ドルフ・ラングレン in ディテンション(ネタバレ)/ありがとうドルフ・ラングレン特集 | 三角絞めでつかまえて2

ドルフ・ラングレン in ディテンション(ネタバレ)/ありがとうドルフ・ラングレン特集

ドルフ・ラングレン in ディテンション

三角絞めでつかまえて-ディテンション
ドルフ・ラングレン in ディテンション [DVD]

原題:DETENTION
2003/アメリカ 上映時間93分
監督:シドニー・J・フューリー
脚本:D・J・シェパード
出演:ドルフ・ラングレン、アレックス・カルジス、カタ・ドボー、コリー・セヴィエール
(あらすじ)
リンカーン高校を完全に占拠したテロリストたちは、校内に残る教師・デッカー(ドルフ・ラングレン)と生徒の命を狙い始める。(以上、amazonより)

予告編はこんな感じ↓




27点


22本目の「ありがとうドルフ・ラングレン特集」「ドルフ・ラングレン in ディテンション」。ラングレン初の教師バトルアクションということで、「『トイ・ソルジャー』×ラングレンって感じかしら?」と少しだけ期待しちゃったんですが、実際に観てみたら何とも言えない気持ちになりました…。ちなみにタイトルはカッコ良さげなムードですが、「DETENTION」という単語は「居残り」という意味だそうで。要は「ドルフ・ラングレン in 居残りってことだったりします。

ストーリーは、「ここは学校じゃない。まるで刑務所だ」とすっかりやる気のない歴史&体育教師のラングレンが、学校を辞める前に生徒の居残りを担当したら、その学校を犯罪者が占拠して…という感じ。一応、ラングレンは「目の前で子どもを助けられなかった元軍人」という設定だったりして、最終的には生徒と協力して敵を全員殺害(生徒側も2人死亡)。危機を乗り越えてちょっとやる気が出たのか、またこの学校で働くことになって終わってました。

冒頭、軍人時代のラングレンがボスニアで戦うシーンは少しだけ「おっ!」と思ったんですけどね…。まず、敵の犯罪者集団がバカすぎて不快なんですよね。特にアレックス・カルジスが演じた“エキセントリックな犯罪者のボス”が、洒落た台詞を言ってるつもりなんだろうけど全然気が利いてなかったりして…。生徒が作ったトラップに引っ掛かったりする様子なんて、出来が悪くて笑えない「ホーム・アローン」というか。ボスニアで一緒に戦っていた同僚が悪徳警官になってたという展開もスゲーどうでも良い感じの描写だし。そもそも彼らが学校を占拠したのは「警察が押収した大量の麻薬を強奪するため」なんですが(下水を利用して、麻薬を運ぶ警察車両を下から襲う計画)、映画を観た人のほとんどが「その手口なら別に学校を占拠しなくても良かったんじゃないの?」って思ったのではないでしょうか。

「辞表の出しっぷりが酷い(校内で婚約者とイチャイチャしてるところを校長に諫められた直後)」とか「この時代になんで犯罪者しか携帯を持ってないんだよ」とか「胸ポケットに缶が入ってて助かるって…」とか、他にもツッコミどころは無数にあってキリがないんですが、僕が一番イラッとしたのはラングレンがあまり活躍しないってことでして。電動車椅子でバイクとチェイスしたり、校内で車を走らせたりと、生徒の方が見せ場が多いんですよね…。一応、最後はヘリを撃ち落としたりしてましたけど、その爆発シーンだって「野外でちょっと火薬を爆発させてみたヨ (・∀・)」って感じでショボいし…。もうね、本当に残念な映画でした。


クライマックス、ヘリの残骸が映らない爆発シーン。
三角絞めでつかまえて-小爆発


というか、映画を観ていてB級だと実感する瞬間ってありませんか? この映画でそれを感じたのは、序盤でラングレンが出席しない生徒を連れ出そうとして仲間のチンピラに「やる気か?」と絡まれるシーン。「軍人時代に子どもを救えなかった→暴力にウンザリしたから教師になったんだろうし、ここで揉め事を起こすと生徒にも後々迷惑がかかるかもしれないし、どうせ後で元軍人という経歴を生かしたアクションを披露するんだから、ここはあえて牙を見せないんだろうな」なんて思ってたら、アッサリ相手の腹を殴って拳銃を奪い、「もうここには来るな」と一喝…。うまく書けませんが、なんか「B級映画だなぁ…」としみじみ思いました。


チンピラに絡まれたラングレン。争いを避けるのかと思いきや…。
三角絞めでつかまえて-やってもいいが

やる気マンマンじゃないですか!
三角絞めでつかまえて-勝つのはオレだ

しかも不意打ちで腹に一発!
三角絞めでつかまえて-腹に一発!

銃を奪ってご満悦ですな。
三角絞めでつかまえて-銃を奪ってご満悦


って、文句が多い感じですが、監督のシドニー・J・フューリーは1933年生まれで「スーパーマンIV 最強の敵」「アイアン・イーグル」を撮った人ということで、「長年、頑張ってるなぁ」と微妙に感心しました。ラングレンの教師姿自体も悪くなかったですな(本人の頭の良さが滲み出てる感じ)。体育の授業では短パン姿になったりしてましたが、ラングレンは意外と短パン率が高いような、そんな気がしました。


短パン姿でくつろぐラングレン。
三角絞めでつかまえて-短パン姿のラングレン


あと、DVDには8分ほどのメイキングも収録されていたんですが、関係者たちがこんなことを語っていて↓


「アクションがすごく上手な俳優でも演技は下手なことが多い。でもドルフはどっちもできる
「尊敬できる俳優でしかも気さくな人なの。スター気取りのところがなく、初対面の時から打ち解けた雰囲気で接してくれた」
「命令したり、自分のやり方を押し付けたりしない。僕らの演技を黙って見ていて、僕らは彼の姿を見て学ぶ」
ドルフは何でもできる俳優だ。スタントも全部自分でやった」
ドルフがいると現場に活気が出る。僕らが疲れてても彼は気合い十分。前向きな彼を見てるとこっちも乗ってくる」



よく分かりませんが、自分の友人が褒められているような、そんなうれしい気持ちになりました。そして、ラングレン自身はこんなことを語っていまして↓


「普段から鍛えてるから特別な訓練は不要だったし、今までにも映画の中で銃撃戦や格闘を経験してる」
「だからアクションは問題ないけど、教師を演じるのは難しい。最大の挑戦は先生を演じるってことだね」
いいシーンがいっぱいだ。何しろ監督がシドニー・J・フューリーだからね
「僕はアクションに慣れてるが子役たちは違う。彼らが大丈夫かどうか気を配るよ」
「撮影しててひどい授業風景だと思った。今時の教師はつらいね」
「教師もやるけど悪いヤツらも倒す。楽しんで見てくれ



もうね、爽やかに語るラングレンの笑顔があまりにも眩しくて、つい「うん、楽しかったよ! 良いシーンもいっぱいだったよ!」と泣けてきてね…(ノДT) メイキングの力ってスゴイなぁと思ったり。


笑顔で語るラングレン。
$三角絞めでつかまえて-良いシーンがいっぱいだ


とは言いつつも、やっぱり基本的にはイライラする映画だったのでオススメはしませんが、ラングレンの教師姿は貴重だし、メイキングのラングレンは素敵だったので、興味がある人はDVDを借りても良いんじゃないですかね。




日曜洋画劇場でよくやってたイメージ。三宅隆太監督はこのシリーズが好きなんですよね。
三角絞めでつかまえて-アイアンイーグル
アイアン・イーグル [DVD]