切り花を長持ちさせる方法-3(水の分子レベルから考える編-3) | 道誉!DOHYO!

切り花を長持ちさせる方法-3(水の分子レベルから考える編-3)

前回,クレーム来るかと思ったら,来なかったですねえ。


これは,ひとえに私の人格の賜物です。


って,いつものことだから慣れてるだけだろ!


前々回にいただいたコメントの中に


「カミソリで切っている」というものがありました。


あえてコメントでお返ししなかったのは,


このシリーズの別の特集で取り上げる予定なので,


スルーさせていただきました。


ただ,たったこれだけのことで,


その方の花に対する姿勢なんかが垣間見えるんですよねえ。


忘れてなかったら,書きますんで・・・。


って,オイオイ!


で,いつもの友人から久々のメール,


「そもそも,アブストラクトって何?」


ですよね?


一般的にはなじみのない言葉です。


これは私の説明不足でした。


もしかすると以前のシリーズ,


『ノストラダムスの予言と「ひまわり作戦」』という


ロシア人が書いたという「ひまわりが放射性物質を吸収する」


という論文をわずかな手掛かりから探すというヤツの時に


書いたような気もするんですが,書いておきます。


「アブストラクト(abstract)」と似たような言葉に,


「サマリー(summary)」,


「レジメ/レジュメ(resume)」というのがあります。


私も最初は,どれも同じもんやろ?


ぐらいに思ってましたが,どうやら違うもんみたいで・・・。


ちと,ややこしい。


と言うのも,一般的には,


それほど神経質に使い分けなくともいいみたい?


要は,どれも「要約・まとめ・抜粋」的な意味があるからなんです。


しかし,これが論文となると別。


「アブストラクト」は「要旨」と訳すのが一番適切かも?


これはタイトルと並んで論文の顔と言える部分で,


だいたいタイトル・著者名の後にあります。


論文には必ず付いてます。


と言うのも,「アブストラクト」だけは無料で読めたり


検索できることから分かる通り,


その論文で言いたいことをコンパクトにまとめたもので,


アブストラクトだけ読めば,何について書かれたかが分かります。


それと,雑誌によって違いますが,


アブストラクトは長さが決められています。


日本語の場合は文字数,英語などの場合はword数。


ちなみに,よく「最近の若いもんが,


何でも縮めていうのはけしからん」なんて言いますが,


アブストラクトはよく会話の中で「アブスト」と使います。


変な縮め方はしてませんが,


こういう言葉ってけっこう昔からありますねえ?


で,「サマリー」は「最後の方に概略的にまとめられたもの」


とするのが分かりやすい?


というのも,「アブストラクト」と


「サマリー」の両方がある論文もあるからです。


今回例にあげてる「水を吸い上げる合成樹木」にも,


最初に「アブストラクト」,


本分の最後に「Methods Summary」という形で付いてます。


最後が,「レジメ/レジュメ」,これ,どっちでもいいようです。


私は,ジュ・ジュワー!


って感じで,「レジュメ派」。


って,ネプチューンのホリケンかよ!


これは論文などの場合は,


書く前段階で,内容や構成を要約したものが適切かと。


あとは,会議や講演,研究報告などで


紙に内容をまとめたものを指すことが多いようです。


で,話しを元に戻さないと,今度こそクレーム来ちゃう?


前回リンクを貼っておいたアブストラクトを読んでみた方はいますでしょうか?


おそらく,そんな物好きいないですよね?


前々回も書いたんですが,ブログなどで拡散されていった内容は,


正確にはこの「Nature」のアブストラクトを翻訳したものではなく,


NPGネイチャー アジア・パシフィックウェブサイトにある,


この論文のアブストラクトを更に要約したものみたいです。


実は私も,実際にアブストラクトを読むまでは,


マルマル翻訳したものだと思ってたんですが,


読んでみたら,ちょっと違うぞ?と。


マルマルじゃなくて,モリモリ?


雑誌が雑誌なんで,専門家向けなのか,


けっこう,はしょってまとめてあったんです。


きっと,頭の良い方には,それで十分なんでしょう。


特に私が今回の特集で書きたかった用語が,


スっ飛ばされてたんで,気が付きました。


その日本語要約には「蒸散引力(transpiration pull)」


と言う言葉が出てきますが,


このワードはアブストにも本文もありませんでした。


似通った言葉はありますが,ピンポイントではなし。


これは,植物が根から水を吸い上げ,


植物体の全体に送るメカニズムの説明であって,


葉などによる蒸散により,水を上部まで引き上げる力の総称で,


さまざまな要因を全部マルっとひとまとめにした言葉。


私が今回説明したいのは,この中の一つ。


その言葉とは,


アブストにもあった「cohesion-tension theory」


日本語だと,


「ぎょー,ちゅー,りきーーー」


って,なにトイレの消臭剤の歌,歌ってるんだよ!


ポキールかよ!


殆ど原型とどめてないだろ!


正確には「凝集力説(ぎょうしゅうりょく)」


もしくは「凝集張力理論」。


イキナリこの言葉の説明をするのは,


ちょっと無理あります。


だもんで,次回より,この単語にたどり着くために,


軽く水の分子についての説明から始めます。