国内初の核酸医薬 マクジェン | 核酸《kakusan》友の会通信

国内初の核酸医薬 マクジェン

厚生省は日本初の核酸医薬として承認し、2008年10月14日加齢黄斑変性症治療薬のマクジェン注射用キット(一般名ペガプタニブナトリウム)がファイザー社から発売されました海外では、既に臨床使用が始まっており、その臨床効果が高い評価を受けています。

2004年には米国で、2006年には欧州連合(EU)で承認され、2009年1月現在、世界53の国や地域で承認を取得されています。

マクジェンは眼球内(硝子体内)に投与する注射剤なので、薬剤が必要とされる眼底に確実に到着させることができるという。

大阪大など国内14施設が実施した臨床試験で、患者95人に対し6週間に1回ずつ、1年間薬を注射したところ、4割以上の患者で視力改善か、現状維持が確認できた。注射に伴う眼内炎などは起きたが、症状は一時的で、重大な副作用はみられなかった。

光線力学療法では2泊3日の入院が必要なのに対し、マクジェンは注射1本で済み、通院で治療できる。来月以降、加齢黄斑変性症を専門とする全国の主な眼科で治療を受けられる。薬価は1回分約12万円で、検査料や技術料は別途必要。保険適用される。マクジェンは、国内初「核酸医薬」としても注目される。DNAを構成する核酸は、自在に合成することができる。
大阪大教授の田野保雄さん(眼科)は「マクジェンは抗体医薬に比べ、効果はやや低いが、安全性は高いと言える。抗体医薬は心筋梗塞(こうそく)などの副作用の恐れもあり、今後は両者をうまく使い分けることが大切」と話している。(2008年9月19日読売新聞)

今後もRNA干渉を利用した核酸医薬の開発は様々な病気の治療薬として期待されています