これも最初のお店での話しです。



まだ遅番で働いていた頃ですが、ある日最後のお客さんの接客を終えて控室に行ってみると、もう他の嬢は仕事を終え片付けも簡単な掃除も済んだ後でした。




この日は遅番の女の子皆で飲みに行く約束をしていたのでフロントで皆待っています、私も身支度を整えて急いでお店に行くつもりでした。



個室で着替えも済ませているし、後は仕事道具を片付けて自分の荷物を持って出るだけです。



ロッカーの上に仕事道具のカゴを置くと、ロッカーを開けて自分のバッグを取り出しました。


なんとなく違和感があるんです…自分のバッグの中身に。



いつもどこに何を入れるか決まっているし、並べてバッグの中に入っているはずの物が少しずつずれています。




気になって財布の中身を調べてみると………お金が入っていません!



正しくは、2千円だけ残して一万円札が抜き取られていたんです。






このお店では幸いお金をフロントで預かっていてくれて、帰る前に精算だったのでその日の稼ぎは無事でしたが、前日と前々日の稼ぎは全て持って行かれてしまいました(汗)



ものすごいショックでした…これから飲みに行く友達の中に盗んだ犯人がいるんですよ………。



中には当然、あまり仲良くしたことのない嬢もいましたが、それでも同じお店で働いている嬢の中に泥棒がいるのは良い気持ちがしません。



そんな沈んだ気持ちのまま飲みに行って楽しくなれるはずもなく、ボーッと考え事をしているうちに一次会は終わってしまいました。



そんな私の様子に気付く子もいるわけです。




ジュン「なんか疲れてる?元気ないけど、どうしたの?」



ユキ「さっき控室に戻ったら、お財布からお金がなくなってて…なんか嫌な気分なんだよね。」



ジュン「ええっ、また!?最近よく物がなくなるよね。」



ユキ「うん…、でも今回はお金じゃん、今まではゴムとかゼリーだったんでしょ?」




この頃、控室に置いてある物がなくなることが頻発していました。



全員がそこそこ仲の良いお店だっただけに、誰かが足りなくて借りているだけかもしれないって気持ちが皆の心の中にあったんです。



でも今回はお金です、当然盗まれたとしか考えられないんですよね。




後日他の嬢から、お金が盗まれた日に私のロッカーを開けている嬢がいたと聞きました。




ハナ「あれっ?ユキちゃんのロッカーってそこなの?」



ユキ「うん、ずっとここだけど…なんで?」



ハナ「この前、涼さんがそこ開けてたから涼さんのロッカーだと思ってたんだけど…。」



ユキ「それっていつの話?飲みに行った日?」



ハナ「そうかも、一週間くらい前だったと思うよ。」




涼さんはもうお店を辞めてしまっていました。




でも涼さんが辞めたあとも控室から物がなくなることが続いていたんです。



あとでウワサになったのは、このハナさんが一人で控室にいると物がなくなるということでした。




結局犯人はわからないまま終わってしまいましたけど、一緒に仲良く働いている仲間を疑うのは良いものではありませんね。




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