あの時,部屋で燃えていた(桂浜クライシス_5完結編)
翌日,股間に温かい感触と重みを感じた私は目を覚ました。
彼女が私の上にいたのだ。
それも,とんでもなく大声をだしながらである。
このような経験は後にも先にも,この時だけである。
いくら頼んでも,カミさんにさえ,未だしてもらったことがない。
って,頼んだのかよ!
ちなみに,彼女はピアノの先生で,マンションは防音設備完備。
じゃなきゃ,あの声は隣近所が心配で出せないであろう。
防音設備も,意外な利点があったのだ。
私も攻めに転じようと思ったが,昨日の闘いで体中に痛みがあり,動くのがシンドかった。
特に避けきれず,角材で一発くらった背中は,思いの外,痛かった。
要するに,元気なのは,私のインド象だけだったのだ。
って,子供のインド象だろ!
この日から6日間,彼女の指はピアノの鍵盤ではなく,私のアフリカ象で魅惑の旋律を奏で続けた。
まだ,見栄張るのかよ!
アフリカ象にも,子供いるだろ!
夢のような時間であったが,私も戻らなければならない。
10年後,もし,私をまだ覚えていたら,玄関先に黄色いハンカチを付けていて欲しいと話し,彼女と別れたのだった。
って,幸せの黄色いハンカチかよ!
また今,話し,作っただろ!
彼女は別れが悲しくなるからと,お土産の玉手箱を私に渡すと,ドアを閉めた。
今度は,浦島太郎かよ!
しかし,この選択は間違っていなかった。
駅へ向かう途中,奴らがいたのだ。
私を捜していたのか,それとも暇でプラプラしてたのかは不明だが,見つかったら面倒である。
私が気づいたのだから,相手も気づく可能性大である。
キップは持っていたので,時間ギリギリで駅に到着するしかない。
何とか駅まで辿りついたが,その先はやはりハリウッド映画シチュエーションが待っていたのだった。
奴らの一人が私を見つけ
「こっちにいたーーーー!」
この一言で,疑問は解決した。
私を捜していたのだ。
もちろん,何の解決にもならない答えであったが。
となると,ここは逃げるしかない。
改札を抜けると,発車寸前の列車に飛び乗った。
ハリウッド映画なら,乗り込んできたヤツを列車の外へ放り出すとこだが,数人が乗れる寸前まで大声を出しながら追いついて来ただけで,幸い無賃乗車までは至らなかった。
おそらく,はた目には,上京する友への,感動的な涙のお別れシーンに見えたい違いない。
って,絶対,それはないだろ!
私は,昨晩の疲れから,眠りに落ちていく中で,あの,ことわざを思いだしていた。
『ヤレぬ神いれば,ヤレる神あり』
って,どういうことわざだよ!
新年早々,バチ当たりすぎだろ!
後日,彼女からの手紙で新聞に出ていたらしいと知った。
あの時は,新聞読んでる暇ないくらい,燃えていたから,さもあらん。
結局のところ私は確認していないので,どのように書かれていたのか,果たしてホントに書かれていたのかも不明である。
まあ,大昔のこととはいえ,今ならデジタル化されてるので,確かめようと思えば可能なはずである。
もし,確認された方が,いたらご一報いただければ幸いである。
って,自分で確かめる気はないのかよ!
だって,面倒じゃん!
前回のコメントで誰に似ているとの答えに,矢田亜希子を挙げたが,当時は別の歌手に似ていると思っていた。
しかし,さっきまで,どうしてもその名前を思い出せなかったのに,今書いてる途中で奇跡的に思い出せた。
って,安っぽい奇蹟だな?
桜田淳子である。
山口百恵のファンだった私としては,痛恨の極みだが,あの時なら森〇子でも,間違いなく声をかけていただろう。
って,結局,誰でもいいんかよ!
そして,彼女とヤリまくった為,もとい!怪我がある程度癒えるまで,時間を食った為に,私はそのまま四国を後にしたのだった。
って,最初の陰陽道と土御門神道の話しは,どうなんたんだよ!
画像は「beard papa’s」の期間限定シュークリーム。
その場でクリームを入れてくれるんで,サクサクの生地が旨いんですよねえ。
カミさんが,ロイヤルミルクティで私がイチゴのやつ。
先にイチゴの食べてからの,ロイヤルミルクティは,甘さがありませんでした。
ケンタのコーヒーも,美味しかったです。