思います。
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その後の主演作にまた同じような邦題を付けられているセガール。
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沈黙の奪還 [DVD]


FINE FILMのラインナップを見て気に入ったのが「海鷹」。テレビドラマのDVDだから値段が結構高いね。
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海鷹-UMITAKA- コンプリートDVD BOX