ダークルーム | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

ダークルーム (角川文庫)

/角川書店(角川グループパブリッシング)




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世にも奇妙な物語 近藤史恵風という感じでしょうか? とても怖い話を含む短編集。ダークルームという地下室への下りの13階段を降りてみますか?



 高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女… 自転車に乗る時は、いつもヘルメットをする彼女が長い髪をなびかせ車の前に飛び出した… 隣に引っ越してきた二人の魅力的な青年… つまらない絵を描き、絵に対してピント外れのことを言う男の子… 駆け出し一卵性双生児モデルの姉を襲うひどい湿疹… 真下の一階に引っ越してきた長い髪を赤いリボンで結んでいる人形のような少女…



 近藤さん初のシリーズ外短編集である『ダークルーム』は、登場人物の挫折を描くことで、私達が抱く夢をまるで好きな異性への告白を断られるように打ち砕く。ある物語りは、ちらっと光った希望がやがて陰りを見せ、曇りを取り除こうとする登場人物に追い打ちをかけるような結末がまっている。また、ある物語りは、登場人物の周到な計画そのものの目的を打ち砕く真相が現れる。



 それは、私達が現実の世界で突きつけられている困難を反芻させ、心の底に沈めてある古傷に塩を擦り込む。私達は、登場人物の行方から、自分の物語りを紡ぐための手がかりを手繰り寄せなければならないのだ。



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