前回12話のリンちゃんの話です。
彼女に控室での問題があったのは前回書いた通りなんですが、お客さんからも苦情が多かったようです。
彼女は当時私と同じ21歳でしたが、付き合っていた彼氏は自分の父親よりも年上の50代半ばの男性。
父親を早くに亡くした彼女はファザコンだったのかもしれません。
この男性は自分の仕事の他にリンちゃんの送り迎えをしていたんですが、リンちゃんの帰りも遅いですし自分の生活が保てなくなり、1ヶ月もすると仕事を辞めてヒモになってしまったんです。
50代の男性を養う21歳の女の子………
他にもヒモがいる嬢は多かったんですが、さすがにリンちゃんの話には違和感を覚えました。
この男性、自分の彼女がソープで働くのを容認していた割にはヤキモチ焼きで、彼女の仕事中に何度も何度も電話をしてくるんです。
そしてリンちゃんが電話に出ないと、怒って不機嫌になるそうです。
そのため、彼女は接客中でも携帯を気にしていて、電話がくればお客さんをホッポリ出して電話に出るということを繰り返していたんです。
お客さんだって個室に入るときには携帯の電源を切るかマナーモードにしておくのに、接客する側であるリンちゃんがお客さんの目の前で電話していたんですから…
そんな接客を受ければ誰だって怒ってしまいますよね。
長電話になると個室から出て行き、30分も戻らないこともあったようです(汗)
リンちゃんがこのお店に在籍していたのは3ヶ月という短い期間でしたが、その間に1本も指名が取れなかったんです。
指名は取れないし、苦情は来るしでクビになってしまったわけですね。
その後、何回かリンちゃんと連絡を取ることもあったんですが、数年間はこの年上の彼氏と同棲していました。
もちろんリンちゃんがソープ勤めをして彼を養っていたわけです…。
リンちゃんが最初のお店をクビになってから3年程たった頃、久しぶりにリンちゃんから電話がありました。
リン「久しぶりだね、今はどこのお店にいるの?」
ユキ「今は○○の早番にいるんだ。」
このとき、私はリンちゃんがそれまで在籍していたお店を知っていました。
彼女はまた同じような理由でそのお店をクビになっていたんです。
格安店に移ってもクビになることを繰り返していた彼女のウワサは、どこからともなく聞こえてきました。
リン「○○ってさ、遅番募集してるかな?紹介してほしいんだけど…。」
ユキ「募集はいつでもしてると思うけど…けっこう出勤とか厳しいよ?」
リン「うん、大丈夫。週5日出たいんだけど、話しといてくれるかな?来週あたり面接に行くから。」
ユキ「店長に話してみるね。」
この世界ではよくあることなんですが、他の嬢の紹介でお店を移ったりもします。
私も友達の紹介で移籍したこともありますし、逆に紹介したことも何回かあります。
でもこのときは真剣に悩みました、店長には何も話さずに紹介するべきか?全て話して後は店長に委ねるべきか?
何も話さずに紹介すれば彼女は面接に通るでしょう、その後のことについては私は知らん顔していればいいだけです。
ただし私の株は下がりますけどね(汗)
全て話して店長に任せればお店の評判を下げなくても済むし、お店からの信用を失わなくて済む。
次の出勤日まで迷っていましたが、結局店長には面接したい子がいるとだけ話しました。
店長「うん、面接に来てもらってよ。…で、その子どうなの?」
ユキ「前のお店で一緒で、私と同じ歳なんですよ。」
店長「指名とってた?他のお店にも行ってたの?」
ユキ「3ヶ月一緒に働いただけなんで………他のお店はいろいろ行ってたみたいですよ…。」
店長「なんかハッキリしないなぁ(笑)いいから正直に言ってよ、良い子がほしいだけだし、話を聞いて判断するのは俺の仕事なんだから。」
最後にはオブラートに何重にも包んで店長に話しました。
彼女が採用されることはありませんでしたが、今でもあのとき黙っているべきだったのか?少し考えてしまいます。
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