初陣: 隠蔽捜査3.5 | 本との出会いは、師との出会い。

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智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

初陣: 隠蔽捜査3.5 (新潮文庫)/新潮社

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『隠蔽捜査』の外伝と言える8編の短編集。私は、病欠が一番好きだ! 是非、哲太さんと新太さんのコンビでドラマ化して欲しい!伊丹が奥さんが作ってくれたおじやをすするシーンが観たい。

『初陣』は、『隠蔽捜査』『果断』『疑心』を読んだ読者に対する今野敏さんからのプレゼントだと思う。小説は、あえて謎を残した終り方が価値を高めるという考え方もあるだろうが、著者がどのような結末を想定して物語りを描いていたのかを知りたい読者は少なくないだろう。何らかの個性を持つことでスター性を得た主人公が登場する作品なら尚更だ。今野敏さんは、謎を隠すことで、崇高な作家として留まる方向ではなく、徹底的に読者を楽しませるエンタメ作家になるために、あえて竜崎と伊丹の外伝を上市してくれた。この作品によって、より間口を広く開いてくれたのだ。

伊丹俊太郎は、困った時、必ず竜崎にアドバイスを求めていたようだ。竜崎は、これまでの『隠蔽捜査』で見せたように、原理原則に基づいた助言で伊丹の窮状を救ってゆく。この様な外伝があるのなら、彼らは単なる幼なじみで同期ではなく、警察組織の枠組みを超えたチームと言ってもよいかもしれない。

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