映画「僕らのごはんは明日で待ってる」平成29年1月7日公開 ★★★★☆

原作本「僕らのごはんは明日で待ってる」 瀬尾まいこ 

 

 

無口で他人に無関心な高校生・葉山亮太(中島裕翔)は、明るく率直な同級生の上村小春(新木優子)と

体育祭の競技「米袋ジャンプ」でコンビを組む。

1位を獲得して亮太が喜んでいると、突然小春から告白され戸惑うものの、いつしか彼女に惹かれていく。

二人は、ファストフードやファミレスで食事をしながら交際を続けるが……。(シネマ・トゥデイ)

 

超マイナス思考の葉山リョータと行動的な上村コハルという真逆な性格の凸凹カップルの恋物語。

最近はやりの萌えキュン学園ラブコメディに見えますけど、瀬尾まいこさんの原作ですから

癒され系の共感度高いほのぼのしたお話です。

 

17歳で兄が亡くなって以来、いつもぼんやり黄昏ていた葉山リョータでしたが、運動会の「米袋レース」で

体育委員のコハルにペアにされてしまいますが、まじめに練習しているうちに息もあってきて、なんと優勝してしまいます

思ったことを何でも口にだせるコハルは、サクッとリョータに告白するんですが、言われたリョータはたじたじ。

「目の前の幸せよりそれを失った時の辛さが恐い」とか、付き合いたくない言い訳ではなく、本気でそう思ってるネクラ人間なのです。

 

それでもなんとなく付き合うことになるこのふたり。

恋人というより親友みたいな関係で、「ハヤマくん」「ウエムラ」と呼び合い、ハグするまで何年もかかり

キスなんて(予告編の印象とはちがって)ラストシーンでやっとですよ。

タイトル画像の真ん中のは、イメージ画像ですね。

こういう距離を置いた関係は長続きするのかもしれません。

 

ポカリスエットとケンタッキーフライドチキンが大好きなふたり

ここまでの企業名連呼は適切なのかわからないけど、スポンサーにもなってるのかな?

 

高校生だった二人も進学し、コハルは短大を卒業して念願だった保育士に。

リョータも就職先がきまり、お互い結婚も意識するようになってコハルの祖母に逢いにいくのですが、意外に低感触。

 

実はコハルの母は妻子ある人との間にコハルを産み、祖母のところに預けたまま行方をくらましてしまっていたのです。

両親なしで育ったのに明るくふるまうコハルに祖母は

「太陽みたいな人とつきあいなさい」と。

「私にとっておばあちゃんの言葉は日本国憲法より重い。だから別れましょ」

ファミレス(多分ガスト)で、あっさりと別れを切り出されてしまいます。

「これは提案じゃなくて報告だから」をさっさと帰ってしまうコハル。

 

取り残されたリョータは友人に誘われて合コンに参加し、そこで出会った鈴原エミリに告白されて交際がスタートしますが

この子がほんとによくいる女子力アピールの頑張りすぎの重い女子。

 

 

服も髪型もしゃべり方のまさにそんな感じ。

誰かと思ったらあの可愛い子役だった美山加恋ではないですか!

↑の写真でみるとそんなにブスじゃないんですけど、ちょっと男が引くウザイ演技、最高でした。

 

エミリからのお泊り旅行のオファーを断れずにいるころ、実はコハルが重い病にかかっていることを知ります。

子宮に肉腫(多分悪性)ができて入院しているコハルに会いにいきますが、ここでも追い返されてしまいます。

 

「家族を作るチャンスは2回ある。私は(1回目はうまくいかなかったから)2回目に賭けてるの」

結婚して子どもを産んで幸せな家庭を作るのが夢だったコハルが、子どもが産めないことを気にして自分の元を去った・・・・

いつも強がりしかいわないコハルが、病院の屋上で泣いているのを偶然望遠鏡でみたリョータは

全速力で(カーネルサンダースの像をかかえて)病院まで走る・・・

というような話です。

 

草食系男子が違うタイプの女子に翻弄されるよくあるシチュエーションに、病気や親不在の深刻風味をプラスした

ぎりぎり現実感あるドラマですが、主役二人が役にあってて、伯母さんにも楽しめました。

コハル役の新木優子という女優さんは初めて見ましたが、既存のアイドル女優とは違う溌剌とした新鮮さがあって

ドライなセリフも自然に受け入れられました。

Hey! Say! JUMPの中島裕翔クンの優柔不断の優男ぶりも役にぴったり。

あと、祖母役の松原智恵子が、コハルの数十年後としっかりつながる容貌で、

若い頃の凛とした清楚な姿をしる私なんかには感動ものでした。

 

ストーリー上は病室で同室だった山崎さん(片桐はいり)のほうが出番は多いんですが

セリフ少ないのにおばあちゃんの存在感大きい!

「葉山さん、あの子をどうかよろしくお願いします」

↑なんてことないせりふですが、このシーンではほんとにうれしくて泣きそうになりました。

 

まったく私ごとですが、なんでこれを見たかと言うと、ちょうど1年前、娘の夫(ロシア人です)が

この映画のエキストラにでて、記念のお米をもらってきてたので、一応見ておこうと思って・・・・

 

 

たしかにタイのレストランのシーンにそれらしき人物を発見!

・・・てことは、タイのシーン。屋外は海外ロケですが、

おばちゃんたちが登場するバスの中やレストランは日本国内ロケだったんですね。