漢方薬の起源は、約2000年前古代中国「後漢」の時代です。

 

その時代に、「傷寒論(しょうかんろん)」、「神農本草経(じんのうほんぞうきょう)」、「黄帝内経(こうていだいけい)」などの医学書が成立しました。

 

後漢の時代は、曹操や孔明が活躍した「三国志」の時代へと続きます。

 

ちょうどその頃、日本は弥生時代の末期、邪馬台国の卑弥呼の時代です。

 

 

最初のうちは、中国の医学をそのまま取り入れていました。

 

奈良時代には、シルクロードを経て日本に入ってきた「甘草(かんぞう)」や「大黄(だいおう)」など60種類もの生薬が「正倉院」に収められました。

 

 

乾燥した大陸である中国と、温暖多湿で植生も豊かな日本との違いから、日本の気候風土や食生活に適した処方の改善がなされてきました。

 

江戸時代になると、唯一国交のあったオランダ経由で西洋医学がつたわり、それは蘭学と呼ばれました。

 

蘭学に対して、漢の時代からの医学ということで「漢方医学」という言葉が生まれたのです。

 

 

一方、本場中国では、毛沢東の文化大革命によりそれまでの文化が否定されてしまいます。

 

そこで新たに作られたのが「中医学」です。

 

「中医学」も日本の「漢方医学」も、古代中国の「傷寒論」などが原点となっているのですが、その後が大きく異なっています。

 

もはや、「中医学」と「漢方医学」は全くの別物といってよいでしょう。

 

 

高温多湿の日本では、雨の日になると肩こりや頭痛がひどくなったり、

顔や手足がむくむ、という方が多いです。

 

これは、「水毒(すいどく)」と呼ばれる症状ですが、これには「五苓散(ごれいさん)」が使われます。

 

「五苓散」は、頭痛。かたこり、むくみ、などのほか熱中症や車酔い、二日酔い、子供の吐き気・脱水症状などにも効果があります。

 

「五苓散」はまさに、日本の気候風土に合った「漢方薬」ですね。