映画「フレンチ・ラン」 平成29年3月4日公開 ★★★★☆

 

革命記念日前夜のパリ市街で爆弾テロが発生し、捜査を担当することになった

CIAのはみ出し者、ブライアー(イドリス・エルバ)は容疑者に浮上したスリの若者マイケル(リチャード・マッデン)を逮捕する。

彼が無実であることを確信したブライアーはスリの腕前を買い、

無実を証明するため捜査協力を持ち掛け、マイケルも承諾する。

タッグを組んだ彼らは新たなテロを阻止すべく、真犯人を追うが……。 (シネマ・トゥデイ)

 

「バディもの」というんでしょうか、二人の正反対のキャラの男がタッグを組んで難題解決・・・・

というエンタメのジャンルが私はけっこう好きなんですけど、

楽しみにしていた「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングのもう一つの主演映画「ナイスガイズ!」が早々に終わってしまい

代わりに観たのがこれ。

 

イドリス・エルバは次のジェームズボンド候補といわれている黒人俳優。

彼の過去作では「パシフィック・リム」しか記憶がないんですが、デカくて強面で知性も感じられるけどやってることは無謀・・・

というCIAエージェント、ブライアーのキャラを見事に実体化していました。

ズートピアのボゴ署長の声も彼だから、声もいいんですよね~

 

相棒のマイケルはアメリカ人のスリの青年で、演じるのはリチャード・マッデン。

シンデレラでは王子様だったのが信じられないくらい、ぴったりとハマっていました。

 

二人ともポテンシャル非常に高いのに、どこか抜けてるというか、何をやらかすか分からないところが面白いんでしょうね。

ただ、この二人が相棒になるのはずいぶん経ってからで、最初は「テロリストに間違われるスリ」と「それを追うCIA捜査官」で

二人は敵対しているんですよね。

「バディームービー」というプロモーションは完璧ネタバレ!(私も書いてるけど)これ、できることなら知らないで観たかったです。

 

冒頭は

① ヌードモデルを雇ってみんなの注意をひいている間に現金、時計、日本のパスポート・・・順調に盗んで換金するマイケル。

② テディベアに仕込まれた爆弾をフランス極右のビルに置くようにいわれたものの、それができずにバッグを放置するゾーエ

③パリのCIAに配属されたものの、前任地のイラクでいろいろやらかしたものだから、

イマイチ同僚から厳しい視線を浴びている捜査官ブライアー

 ↑

この3つのパートが交互に映し出されますが、マイケルがゾーエからバッグを盗み、それを道に置いたとたんに大爆発。

マイケルの姿は防犯カメラにばっちり映っていたから、彼は一転容疑者となり

連続爆破事件を調べていたブライアーに追いかけられることになるのです。

 

二人が手を組んでからは俄然愉快な展開ではあるんですが、

有能なエージェントであるはずのブライアーはメカに疎くて、けっこうおバカでびっくり。

 

最初マイケルを取り調べるのはCIAの隠れ家なんですが、マイケルが盗んだゾーイの携帯の位置情報をONにしたままだから

隠れ家が犯人グループにも敵対するフランス警察にもバレてしまいます。

逃走するのに車を盗むんですが、よりにもよって金色のベンツなんて盗むから、どこへいっても目立って居所はバレバレです。

 

CIAとフランス警察が仲悪いのも、警視庁と警察庁みたいで、なんか「相棒」を観てるみたいです。

「相棒」でも上層部が黒幕だったりすることよくありますが、それを上回る強引なありえない展開はいいとしても・・・・

 

とにかくブライアーには下準備とか根回しという言葉は全く無縁で、ノープランでどんな危険な場所にも飛び込んでしまいます。

答えを聞き出そうとすれば、相手が味方でも口のなかに銃をつっこんで脅すし、いくらなんでもこれはダメでしょ!

悪い奴らの方がよっぽど計画的で紳士的だから笑っちゃいます。

 

バカみたいな話なんだけど、テンポよく進むし、映画館で見たら間違いなく楽しいです。オススメ!

できれば、今は亡きシネパトス銀座とか新橋文化でオジサンたちに囲まれて見たかったな。

 

最初から女性のヌードで始まったので、そういうサービスシーンたっぷりの殿方専用映画かと思ったら、

そのあとはお色気シーンはゼロでしたね。

イドリス・アルバが女性にうつつを抜かすのも想像しづらいし・・・・

ジェームス・ボンドもプレイボーイのイメージを脱却しつつあるので、初のボンドが彼になったら嬉しいです。