映画「珍遊記」 平成28年2月27日公開 ★☆☆☆☆


天竺へと旅をしていた僧侶の玄奘(倉科カナ)は、たまたま寄った家の老夫婦から
妖力で悪さをする不良息子・山田太郎(ピエール瀧)の更生を頼まれる。
玄奘は、宝珠を駆使し妖力を封印することに成功。
さらに、玄奘は力を失った太郎(松山ケンイチ)を引き取り、旅に同行させることに。
道中さまざまな騒動を巻き起こす太郎は……。       (シネマ・トゥデイ)

★ひとつはむしろほめ言葉かもしれません。
私は残った株主優待券で観たのですが、それでも軽く怒りを感じています。


原作はこんなギャグ漫画なので、最初から期待はできるものじゃないけれど、
それでも主役級はまともな俳優さんだし、東映のまともな映画館で上映するんだから・・・と思っていたんですが、
それは見事に裏切られました。

男子小学生レベルの下ネタギャグの連発で、いい大人が笑える代物ではありません!


西遊記を元ネタにした映画はたくさんありますが、邦画だと、夏目雅子が玄奘を演じて以来
この役はなんだか女性がやるのが定番になっています。
その後の宮沢りえ、深津絵里、牧瀬里穂とか・・・・
玄奘はかよわい女性的なイメージありますけど、けっして女性ではありません。
(たしか最初にキャスティングされた坂東玉三郎に代わるキャスティングだったと聞いています。)
人気女優の思い切ったスキンヘッドの潔さが受けたのでしょうが、本作での玄奘は倉科カナ。
彼女はスキンヘッドはもちろん、きれいなお顔で放送禁止用を連発するんですけど、
申し訳ないけど今をときめく女優さんというわけでもないので、たいしてインパクトないです。
原作漫画もそうなんでしょうけど、玄奘は最初から女性、ということみたいです。
念仏も大真面目で「ブツブツブツブツ・・・」というだけ。
天竺に行く目的も何もなくて、ただ旅のお供に
問題児の孫悟空、というか、山田太郎をおしつけられてしまうという設定。

主役級はともかく、脇役の衣装なんて、ドンキのパーティーグッズのレベルで
まあ狙ってのことなんでしょうけど、ちょっとだけ期待したギャグも出オチでおしまい。

松山ケンイチもなんでこんなオファーを断らなかったのか理解できませんが
何の躊躇もなく、パンツ一枚や全裸シーンばかり。
彼はこのあと、役作りで激太りして、「聖の青春」を撮ったんですよね。
ともかく、役にいれこむ姿勢は潔くてすばらしいです。

今回の(映画オリジナルらしい)敵役は、山田太郎に個人的恨みをもつ、イケメン宗教家龍翔。
溝端淳平が演じているんですが、これがとっても上手い。
私はテレビドラマを全く見ないんですが、こういうコミカルな役は彼の定番なのかな?
つまんない台本での「のりつっこみ」とか、タイミングが絶妙です。



あと、彼のうしろにいる有能な子分をやってる女優さんがすごく上手いんですが
最初、谷村美月ちゃんがすらっときれいになったのかと思ってしまいました。


藤本泉という女優さんだそうです。
ちょっとツンデレな、適当にやればいいような役なんですが、
しっかりぶれずにプロの仕事をしていて、ちょっと感動しました。

まあ、どうでもいい映画ではありましたが、こういう女優さんを見つけられたのは嬉しかったです。

ところで、先日見た「リップヴァンウィンクルの花嫁」は東映配給だと知りました。
なんでこれを東映直営館でやってくれないのかな?