ある年の誕生日、一番の常連のお客さんだった三田さんからプレゼントをいただきました。
三田「今年のプレゼントは2つ用意したからね!明けてみてよ。」
ユキ「うそぉ、嬉しい♪誕生日を覚えていてくれるだけでも嬉しいのに!」
一つ目のプレゼントを開けると、有名ブランドの小さな箱の中身はネックレスでした。
可愛らしい小さなネックレスで普段つけるのにちょうど良い感じです。
ユキ「うわっ、すっごい可愛い!ありがとう、大事にするね!」
三田「気に入ってくれて良かったよ。店員さんに一緒に選んでもらったんだ。もう一つも開けてみてよ。」
もう一つの包みは簡単な包装で、三田さん自身が包装したような感じでした。
正直いって、開ける前に予感はあったんです……これは………この形は………
ユキ「…携帯?」
三田「そう、携帯。」
ユキ「……何で携帯?」
三田「だってユキちゃん携帯番号教えてくれないからさぁ、この携帯なら僕名義だしいいでしょ?」
ユキ「三田さんにはメールアドレスを教えてあるじゃない?メールじゃダメなの?」
三田「お店に来れないときもユキちゃんの声を聞きたいんだよ。」
三田さんは私に携帯を渡してとても満足そうでしたが、私はまったく嬉しくありません。
嬉しいどころかNGにすることまでも考えました(汗)
ユキ「ありがとう…じゃあ、お店に置いておくね(汗)」
三田「それじゃダメなんだよ、肌身離さず持っていて、いつでも電話に出てくれなくちゃ!」
ユキ「えっ、でもお休みの日もあるし…」
ゲンナリした気分でした…休みの日にまでお客さんと電話をしなきゃならないなんて…。
ただでさえ三田さんは普段からメールの多い人だったんです、姫予約だけでなく「今なにしてる?」メールが一日おきにありました。
この手の人の携帯なんか持ってしまったら、大変なことになるのは目に見えています。
なんとかして断らないと、旦那が居るときどころか夜中にまで電話がかかってきそうですよね。
ユキ「でも私、今まで言ってなかったけど、他にも仕事してて、電話には出られないと思うよ?」
三田「仕事って何してるの?休みの日に24時間仕事してるわけじゃないでしょ、大丈夫だよ(笑)」
ユキ「…でも、夜はダメなんだ、忙しいから!」
三田「わかったよ、じゃあ昼間だけにするね。」
結局断りきれずに三田さん専用携帯を持たされてしまった私、これから悪夢のような電話地獄が待っているんです。
何回かはお店にわざと忘れてみましたが、怒涛のメール攻撃があるのでそれも面倒になってしまいました。
旦那が帰って来る時間に合わせて専用電話の電源は切ります。
電話自体も見つかったら大変なので隠さなければなりません。
昼間は三田さんの営業の合間に電話が鳴り、多い時は一日5~6回は電話していました。
「まるで恋愛中の二人みたいだね」
なんて言う三田さんが憎らしくて憎らしくて(涙)
もともとは好きな部類のお客さんだった三田さんですが、この携帯のせいで一番嫌いなお客さんに降格です。
もし会社だったら、一気に降格したのでもう一回なにかあったらクビでもおかしくないですよね?
あったんです、もう一回が。
ある日、昼間からジャンジャンかかってきていた三田さんの電話、この日は実家に行っていて電話には出れなかったんです。
それを知らない三田さんは何十回も電話をかけてきます。
私が電源を切ったので、シビレを切らした三田さんは私の普段の携帯のほうに何回もメールを送ってきました。
あまりにメールの件数が多いので『いま実家だから電話できない』と簡単にメールを返したんですが、それでもメールは止まりません。
『外にでて電話すればいいじゃん』
『今すぐ電話して』
『声が聞きたい』
こんなメールが10分おきに入ってくるんです。
いい加減うるさいし、腹が立ってしまってコンビニに行くと言って実家を出て電話をかけました。
ユキ「もしもし?もうお店に来ないでいいから電話しないで!この携帯も捨てるから!」
三田「なんでそんなに怒ってるの?昨日まであんなに楽しく話してたじゃない?」
ユキ「私はお客さんと仲良くするのは仕事中だけで十分だから!私にもプライベートはあるんです!」
こんな感じで三田さんの電話地獄から開放されました。
テレクラのサクラだって電話したら時給がもらえるのに、三田さんの電話は時給どころかお店に来る回数が減ってましたから(汗)
電話で会話することによって、ある程度満足してしまったのかもしれませんね。
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