パニッシャー（ネタバレ）／ありがとうドルフ・ラングレン特集

パニッシャー

原題：THE PUNISHER
1989／オーストラリア　上映時間90分
監督：マーク・ゴールドブラット
製作：ロバート・マーク・ケイメン
脚本：ボアズ・イェーキン
出演：ドルフ・ラングレン、ルイス・ゴセット・Ｊｒ、ジェローン・クラッベ、ドナル・ギブソン、キム・ミヨリ、ブライアン・マーシャル、ナンシー・エヴァーハード、バリー・オットー、八巻建志、金山裕文
（あらすじ）
ある日、刑事フランク・キャッスル（ドルフ・ラングレン）の幸せな家庭が一瞬にして不幸に見舞われる。彼の愛する妻子がイタリアン・マフィアに殺されてしまったのだった。以来フランクは警察を辞職し、処刑人“パニッシャー”となって地下に潜伏しながらマフィアたちに復讐していた。また一方では、彼の元同僚ジェイク（ルイス・ゴセット・Ｊｒ）がその行方を追っている。そんな中、日本のヤクザを仕切る女ボス、レディ・タナカ（キム・ミヨリ）がマフィア組織を支配下に置くため、マフィアのボスたちの子供を誘拐。そこへ、子どもたちを救いにフランクが現われるのだが…。（以上、allcinemaより）

予告編はこんな感じ↓

75点

「ありがとうドルフ・ラングレン特集」も11本目ということで、今回は「パニッシャー」なんですが、この特集を始めてから一番面白かったです！　20年近く前に観た時はラングレンの動きがモッサリして実にイライラしたイメージだったんですけど、そんなこと全然ナシ！　今までの主演作と比べたら傑作レベルではないでしょうか。

ビデオジャケットはこんな感じ↓　上映時のキャッチコピーは「みせてやる、オレの殺人猟法」だとか。

まずキャラクターですが、精神を病んだ元刑事フランクや、マフィアのボスのジアンニ・フランコ（ジェローン・クラッベ）も良かったけど、何が素晴らしいってヤクザの女組長のレディ・タナカがとにかく最高なんですよ！　ハンパじゃなく非道な人間であり、しかも狂気に満ちあふれているという…。ジアンニの子どもトミー（ブライアン・ルーニー）を人質にして、その目の前で父親を自殺させようとするシーンは「まさに外道！」って感じでした。あと、彼女がマフィアたちの前で堂々と言い放った「ヤクザはお前たちの先祖が羊飼いの頃から東洋では悪の貴族よ」という台詞、個人的には映画史に残る名台詞だと思っております。

子どもを人質にして高笑い！　顔面が白塗りなのがまた魅惑的。

ストーリーも単純明快で良し！　最後、「レディ・タナカを倒す→ジアンニが襲ってきたので返り討ち→父親を目の前で殺されたトミーが銃口をフランクに向けつつも引き金を引けず→フランクが『君はいい子だ』『いい大人になれ』『ならなかったら俺が待ってる』と言って立ち去る→下水道の隠れ家で全裸で正座しながら（序盤にもあったシーン）、『神よ！　俺の行動は間違ってたのか？』『答えてくれるまで俺は待つ』『悪の処刑を』と神に問いかけて終了」というオチも、良くも悪くも「パニッシャー」っぽくて好きでした。

全裸で正座って、なんか良いですよね。

そして、アクションですが…全然悪くないです！　前は「モッサリしやがって…」と思ってたんですけど、あらためて観ると撃ちまくり＆無慈悲に殺しまくりで実に良い感じじゃないでしょうか。ダラダラと苦戦している印象だった八巻健治戦も「ラングレンから極真の猛者へのリスペクト」と思えば、むしろ好感が持てましたよ。まぁ、「バスで追突して殺すシーン、なんで他の車がいないの？」「電気消す意味なくね？」「両端から撃ったらお互い当たるだろ」的なツッコミもなくはないですが、基本的には合格ラインでした。気になる人は下記の動画でも観てくださいな。

この映画の中でフランクが何人殺したかをカウントしてくれている素敵な動画↓

ちなみにマーク・ゴールドブラット監督はあの「ゾンビコップ」を撮っているし（この映画が最後の監督作ですが、編集としては今も現役）、製作のロバート・マーク・ケイメンは「ベスト・キッド」の脚本家だし、脚本のボアズ・イェーキンは「ホステル」の制作総指揮だったりと、製作者たちも“信用できる男”揃い。こりゃあ面白くならないワケがないよね！（危険な思いこみ）

まぁ、正直なところ、微妙な主演作ばかり観た影響が大きい気もするんですが、僕的にラングレン版「パニッシャー」はＢ級アクション映画好きにはオススメの作品でしたよ！　ドクロマークがないのはちょっと寂しいですけど…。

2004年版。破壊屋さんの感想が実に愉快。主人公とケビン・ナッシュの死闘が大好きです。