映画 「県庁おもてなし課」 平成25年5月11日公開 ★★★☆☆
原作本 「県庁おもてなし課」 有川浩 角川文庫 ★★★☆☆
観光の促進を円滑にするために高知県庁は「おもてなし課」を設立。
若手職員・掛水(錦戸亮)を中心としたメンバーたちが何をすべきかわからず困惑していると、
地元出身の作家・吉門(高良健吾)から役所気質と民間感覚のズレを痛烈に批判される。
発奮した掛水は柔軟な発想力を持つアルバイトの多紀(堀北真希)と共に、
本当のおもてなしを見つけ出すべく奔走する。(シネマ・トゥデイ)
私が知っているだけで「阪急電車」「図書館戦争」そして本作。
「フリーター家を買う」「空飛ぶ広報室」はテレビだし、有川作品どれだけ映像化されてるのか??
一見ハードな設定ながら、結局はぐだぐだのラブコメに着地、という流れが多いので正直私の好みではないのですが、
今回は実際に高知県の観光特使に任命された著者の実体験をもとにした小説。
つまり吉門のモデルは有川浩その人で、
伝説の元職員・清遠和政の主張していた「パンダ誘致論」も有川氏の実父の持論だったとか・・・
町おこしに躍起になっているハズの地方都市の役所の職員が「のんびりしすぎ」というのも
民間感覚から大きくズレているのも納得ですけど、結局のところ「女子トイレをきれいにしましょ」とか
「食いつきのいいコピーを考えましょ」とか想定内のものなので、
「旭山動物園物語」のような爽快感はほぼゼロです。
主人公の錦戸亮は、まじめだけどうすぼんやりしたキャラがぴったりで、少々雑な脚本でも違和感なし。
ただ企画力・行動力抜群の多紀役の堀北真希は、「アウトロー」のトムクルーズに匹敵するむちゃくちゃキャスティング。
自転車の高速走行のシーンでもう、あまりにリアリティなさに唖然・・・でした。
堀北真希って、多分今の日本映画唯一の清純派ヒロインなんだから、こういうはりきりキャラは
彼女のキャリアに邪魔だと思いますけど。
「多紀ちゃんて呼んでもいい?」なんていうくさいセリフもすがすがしくて聞こえたのは、
「図書館戦争」と同様、好感度高い二人に救われたのかもしれません。
ただ、錦戸→大阪出身
堀北→東京出身
高良→熊本出身
船越・関→神奈川出身
と、高知の人が一人もいないのは、方言とかどうなんでしょう?
土佐弁というと、「鬼龍院花子の生涯」の「なめたらいかんぜよ」とか
西原理恵子原作の「パーマネント野ばら」や「女の子ものがたり」が浮かぶのですが、
方言が前面に出ていなかったのも、「ご当地映画」の印象を薄くしていたかも。
この映画で高知を訪れてくれる人が増えればいい・・・と
多少の身内の恥をさらしても公開に踏み切った高知県庁はエライ!
と思いますけど、実際はそれほど行きたい気持ちにはなれませんでした。
料理だけなら東京でも食べられるし、とにかくアクセスが悪いし・・・・
私にとって「高知」といえば、あのアンパンマンやなせたかし画伯のふるさと、です。
子どもが小さいころ「アンパンマンミュージアム」に行きたくて、いろいろ調べた記憶があります。
四国のほかの三県は行ったことあるのに高知はまだ、というのは、やっぱり東京からは遠いんだなぁ~
ともかくこの映画で高知の観光客が増えればいいけれど、そこまでの魅力は感じられなかったです。
観たことすらすでに忘れかけています。