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二ツ星の料理人

2016年06月24日 テーマ:映画
映画「二ツ星の料理人」 平成28年6月11日公開 ★★☆☆☆



腕は確かなもののトラブルを起こし、キャリアを台なしにした人気シェフのアダム・ジョーンズ(ブラッドリー・クーパー)。
パリの二ツ星レストランから姿を消して3年後、
起死回生を狙いロンドンの友人トニー(ダニエル・ブリュール)のレストランに乗り込む。
世界一を目指してかつての同僚ら最高のスタッフを集め、華々しく新店をオープンさせるアダムだったが、
過去のトラブルの代償が立ちはだかり……。                      (シネマトゥデイ)


美味しそうな料理しか記憶に残らないグルメ映画は苦手ですが、
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」も、リバイバル作の「バベットの晩餐会」も面白かったので
最近躊躇せずに見るようになりました。しかもブラッドリー・クーパーがカリスマシェフをやるという・・・

「アメリカンスナイパー」でブラッドリーの妻だったシエナ・ミラーがヒロインというのも期待感↑。
おととしは彼女が主人公の妻役だった「アメリカンスナイパー」も「フォックスキャッチャー」も大ヒットという
あげまん女優(?)ですからね。

冒頭のシーンは、ニューオーリンズのバーで、ひたすら牡蠣の殻をむくアダム(ブラッドリー・クーパー)
彼はミシュラン二つ星のパリの名店、ジャン・リュックの店の名シェフでしたが、問題を起こして追放され
その禊のために牡蠣をむいていたようで、3年かかって100万個むいたので、晴れてロンドンへ・・・・

ロンドンでは死亡説まで出ていたアダムの姿をみてみんなびっくりしますが、
ほとんどの人にアダムは迷惑をかけていたようで、良い顔はされないんですが、
辛口コメントでレストランをつぶすという評判の女性批評家シモーネを
かつての親友トニー(ダニエル・ブリュール)の店に行かせ、

そこに自分が押しかけて完璧な料理を作り、良い記事を書いてもらうことで恩を売ります。

強引にトニーのレストランのシェフにおさまったアダムは早速、料理人さがし。
才能あるのにおとなしいデヴィッド、よその店の女性スーシェフのエレーヌ(シエナ・ミラー)
ようやく刑務所から出所したマックス(リッカルド・スカマルチョ)、かつてアダムに店をつぶされたミシェル(オマール・シー)・・・
かつての同僚リースは、すでに分子料理で一世を風靡しているので問題外ですが。

この時点で、けっこうな豪華キャスト。
デヴィッドとリース役の俳優さんは名前がわかりませんでしたが、ほとんど有名人なので
きっとこの個性的なメンバーのチームプレイですごい料理を作るんだろうな、と期待が高まります。
(演じている俳優の)国籍もみごとなくらいばらばらですよね。
アダム→アメリカ人、   トニー→ドイツ人   マックス→イタリア人
デヴィッド→アイルランド人  そしてミシェル→アフリカ系フランス人
ロンドンなのにイギリス人がいないのも意外ですが、言語も英語とフランス語が混在します。
「内緒の話はフランス語」ってことなのかな?
よく見ているとそうでもないみたいで、「とりあえずフランス料理の映画なので、フランス語も使ってみました・・・」的な?


アダムは自分の店「ランガム」をオープンさせますが、
アダムはリースにめちゃくちゃ敵対心を持っていて、彼と同じく三ツ星を獲ると宣言。
ところが初日に空席があったことからご機嫌が悪くなり、料理人たちの動きも悪くて
料理がさめてしまったことに激怒して、アダムは皿を投げ、出来上がった料理も捨て
厨房の中は大変なことになります。
「芸術肌の完璧主義者」で、不完全な料理は提供できないというのだけれど、
ただのヒステリーにしか思えないんですけどね。

アダムは、労働者向けの農民料理の一つだと、バーガーキングのファストフードも
なんの抵抗もなく食べるおおらかさも持ち合わせていて、なんか意味不明。

それ以上に、料理中にタバコは吸うし、手で盛り付け、その手を汚れたシェフ服で拭くし、
マスクもかけずに、皿に顔をくっつけて盛り付けしながら大声で怒鳴るから、
ぜったいあの料理にはたっぷりと唾がかかってるはずです。

何万円もする一流料理店の裏ではこんな感じかと思うと
なんか食欲が失せてしまいます。


エレーヌもアダムに怒鳴られて店を出ていきますが、トニーに引き留められ、
戻ってくるときには真空パックの機械を持ち込んできます。
これにはアダムもOKを出すんですね。

アダムの料理方法は何年もブランクがあったので、すでにちょっと古くて
「炎やフライパンはもう使わない」というのが今風だそうです。
真空パックだって、アダムの嫌いな分子ガストロミーの一つだと思うんですが、
液体窒素まで使わないから、このくらいは許すのかな?

店もなんとか軌道に乗り始め、あとはミシュランの調査員がいつくるか??
調査員は身分を隠していきなり来るんですが、彼らには共通点があり、
①二人組で7時半くらいに予約し、ひとりは遅れてくる
②コースとアラカルトを注文する
③床にスプーンを置いて、給仕人の反応をみる

そして、まさに①~③の条件ピッタリの二人組が来店し、厨房に緊張が走ります。

上手くいった!と思ったとたん、ソースが辛すぎるとその客からクレーム、
なんとミシェルが唐辛子の粉をたっぷり仕込んでいたのでした。
昔のアダムの仕業(自分の店にアダムがネズミを放って、衛生局に通報したせいで店がつぶれた)
の仕返しだ!と叫んで店を出ていきます。

絶望したアダムはリースのところの真空パックを頭からかぶって窒息死しようとして、止められたリ
なんかもう訳が分からなくなります。

常にアダムを追いかけるヤクザみたいな二人組がいて、何度も痛い目にあわせれるのですが
その正体も最後までわかりませんでした。
アダムの元カノのアンが支払って一件落着したようだから、ただの借金取りだったのでしょう。

「アダムがパリ時代にやらかした罪」というのがうやむやだったので、
終盤にかけて意外な展開があるかと思ったらそれもなし。
彼の師匠であり恩人のジャンの名前が常に出てくるんだけど、
これもたいして大きなオチはありませんでした。
ジャンの娘のアン役が今をときめくアリシア・ヴィカンダーだったから、彼女とよりを戻して、
後半のヒロインは彼女だと決めつけていたのですが、
すぐに退場してしまって、それも物足りなかったし・・・・

結局、激辛料理を食べさせられた二人は、普通のセールスマンだったということがわかり、
次に訪れた調査員らしき二人組には納得できる料理が出せて、
「結果がどうでも、最善をつくせたから、よかったよかった・・・」

で、いつも食べなかった「まかない料理」のテーブルに初めてアダムもやってきて
香ばしく焼きあがったパイを食べていい雰囲気になったところで映画はおわります。

一般客は無視で、ミシュランの調査員や辛口コメンテーターに美味しいものを提供できればそれで良し・・・
みたいなのはどう考えても納得できません。

それにしてもみんなで食べるまかない料理の美味しそうなこと!
素手でいじくられるコース料理よりも、よっぽど食べたいです。

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好きにならずにいられない

2016年06月22日 テーマ:ブログ
映画「好きにならずにいられない」 平成28年6月18日公開 ★★★★★



43歳独身、空港の荷物係として勤務する巨漢のフーシは、人付き合いが苦手で女性経験もなく、
戦車や兵士の小さなフィギュアを集めてジオラマを作るのが唯一の楽しみ。
そんな息子を見かねた母親とその恋人は、出会いの機会を作ろうと
誕生日祝いにダンススクールのクーポンをプレゼントする。
気が乗らないもののスクールに向かったフーシは、小柄な女性シェヴンと出会い、
瞬く間に恋に落ちるが……。                     (シネマ・トゥデイ)


この邦題を聞いたら、エルビス・プレスリーの「I Can't Help Falling In Love」だと思いますよね。
たまたま銀座シネスイッチでプレスリーの物まねをするおデブの非モテ男の映画の予告編をみていたから
てっきりこれがその映画だと勘違いしていました。
いつプレスリーの唄を歌うのかと待っていたのに、ジオラマで遊び始めちゃったからあれれ・・・と。
でも、間違えてがっかり、というのではけっしてなく、胸にツンとくる、いい映画でした。

 ちなみに、私が間違えたのはこれ。⤵


「エルヴィス、わが心の歌」 
予告編やってるわりには23区はユーロスペースだけですでに上映終了。
そういわれると、どうしても見たくなっちゃいますが・・・

それにしても、こういう紛らわしい邦題はいかがなものか?
本作も映画自体は良かったけれど、「好きにならずにいられない」は全然ピンとこないですね。
このタイトルを聞くたびに脳内では
♪Wise men say only fools rush in ~♪
と曲が流れまくって、映画のことがおろそかになってしまいます。

ひとつ前に見た「裸足の季節」というタイトルも、イメージはあっていましたが、
実は、これも松田聖子の
♪エクボの秘密あげるわ~♪ の曲が脳内を駆け巡ってしまって参りました。

今度、「邦題ワースト10」とかも考えてみたいと思います。
いや、もっとたくさんあるはずだから、
① 勘違い誘発
② ネタバレ
③ センスなし
など、ジャンルごとにベスト10でもいいかもね・・・

脱線しましたが、その「間違ってみたけど面白かった」映画の感想です。

主人公のフーシは、空港で手荷物を運ぶ仕事をしている40過ぎの独身男。
200キロ越えの巨漢ですが、健康上の問題もない感じで、良く動くし、すごく真面目。
でも真面目すぎるから、いじられキャラで、ときには限度を超えて、明らかに「いじめ」に見えることも。
上司が気にかけてくれても
「大丈夫です。ふざけていただけ」と仲間をかばうフーシ。

彼はヘビメタの音楽が好きで、大のミニタリーオタク。
部屋のなかにエル・アラメインの戦い
の巨大なジオラマを作って同じ趣味の友人と遊んだりしています。

オタクでデブでハゲでいかにも怪しそうな風貌は、どうしても勘違いされやすく、
彼のラジコンカーに子どもたちが寄ってきても、親たちはすぐに帰るようにせきたてます。

同じアパートの女の子ヘラが家に入れず泣いているのを見て可愛そうに思い
家に招き入れてお菓子をあげたりするのは、完全に彼のやさしさなんだけど、
当然、父親はすごい形相で迎えに来ます。

ああ、なんか切ない・・・
フーシの体躯からしたら、よっぽど大食いの大酒のみのように見えるけれど、
朝食はシリアルの牛乳がけだし、お気に入りのタイ料理店で(ふつう盛りの)パッタイを食べるのが
彼の毎週末の楽しみ、といった具合です。

フーシは43歳になっても母親と二人暮らしです。
どう計算しても60歳以上の母親は、けっこうお盛んで、男を連れ込んだりしていて、
母親の彼氏のロルフは、フーシの存在が気になってしかたありません。
「お前はそんな戦闘ゲームよりも、日々の戦いの方に目を向けるべきだ」
「チャットにログインして寂しい女とつながればチャンスがあるかも」
そしてフーシの誕生日に、薄い頭頂をカバーしてくれるカウボーイハットと
ダンスのクーポン券をプレゼントしてくれます。

ほんとに余計なお世話なんですけど、断ることもできずに、身なりを整えてダンス教室に向かうフーシ。
でもどうしても踊ることができずに、車に戻ってしまいます。
そして教室が終わり、みんな出てくるのですが、外はすごい吹雪。
ひとりの女性が
「家まで送ってくれる?」と車の窓をたたきます。
「申し込んだのになんで来なかったの?」
「来週はお礼に私が面倒みるわ」

彼女の名前はシェヴン。花屋で働いているといいます。
次のレッスンの帰りにいつものタイ料理の店に誘い、
車の中でシェヴンの好きな曲を聞くと、ドリー・パートンの「アイランド・イン・ザ・ストリーム」だというので
毎日リクエストするローカルラジオ局のDJに電話をかけると、
いつもヘビメタしかリクエストしないフーシの変わりように驚いて、すぐ彼女ができたことがバレてしまいます。
DJの後押しのおかげで二人はちょっといいムードになって、自宅に誘われたりしちゃいます。

空港で働いているのに、一度も海外にいったことないというフーシに
「旅が始まる場所で働いているなんてうらやましい。私は旅に行きたいわ」
と言うのを聞いて、本気で旅の計画をたてるフーシ。
暖かくて、いつも晴れていて・・・とイースター休暇のエジプトエジプト旅行を決めるのですが、
そういえばエル・アラメインもたしかエジプトでしたね。

「男は女のために毎回新しいことを考えなきゃいけない」
「男はやるときゃしっかりやるもんだ」
親友にハッパをかけられて張り切るフーシでしたが、
花屋で働いているというのは嘘で、ごみ収集の仕事をしているのがわかってしまいます。

一方、いつもフーシをいじめている会社の同僚に、「車のエンジンを直してくれ」といわれ、
それでも嫌な顔をしないで、きちんと修理してあげると
パーティに誘われ、それにもちゃんと出かけていくフーシ。
こういうドラマにでてくる同僚は、ステレオタイプの悪者なことが多いんですが
彼らはいじめっ子体質ではありますが、どんなにひどいことをしても上司にチクったりしない彼を
むしろ好きで、ある意味尊敬しているのです。
このパーティーに呼んだのも、彼らなりの善意なわけですが、
デリバリーのストリッパーにお金を渡してフーシの初体験の相手をさせようとしたのには
さすがのフーシも激怒して、初めて同僚を殴ってしまいます。(巨漢だからホントは強い!)

そして翌日、はじめて会社をずる休み。
ヘラに「ドライブに連れて行って」といわれ、そのとおりにしてあげると
今度は誘拐騒ぎで警察沙汰になってしまいます。
このへんはよくあるベタな展開ですが、「フーシが優しい男だ」ということは、話をすればみんなわかるから、
最悪なことには絶対にならない。

巨漢でハゲで独身でオタクでマザコン・・・・これだけ聞くと絶対に好感度低いですが、
見た目じゃなくて彼と接しているうちに、彼の本質はだいたいわかってくるのです。

それにしても彼は親切すぎて脇が甘すぎるから、見ててヒヤヒヤし通しですが・・・・

そして一番気になるのがシェヴンが実は詐欺師じゃないかということ。
仕事も嘘だったし、同居するとかしないとか気持ちが変わるし、
「小さな花屋を開くのが夢」とかいって、一緒に物件を観たりして・・・
典型的な結婚詐欺のパターンですよね。

ただ、多分彼女に悪意はなく、結局は「精神不安定のめんどくさい女」だったみたいですね。

人を疑わないフーシはなんのためらいもなく、彼女のために旅行の手配をして、物件を内緒で買って改装し、
職場を無断欠勤している彼女のために、自分は有給を使って、ごみ収集の仕事をしたりして・・・

しかもそれはシエヴンに頼まれたわけでもなく、すべてフーシの善意。
家に引きこもってしまった彼女の家にいって
掃除をし料理を作り、「私にかまうな」といわれても、常に寄り添っているのです。

改装した花屋の物件の鍵を部屋に投げ入れ、そして旅行当日、
空港にシェヴンは現れず、ひとり席にすわるフーシ。
・・・・と、ここで「おわり」

え?終わりですか?って思いましたけど、
最後フーシは前方をみて、ちょっと笑ったような気がしたんですが、勘違いかな?
私はシェヴンが遅れて姿を現した・・・と思いたいんですけど、
エコノミーの座席で200キロのフーシの隣に座ってエジプトまでいくのはちょっと大変ですね。

これは巨漢の人の唯一のはた迷惑ですが、それ以外はすべてノープロブレム。
優しいし、誤解されても言い訳しないし、人を傷つけないし、
結局はこういう人が世の中を良くしているんでしょうね。

周りの人たちも、得てしてこういうドラマでは、ヒール役がどんどん嫌なことを増幅してくるんですが、
会社の同僚たちも、娘をほったらかしにしてるくせにフーシに厳しいヘラの父も
最後には非礼を詫び、感謝していますから。
現実はこんなものなんだと思いますよ。

観てる私たちも、どんどんフーシのことが好きになって(これが邦題の由来?)
別にシェヴンのようなめんどくさい女性じゃなくてもいいから、
とにかく彼には幸せになってほしい気持ちでいっぱいになります。

「心優しい巨人」というのは、あんまり映画ではみたことなくて、(このパターンはたいてい変質者)
むしろ民話なんかに出てくる「だいだらぼっち」を連想してしまいます。
本作は原案があるわけでもなく、フーシを演じたグンナル・ヨンソンという俳優さんの当て書きだそうです。

ありそうでなかったこういう話、私はすっかりはまってしまいました。
アイスランドが舞台のアイスランド映画も初めて見たかもしれません。
うっかり観た映画ではありますが、大いなる誤算で、すばらしかったです。

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裸足の季節

2016年06月19日 テーマ:映画
映画「裸足の季節」 平成28年6月11日公開 ★★★☆☆



5人姉妹の末娘ラーレは、イスタンブールからおよそ1,000キロの場所にある小さな村で暮らしている。
10年前に両親を亡くした姉妹たちは、祖母に育てられる。
長女ソナイ、次女セルマ、三女エジェ、四女ヌルらは美しく成長し……。(シネマ・トゥデイ)

アカデミー賞とゴールデングローブ賞の外国語映画賞にフランス代表でノミネートされて、
いろんなサイトのレビューでも軒並みの高評価!
今公開中のミニシアター系のなかでは最強ということだったので、期待満々ででかけていきました。

まあ、ひとことで言うなら、自由奔放で美しい5人姉妹が、家に軟禁され
姉たちが次々に望まない結婚を強要されて家を出ていくなか
妹二人が固いガードを突破してそこから脱出する・・・・って話で、
最後はハラハラドキドキの脱出劇を見守る展開です。

見どころは、5人の女の子たちの眩しすぎる若さやきらきらした美しい映像、
また、フランス映画ではあるけれど、舞台はトルコで、全編トルコ語で、
この国の女性たちをとりまく封建的な因習や抑圧が描かれます。

日本だってちょっと前の世代まで、結婚前の女性に処女が求められたり、
家同士の結婚というのも、憲法では禁じられていても
そのしきたりは今だって全く失われているわけではないから
私はむしろ、あの横暴な叔父以外の大人は別に敵じゃないように思ったのですが・・・


冒頭は、5人姉妹が学校から帰るシーン。
夏休み前の最後の日のようで、ちょっと開放的になったのか、友人たちと制服のまま海に入って
男女入り乱れて大騒ぎします。
そのあと、人の家の庭のリンゴを盗んで銃を向けられたりしながら
大盛り上がりで家に着くと、おばあちゃんが鬼のような形相で立っています、
どうやら、隣の家のペデツキさんがチクったらしい。

問題なのは、制服をびしょびしょにしたことでも、人の家のリンゴを盗んだことでもなく
海で男子に肩車をしてもらったことらしい・・・
え、そこ?って思いましたけど、「男の子の首に下半身をおしつけるなんてフシダラ」
ってことらしいのです。

姉妹はとなりのペデツキさんのところに文句を言いに行き、地味な服の隣人に
「そんなクソ色の服を来てるやつには文句言われたくない」とか暴言を吐いて帰ってきます。
姉妹は露出の高い服にじゃらじゃらアクセサリーもつけていて、いわゆる「今どきの子」なんですね。

おばあさんは
「両親が死んで以来ずっと私が面倒をみてきたけど)もう私には無理!」と嘆きます。

まあこのあたりまでは、よくある世代ギャップみたいなもので、修復できそうなレベルですけど
話はどんどん思いもよらない方向へ進んでいきます。

姉妹の両親は10年前に亡くなったということなんですが、その亡き父の弟である叔父が乗り込んできて
年頃の女の子がこんなことじゃダメだと、強引な手段を取ってきます。
家には鍵がかけられ、外と連絡が取れる電話やPCや不適切な本などはすべて鍵のかかった戸棚へ。
家のまわりには塀が作られて、ほぼ座敷牢状態。
世代間の家庭内戦争が勃発するわけです。

映画は完全に娘たち目線なので、いきなり自由を奪う大人たちに批判的。
観客もほぼ全員、周囲の大人や古い慣習やそういうのはもうぶっ壊そうぜ!
・・って思いで、娘たちに肩入れしてると思うんですが、
私はもう頭のなかが???でいっぱいになりました。

最初、5人姉妹が「すべて同じ制服の同じ学校に通っている」という時点で
そのなかに一組くらい双子がいるとか、あるいは親が再婚同士で、年齢がかぶったかな?
と思っていたんですが、何の説明もなし。
ともかく同じ制服の同じ学校の生徒なので、(年齢の説明もまったくなかったけれど)

長女  ソナイ  17歳
二女  セルマ  16歳
三女  エジェ  15歳
四女  ヌル   14歳
五女  ラーレ  13歳

かなり無理やりだけれど、こんな年齢構成ということにしておきましょう。

今までさんざん自由奔放に育ってきた彼女たちが(両親が亡くなって)ごく最近
田舎のおばあちゃんの家に預けられた、というのでもなく、
厳しいおばあちゃんに10年も育てられているというのです。

つまり人生のほとんどをここで過ごしてきたというのに、彼女たちの私服は
かなりのギャルファッションで、持ち物もガーリーな可愛いものばかり。
ソフィアコッポラの映画をみてるみたいでした。
しかし、(マックでバイトしてるわけでもなく)誰がお金を出して、どこで買ってあげたんだろ?

そのうち、「都会に住んでる話の分かるちょっとお金持ちの叔母さん」あたりが登場するのかと
ずっと待っていたけど、そんな人は現れず。
もしそんな人がいたら、彼女たちはその人に引き取られるでしょうしね。
それにしても(私の計算だと)3歳から7歳の女の子5人を10年も育てるなんて
おばあちゃん偉い!!
幼いころならともかく、大きくなっても、家事はすべておばあちゃん任せで、姉妹はふざけあってるだけ。
「少しは、ばあちゃんを手伝えよ!」
ってさけびそうになりました。

籠の鳥になった姉妹は、(クソ色の)地味な服に着替えさせられて、連日の花嫁講習。
料理教室やシーツのたたみ方とか、どこからか講師がやってきてやさしく教えてくれるのです。

そうすると今度は「お見合い」で、どこからか年頃の男の子を連れてきて、勝手に結婚を決めるのです。
長女のソナイにはエキンという彼氏がいて、軟禁中もこっそり抜け出してデートしていたから
「私には決まった人がいる」と抗議すると、じゃあ、次女のセルマということで・・・
と、あっという間に結婚相手が決まってしまいます。
相手の両親が「息子にかわって求婚します」というと、こっちも本人でなくおばあさんとかが
「お受けしまう」とかいっちゃうんですね。
「女性がモノのように取引される」というんだけど、相手の男性だって
なんにも意見を言えないわけで、お気の毒ったらないです。

やがてソナとエキンの婚約も決まり、ダブルウエディングとなります。
結婚するとこんどは「初夜のシーツ問題」が発生し、出血のあとを処女の証明としてみせなくちゃいけないとか。
イスラム独特の女性蔑視の風習、というような説明があったけれど
これ、日本でも戦前くらいまではふつうにありましたよね。
特に家柄のいいおウチに嫁いだりしたら・・・
あくまでも形式的なものだから、それらしきものをくっつけておいて、
みんなで「よかったよかった」「おめでとうございます」といって盛り上がるだけ、とも聞いていますけどね。

トルコの女性の地位の低さを訴える映画でもあるようですが、
この姉妹を取り巻く設定があまりにアレなので、もうどうでもよくなってきました。

そんなに女性の処女性に厳格な地域だったら、学校でもそういう教育をするでしょうに
冒頭の海でのじゃれあいがあまりに自然だったから、絶対学校でも同じようなことしてますよね。
17歳のカップルが夜這いして(処女膜を守るために)アブノーマルなセックスをしていたり、
今の日本の少年少女より乱れているような気がします。

もっとびっくりしたのは、あれだけ純潔にこだわっていた叔父のエロルが
姪たちに性的虐待をしているかのようなシーンがあり、
もしこれが本当なら、いくら姪たちの幸せを願うゆえの暴挙であっても一発アウトですよね。
血のつながっている娘をレイプしていい、なんていう常識はどこの世界でもないはずです。
どういうこと?

おばあちゃんも近所のおばさんたちも、自由を謳歌したい若い時分があったわけで
自分たちはその気持ちとどう折り合いをつけて、人生を歩んできたのか?
これからの若い子たちが幸せな人生を送らせるにはどうサポートすべきなのか?
絶対に考えているはずですよね。
そのへんをまったくスルーするのは何でなのかな?

ビジュアルはきれいだし、最後ラーレとヌルが知恵を絞って逃亡するのには興奮してしまいますが
途中何度も
「はあっ??」って叫びそうになるほど疑問点がわき上がってきて、私にはイミフメイの映画でした。

十代の姉妹よりは、おばあちゃんの年代に近いからしょうがないのかな?
若い美人の女性監督の作る映画はだいたいピンとこないのは、事実だからしょうがないです。
(姉妹が5人とも美人と言うのもねぇ。ちょっとはおブスやおデブも混ぜておいたほうが
話がややこしくなって面白いと思うんですが・・・
だいたい3女と4女あたりは最後まで見分けがつきませんでした)

都内はシネスイッチと恵比寿ガーデンシネマだけの上映だったので
超満員を予想していったら、シネスイッチはガラガラでしたよ。
もうちょっと若い年齢層にアピールする映画なんでしょうね。

トルコが舞台の映画では、最近見た「雪の轍」がありますけれど、この舞台となったカッパドキアでも
女性が外で仕事をすることには否定的で、女性の地位の低さがさりげなく描かれていました。
トルコは親日国で、どこかに日本ネタが仕込まれていることが多いんですが
今回ひとつもないとおもったら、これはフランス映画だったことを思い出しました。
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