映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 平成28年11月23日公開 ★★★★☆

関連本「幻の動物とその生息地」 ニュート・スキャマンダー 静山社

 

 

魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、魔法動物の調査と保護のためニューヨークを訪問する。

ある日、彼の魔法のトランクが人間のものと取り違えられ、魔法動物たちが人間の世界に逃亡してしまう。

街中がパニックに陥る中、ニュートはティナ(キャサリン・ウォーターストン)らと共に追跡を開始するが……。(シネマ・トゥデイ)

 

あのハリポタの「新シリーズ」として、派手な宣伝をしていますけど、これ、ハリーたちがホグワーツに入学するより前の話なので

ハリポタのエピソードはほとんど出てきません。

原作本はまだ邦訳がないようですが、一応元ネタといわれるのがこれ↓

 

 

「幻の動物とその生息地」というハリポタシリーズのスピンオフの小冊子で、作者はニュート・スキャラマンダー。

そう、ホグワーツ魔法学校の教科書であるこの本を書いたのが、エディ・レドメイン演じるこの映画の主人公です。

(この本を実際に書いたのは、もちろん、JKローリングですけどね)

 

1920年代のアメリカ。

トランクのなかに何やら生き物を隠したイギリス人青年が、船でNYに到着します。

いかにも怪しいんですが、「マグル用」とかかれたつまみでトランクを開けると、中身は着替えや日用品だけ。

荷物検査も楽々パスしてNYの街に降り立つのですが、雑踏の中でトランクの生き物たちが次々に逃げ出します。

最初に逃げた、カモノハシに似たニフラーは光るものが大好きなので、金貨とか宝石に大興奮。

こっそり魔法と使いつつ動物たちを追いかける姿を米魔法議会マクーザ(MACUSA)のティナに見つかって、連行されてしまいます。

マクーザというのは、イギリスでいうと魔法省みたいな組織で、構成員はもちろんみんな魔法使い。

そのころのアメリカでは、魔力を思わせるものの破壊行為が頻繁に起こっていて、

反魔法組織の「新セーラム救世軍」というのが、魔女狩りのキャンペーンをはっていたから

魔法使いたちにとっては厳しいご時世なのに、イギリスから魔法動物持ち込むとはとんでもないことです。

 

ところが、トランクを開けると、中身がパンに入れ替わっていてびっくり。

銀行でパン屋開業の融資を受けに来ていた、ジェイコブのトランクと入れ替わっていたのですね。

 

なんとかジェイコブを見つけて、毒に侵されていた彼を治療し、まだ捕まえていない動物たちの捕獲にでかけますが、

ジェイコブは普通の人間だし、敵になっても、味方になるわけがないのに、彼はなんかとてもいい男で

NYの地理には詳しいからと、案内役をやってくれるのです。

彼のような普通の人間を、イギリスではマグルといったけれど、アメリカではノーマジと呼ばれていました。

 

基本、ノーマジvs魔法使いの話なんですけど、ジェイコブのキャラ(太ったさえないオッサン)のおかげで

ほのぼのしながら観ることができました。

ニュートの管理能力のなさも腹立たしいけれと、これも、エディーが可愛いから、許してしまいます。

 

NYでは、街を破壊する黒い風の塊とは別に、原因不明の殺人事件も起こっていて、

オブキュラスといわれる、「抑圧された魔法族の子どもが生み出す呪いのような魔力」によるものと分かるんですが

この遣い手はちょっと意外な人だったりして・・・・

 

ネタバレですけど、コリン・ファレルの実の姿がジョニー・デップというのにも、びっくり。

彼らは「Drパルナサスの鏡」で亡きヒース・レジャーの代役を一緒にやったくらいだから、

できれば、もう一人のジュード・ロウも入れてあげてください。

ちょい役ですけど、アンジェリーナ・ジョリーのパパ、ジョン・ヴォイトも出ているし、キャストがやたら豪華です。

ストーリーの納得できないことをこれで補ってる感じでしたが、

ただ、禁酒法時代の閉塞感いっぱいのアメリカの雰囲気はよく出てました。

 

一番の見どころは、やはりたくさん登場する魔法動物たち。

巨大なサイのようなエルンペントやブラップホーン、サンダーバード・・・

柔い純銀の卵から孵るオカミーは、翼のあるへびで、デミグースの美しい毛並みも見事。

私はいつも2Dでしか観ないんですけど、これは3Dもあり!と思います。

 

一番のお気に入りは、木の妖精のようなボウトラックル。

↓この画像はちょっとくねくねしたナナフシみたいですけど、この子は礼儀正しくて、何気に役に立ちます。

ニュートの手錠の鍵をあけてくれたのもこの子です。

 

「ボウトラックル」の画像検索結果

 

「幻の動物とその生息地」には魔法動物たちの解説が書かれているんですが、

写真もイラストもないからとっても覚えづらいです。

映画のなかに出てきたものはほとんど網羅されていましたが、文章だけなので、なかなか結び付かない。

それでもハリーたちはこれで勉強するので、あちこち書き込みがあって、(日本版は日本語ですけど)

この本で勉強したことがしのばれます。

 

このシリーズはこれからも続くようですが、正直、話の面白さにはそれほど期待していません。

それでもエディが主演だったら、やっぱり見てしまうでしょうけど・・・・