映画 「モネ・ゲーム」 平成25年5月17日公開 ★★★☆☆
美術学芸員のハリー(コリン・ファース)はモネの名画のニセモノを使った詐欺を思いつく。
相棒PJ(キャメロン・ディアス)が絵画の所有者に成り済まし、
ハリーは本物と見まがうような贋作を用意して標的の億万長者シャバンダー(アラン・リックマン)に近づく。
しかし超天然のPJが次々と騒動を巻き起こし、シャバンダーが別の絵画鑑定士を呼んだことで、
成功間違いなしのはずの計画は予期せぬ方向に……。(シネマ・トウデイ)
あのコリン・ファースにアラン・リックマン、キャメロン・ディアスにスタンリー・トゥッチ・・・
このキャストにコーエン兄弟の脚本、絵画ミステリー、と聞けば、そりゃ観に行きますよね?
スクリーン数も多いですし・・・いや、その割に席はがらがらだったかな?
絵画鑑定士のハリー・ディーン(コリン・ファース)は雇い主のシャバンダー(アラン・リックマン)に受けた侮辱に腹をたて
復讐をすることを計画。
モネの連作「つみ藁」の中で50年も行方不明とされている一作(映画の中では2作中の1)が
偶然アメリカのトレーラーハウスの壁にかかっていることが見つかった・・・というウソをでっち上げ
シャパンダーから大金をせしめ、自分の名誉回復を図るというもの。
で、件の名画の最後の目撃者といわれた米軍人プスナフスキーの孫娘PJ(キャメロン・ディアス)に
所有者役の交渉をしにいくところから~
まずは「成功パターン」が示されるんですが、素人目にも無理無理な筋書き。
贋作を書いたのはハリーの相棒、本作では語り部も務めるネルソン少佐で完璧な仕上がり、
PJも「本物の孫娘」ではあるわけですが、それだけの名画なら注目されるでしょうし
科学的な鑑定も避けられない気もしますけどね・・・・
ロンドンにやってきたPJはテンガロンハットにズタ袋を下げたカウガールファッション。
シャバンダーは彼女を気に入って話はうまくいきそうになるも
「これはダメでしょ」と一番思っているのがPJ。
当初の計画とは違う方向に転がってしまいます。
イギリスセレブに囲まれたアメリカの田舎娘の天真爛漫な物言いや
「おばあちゃんの金言」といって繰り出す名言が意外と説得力あったりして・・・
それにひきかえ、日本人の扱い、最悪ですね。
金持ちの日本人とか取り巻きとか、へらへらしてる通訳とか、
日本人はあんなふうに見られているとしたら悲しいです。
日本兵のエキストラの日本語がおかしい・・・ってのはよくありますが、
そこそこ大事な役の日本人富豪の日本語せりふがヘンというのは致命的です。
救いがあるとしたら、キャメロンはともかく、アランやコリンがけっこう楽しそうに演じていることでしょうか。
「コリン・ファースのパンツ姿」というのが売りのようですが、
「シングルマン」の時もでしたが、50歳過ぎてもすごくきれいな脚やおしりなので、
逆に素敵で笑えませんね。
「ヌーディスト疑惑」のシーンでのアラン・リックマンの全裸のほうが劣化度高くて驚きました。
彼はまだ50代かと思っていたら、もうかなりのお歳だったんですね。しょうがないか・・・・
ところで、この作品は50年近く前の「泥棒貴族」のリメイクだそうです。
ハリーが持ち出す壺とかオマージュだそうですが、見てない人には蛇足でしかありません。
なんで出てきたのかよくわからない、あのライオンもオマージュなのかな?
でも、アラン・リックマンって、ライオンに似てませんか?
オープニングにはアニメを使って凝った感じだったので、
エンドロール後にまたひとひねりあるかと期待したんですが、普通に終わっちゃいました。
なんか軽~い詐欺にあったような気分です。