映画「スタートレック The Motion Picture」 昭和55年7月12日公開 ★★★☆☆
天体規模ほどもある巨大な雲状の「何か」が銀河系を進んでいく。
その進路上で迎撃しようとしたクリンゴン艦や調査を試みたステーション・イプシロン9は攻撃を受け、消滅してしまう。
進路の先には地球があり、迎撃可能な宇宙船は、5年間の調査飛行の後、
軌道上のドックでの大改装を終えようとしていたエンタープライズ だけであった。
提督に昇進していたカークは地上任務に就いていたが、この危機に乗じて、再びエンタープライズの指揮を執る。
犠牲を伴いながらも体制を整え、カークたちは地球までわずかの距離に接近した雲の中に
「ヴィジャー」と名乗る謎の存在がいることを突き止めた。
ヴィジャーは自らを造り出した創造者(クリエイター)を捜し、一体になろうとしているという。
地球上にいる炭素ユニット(人類)達が創造者との交信を阻んでいると判断したヴィジャーはその抹殺を謀るが、
機転を利かせたカークが創造者を教える条件で直接ヴィジャーに会いに行く。
そこでカーク達は「ヴィジャー」とその「創造者」の意外な正体を知ることになる。(WIKI)
スタートレックの劇場版の第一作。
なので、予備知識ゼロで大丈夫と思っていたら、ほとんどなんの説明もなしにどんどん話が進みます。
テレビドラマが終わってすでに10年たっているのに初見だときつい、というのはどうなんでしょう?
国民的TVドラマだったから、カーク、スポック、マッコイ、スコット・・・
といった主要メンバーの設定は了解していても、
デルタ人のアイリーアというスキンヘッドの美女がいきなり登場し、彼女の元カレのデッカーという青年が
カークともめるシーンから始まるのですが、テレビドラマ知らない人には「あんた誰?」状態です。
デッカーはエンタープライズの艦長に任命されていたのに、
「やっぱり自分がやる」と、カークに仕事をとられちゃうんですね。
カークは艦長になったものの、艦のことをよく知らなくてワームホールに陥りそうになったり、指揮官としてダメダメ。
カークは(設定は何歳かわからないけど)見た目はいいオジサンなのに、この扱いはちょっと気の毒。
結局「冷静で有能」なスポックが戻ってきて副官になるということでみんな納得するのです。
デッカーとアイリーアは本作ではかなり出番多くて主役級。
劇場版1作目にしては、オリジナルメンバーとのバランスはいいんでしょうか?
どうやらデッカー役のスティーブン・コリンズは
カーク役のウィリアム・シャトナーの高いギャラを抑えるための控えだったらしいです。
なんとなく顔も似てるけれど、どう見ても、コリンズのほうが絶対にカッコいい。
アイリーア役のパーシス・カンバータもミス・ユニバースのとてつもない美女で、
この二人(見づらいですが↑の右のふたり)ビジュアルは、スタートレックというより明らかにスターウォーズ寄り。
スケールの大きな宇宙空間の表現とか、エンタープライズ号の造形とか、お金をかけて
当時大人気の「未知との遭遇」や「スターウォーズ」に負けないくらい頑張ったんでしょうが、
「気持ちは分かるけど面白くない」って感じです。
スポックとカークのやりとりで印象に残るせりふも少なかったし、
ブリッジから見える壮大な映像は宇宙空間にいるみたいなのに、
宇宙船が隕石群とかに衝突している時に
「居間で仕事してたら地震がきました」的にみんな気持ちよくずっこけるのはちょっとお笑いです。
「ヴィジャーの正体」については、意味も分からずにちょっと興奮したけれど、なんかものすごいオチですね。
おりしも先週、
「1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャー1号が太陽系外に出て恒星間空間を飛行している」
という発表がありましたけど、そうするとあと200年後くらいには機械生命体になって戻ってくるの?
・・・なんて話題が全くなかったということは、日本でのスタートレック認知度ってまだ低いんでしょうね。