爆笑・「ついたて将棋」熱戦譜(第6局) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は津山おもちゃ図書館教室が9/21(土)、高島教室が10/6(日)の予定です。また表町商店街将棋イベントを10/19(土)に開催予定です。

11/13(日)の岡南公民館文化祭で行った「ついたて将棋」の熱戦譜を紹介しています。「ついたて将棋」とはお互いに相手の駒が見えない状態での将棋のことで、相手の「玉」の位置を予測しながら対局を行うものです。今回は先手・ヒロ君対後手・O君(チャンピオン)の対戦です。


○初手からの指し手:▲76歩、▽34歩、▲26歩、▽33角、▲25歩、▽22銀、▲78金、▽32金、▲66歩、▽84歩、▲77角、▽85歩、▲58金、▽86歩(図1)



(図1 ▽86歩まで)
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相居飛車の出だし。先手のヒロ君は▲66歩~▲77角とするのは、この日初めてみる指し方です。対する後手のO君も▽33角と上がり、▽22銀~▽32金と固めます。2筋をガッチリ受ける作戦で、これは何局か「ついたて将棋」を体験しているからこその発想だと思いました。▽86歩で後手が先攻しました。


○図1からの指し手:▲67金、▽87歩成、▲同金、▽同飛成、▲88歩、▽同竜、▲同銀、▽87金、▲24歩、▽88金、▲同角、▽87銀、▲23歩成(図2)


(図2 ▲23歩成まで)
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先手の▲67金は普通の将棋ならよくある形なのですが、「ついたて将棋」ではあまり役に立たない手で、先手は何よりもまず、▲24歩と攻めるべきでした。▽87歩成とされ、「ついたて将棋」初体験の先手・ヒロ君は、さぞビックリしたことでしょう。


▽87同竜で「金」を取った後手が大成功となりましたが、▽88竜は危険で、▽98竜と入る方が「ついたて将棋」では安全です。「88」の地点は相手の駒がいる可能性が高く、本譜は相手の「歩」がいたため、「ボロッ」と取ってしまい、存在がバレて「竜」を取られてしまいました。


ただし、「ついたて将棋」では「飛」や「角」を取られても、逆転は充分可能です。後手は▽87銀と打ちましたが、ここは▽87歩とするのが「ついたて将棋」の手筋です。▲23歩成となって、先手待望の反撃開始です。


○図2からの指し手:、▽23同銀、▲77金、▽88銀成、▲同飛、▽86角、▲86歩(反則1)、▲同金、▽27歩、▲56角、▽28歩成、▲23角成(反則2)、▲65角、▽19と、▲28銀、▽29と、▲19金、▽28と、▲同金、▽55角、▲24歩、▽64角、▲23歩成、▽同金、▲24歩(図3)


(図3 ▲24歩まで)
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▲77金は微妙な一手。普通は▲24歩とするところです。しかし、▲24歩のような手は「ついたて将棋」になれてくると、バレバレの一手でもあります。なので、▲77金のような手は相手を混乱させる効果もあって、好手となることもあるのです。


▽86角は悪手になりました。続く▲86歩が好手で、反則になりましたが、「86」の地点に相手の駒がいることが分かりました。▲86同金で「角」を取り、この「金」の顔が立ちました。


▽27歩は手筋。▽28歩成は空振りになったものの、相手に「と金」の存在を気づかれない利点があります。▲56角や▽55角のような手は「ついたて将棋」ではやらない方がよい手です。理由は、相手の駒が見えないため、角筋が通っているかどうかが分からないからです。


図3の▲24歩は手筋。こういうしつこい歩攻めが「ついたて将棋」ではきわめて有効です。後手大ピンチ!!


○図3からの指し手:▽33金、▲23歩成、▽同金、▲54角、▽86角(王手)、▲同飛、▽85金、▲63角成、▽86金、▲41馬(王手)、▽42玉(反則1)、▽41同玉、▲77銀、▽88飛、▲86銀、▽82飛成(反則2)、▽87飛成、▲27飛、▽78銀、▲24歩、▽69銀成(王手)、▲48玉、▽88竜(王手)、▲58金、▽79竜、▲56角、▽78竜、▲23歩成、▽59角(王手)、▲49玉(図4)


(図4 ▲49玉まで)
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▽33金は相手の▲24歩を察知した見事な一手でした。当然の▲23歩成に▽同金は後手が一本取った形です。歩切れになった先手はつらくなったと思います。「ついたて将棋」になれてくると、こういう手が指せるようになります(もっとも裏目に出ることもありますが・・・)。図4は後手優勢です。


○図4以下の指し手:▽48角成(王手)、▲59金打(反則3)、▲38玉(反則4)、▲48同銀、▽44香、▲22と、▽67竜、▲31と(王手)、▽同玉、▲21金(反則5)、▲22金(王手)、▽31玉(反則3)、▽42玉、▲21金、▽66竜、▲22飛成(王手)、▽33玉(反則4)、▽31玉(反則5)、▽32玉(反則6)、▽52玉(反則7)、▽51玉、▲31角、▽46竜(反則8)、▽56竜、▲同歩、▽68角、▲53角成、▽59角成(王手)、▲同銀、▽56桂(反則9)、▽57歩、▲62馬(王手)(最終図)、▽52玉(反則10)、▽42玉(反則11)まで先手の勝ち。




(最終図 ▲62馬まで)
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▽48角成は悪手。打ったばかりの「角」を取られたのはもったいなかったです。図4では、▽68成銀~▽58成銀という風に小駒で1マスずつ攻めていくのが「ついたて将棋」のコツです。


反撃された後手玉は、またたく間に反則を重ね、最終図以下、反則回数が11回となり先手の勝ちとなりました。


この日、「ついたて将棋」で3連勝したお友達にはゴロン太先生から特別賞が渡される予定でしたが、結局、3連勝者は出ませんでした。・・・ということで、ここで勝ち抜き戦は終了。以下、希望者による対戦を行っていきました。


次回は先手・ヒロ君対後手・ゴロン太先生の一戦を紹介します。



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