あしたの私のつくり方(ネタバレ)/好き好き!成海璃子ちゃん主演映画特集 | 三角絞めでつかまえて2

あしたの私のつくり方(ネタバレ)/好き好き!成海璃子ちゃん主演映画特集

あしたの私のつくり方

三角絞めでつかまえて-あしたの私のつくり方
あしたの私のつくり方 [DVD]

2007/日本 上映時間97分
監督:市川準
出演:成海璃子、前田敦子、高岡蒼甫、近藤芳正、奥貫薫、田口トモロヲ、石原真理子、石原良純、柄本時生、桜田通、柳英里沙
(あらすじ)
小学生の寿梨(成海璃子)はごく平凡な女の子。クラスで仲間はずれになるのを恐れて、なるべく目立たず、友だちに合わせてばかりの日々。自分を偽ることに違和感を抱いていた寿梨にとって、クラスで人気者の日南子(前田敦子)は憧れの存在。ところが、中学受験に失敗した寿梨が久しぶりに学校に戻ってみると、日南子は学級会の進め方が原因で突然クラス中から無視される存在になっていた。その後中学校でもイジメられていた日南子を気にしながらも何も出来ずにいた寿梨。やがて高校生となった彼女は、日南子が転校していったことを知ると、コトリと名乗って自作の物語を日南子に携帯メールで送るようになる。それは転校生の少女ヒナが人気者になるためのノウハウが綴られた“ヒナとコトリの物語”というものだった。(以上、allcinemaより)

貼り付けられる動画が見当たらなかったので、予告編が気になる方はコチラをどうぞ。


50点


タイトルが非常に残念な「好き好き!成海璃子ちゃん主演映画特集」。今回は「あしたの私のつくり方」を借りてきました。僕的にはそこそこ良かったです。

この映画、成海璃子ちゃんと前田敦子さんのW主演的な感じなんですよ。で、僕はもちろん成海璃子ちゃん派なんですが、前田敦子さんも結構可愛くて、何度も「ぬう!」と唸らされましたね。

あらすじを読んでいただければ分かると思うんですが、成海璃子ちゃん=コトリが前田敦子さん=ヒナに「転校先で人気者になるためのノウハウを教える」のがポイントなんですけど、この描写がマジで恐ろしいんですよ。


転校初日、コトリが伝授した荒業とは…。
三角絞めでつかまえて-あした画像1

「自己紹介した後にワザと転ぶ」だとッ!? そんなベタな!
三角絞めでつかまえて-あした画像2

さらに「コケちゃいましたぁ」とダメ押しの一言ッ!! 教室内は大ウケ!!! 先生もニヤケてるッ!!!!
三角絞めでつかまえて-あした画像3

あまりの破壊力に神心会のデンジャラス・ライオン、加藤清澄氏も唸るッ!!!!!
$三角絞めでつかまえて-加藤清澄唸る!


そしてその直後、コトリの「一見、とっつきにくい美少女のとぼけた一面…あっという間にクラスに溶け込みました」というナレーションが流れるんですけど、もう恥ずかしすぎて部屋の中を駆け回りましたよ。その後のコトリのアドバイスも常に大当たり状態で、ヒナはどんどん人気者になるんですけど、そのアドバイスをちょっと抜粋すると↓


最初に奇数人のグループを見つけて合流する
帰り道、歩くときはさりげなくみんなの中央をキープ
朝は早めに登校して授業前の教室でクラスメイトとおしゃべりをする
お弁当には友だちと分けられるおかずを入れてもらう
クラスで人気のある子と同じクラブに入ること
好きなお笑いコンビのネタを真似して教室で披露
ピンクのネイルを使った「恋が叶うおまじない」をクラスに流行らせる
カラオケに誘われたらなにがあっても行くこと。密室だから友情を深めるのに欠かせない場所
盛り上げたい時は替え歌カラオケがいい。元の歌詞を生かすのがポイント



2学期という中途半端な時期に2回ほど転校したことがある僕からすると、「奇数人のグループに合流」とか「友だちと分けられるおかず」とかはまだ「なるほど」と思わなくはないけど、元イジメられっ子に「好きなお笑いコンビの真似を披露」とか「替え歌カラオケ」とか、かなりハードルが高いのでは…。この一連のシーンはかなり恥ずかしくて、特に平井堅さんの「POP STAR」を替え歌で歌うシーンは恐ろしい破壊力でして、身悶えしながら観てました。

で、話は結局、「本当の自分」問題になって。ヒナの方はせっかく付き合ってた彼氏と「あなたと付き合ってたのは本当の私じゃないの」的なことを言って別れちゃうんですよ…。ところが! この彼氏=桜田通さん演じる金井がスゲー良いんですよ! 一度、ちょっと帰ったかと思わせて、またヒナの前に来て、「はじめまして、金井と言います。一目惚れです。付き合ってください」って言うんです。ヒナは「そういうことじゃなくて…」と言うんですが、ここからの金井の台詞がイイ!

俺、わかんないんだよね、本当の自分とか、偽者の自分とか。
分かっているのは、今目の前にいる、花田日南子が好きだってことだ。
今、ここにいる花田日南子が好きだ。
ダメ? それじゃあ…ダメ?


ここで良い感じの音楽! アップになって、ヒナの目に涙&僕の目にも涙! そんなにこの手の作品を観ているワケじゃないんですが、僕は“中高生純愛シーン”に超弱いんですよ…。大きな声では言えませんが、「耳をすませば」とか大好物なんですね。中学生のころはコバル…げふんげふん。何はともあれ、本当に良いシーンで、「いいやつ金井!」って感じでした。エンドロール中に流れた「2人が付き合ってる的描写」を観て、「良かったなぁ」とさらに大泣きしちゃいましたよ。

って、ついヒナのエピソードばかり褒めちゃいましたが、コトリの方も良かったですね。人生を上手く泳いでいるようで、実は病んでいるのは彼女の方だったりして。最後、ヒナと電話で話している時の「寿梨はぜんぜん駄目」「本当はパパがいて、みんなで幸せだったときのこと、忘れられないでいるの」「あたしさえもっとがんばれば、あのころのまんまでいられたんじゃないかって思って」って、こうやって書いているだけで泣けてくるなぁ…。可愛い女の子が「両親が離婚したのが自分のせい」だと思って泣くシーンを観て、グッとこない男がいるのかと。危うく画面に向かって「そんなことないよ!」と言いそうになりましたよ(さすがに実際に言うほど僕も病んではいない)。「苦しくて、学校でもみんなと違うことをして浮くのが怖くて…親友なんていない」という台詞、共感する人は多いのではないでしょうか。最後、彼女は心情を吐露したことでスッキリしてポジティブになるんですけど、ここでもやっぱり「良かったなぁ」と泣いちゃいましたね。この映画、主人公たちと同じ年ごろの女の子が観たらどう感じるのか、ちょっと気になったり。

って、絶賛気味ですけど、映画的には「どうかなぁ」と思うところもあって。分割画面やらいろいろ工夫しているのは良いところもあったけど、ちょっとやりすぎにも感じたりしました。クライマックス、2人が黒い背景で並んで話すところはそんなに効果的じゃなかったような…。話的にも、やっぱりアドバイスにもう少し説得力がないとご都合すぎて萎えるというか(逆にそれが発端でいじめられちゃうんじゃないかとハラハラ)。役者さんのチョイスも悪くはないけど、父親役の石原良純さんはやっぱりバラエティの匂いがしちゃうかなぁと。母親役の石原真理子さんはさらに論外で、ホラー展開になりそうでドキドキしました。全然関係ありませんが、田口トモロヲさんが再婚相手役で出ていて、「ちょうどこのころ、シザーズジャガーを演じてたのかなぁ」とか思ったり。

でも、成海璃子ちゃんと前田敦子さんが可愛かったからすべて良し! もう一度観ても良いくらい(金井の告白シーンは何度でも観たい)、そこそこはオススメできる作品です。最後、成海璃子ちゃんが「私たちの描くストーリーはきっとハッピーエンドです」みたいなことを言ってましたけど、僕の人生もそうなると良いなぁ…(なんだこのオチ)。




原作本ですな。ちょっと気になります。
三角絞めでつかまえて-原作本
あしたの私のつくり方