映画 「アウトロー」 平成25年2月1日公開 ★★★★☆

原作本「アウトロー」 リー・チャイルド 講談社文庫 ★★★★★→アウトロー②



読んで♪観て♪


真昼のピッツバーグ郊外で無差別に6発の銃弾が撃ち込まれ、5名が命を落とすという事件が発生。

警察は事件発生後1時間という早さで、元軍人で腕利きスナイパーだったジェームズを

容疑者として拘束する。

だが彼は容疑を全面否認し、

かつて軍の内部で一目置かれていたジャック(トム・クルーズ)への連絡を求める。(シネマ・トゥデイ)


対岸からの無差別発砲で罪のない5人が死亡するという憎むべき犯罪。

容疑者のジェームズ・バーはあっという間に逮捕され、

「自白署名まで16時間の新記録!」というところで、

「「ジャック・リーチャーを呼べ」と、彼の主張はそれだけ。

そして連絡をとるまでもなく、自分から現れたジャック(トム・クルーズ)・・というすべりだし。


前半はバーの弁護をすることになった地方検事の娘の「お嬢様弁護士」ヘレンの目線で描かれます。

ロザムンド・パイクはちょっと頭の弱い美女の役から、最近はインテリ美女の役に移行してますが、

素顔の彼女は語学も楽器もこなせるオックスフォード大卒のインテリですからね。

でもどの役もあんまり「切れ者」でないのが共感しやすくて、

そこはかとただよう癒しの雰囲気がこういうサスペンスものには合っている気がします。


ヘレンはバーの有罪をほぼ信じてはいるものの、どうしても死刑にしたくてうずうずしている

自分の父のことは気に入らない(どうやら親子でなんらかの確執があるようです)

突然前にあらわれたジャックと組むうちに、単純な無差別殺人でないことも

バーの無実の可能性も出てきて、ちょっとして推理ゲームとなりますが、

「身近な裏切り者」については、観てるほうには即わかるのに、

ヘレンはちっとも気づいてくれないから、ちょっとイライラしちゃうんですけど。


アクション面では、「トム・クルーズのカーチェイスが見どころ」ということでしたが、

ありえないカースタントとかはなくて、爆音やきしみ音多用の

「普通に乱暴な運転」なので、個人的には全然楽しいとは思えませんでした。

ド派手な銃撃戦や爆発もなくて、素手で骨折させたり目をつぶしたり、

そんな地味で妙にリアルな戦い方もどうなんだろう・・・・


「暴力はいやだけど、絵空事のアクションですっきりしたい!」

(私も含め)MIが好きな人にはあんまり受け入れられないかもしれません。

トム・クルーズは確かによかったけれど、

別にロバート・デニーロでもやれるようなヒーロー像でした。

後半で、元海兵隊の射撃場の老人が援軍してくれるんですが、

これがロバート・デュヴァル!

彼の存在と活躍が唯一エンターテイメントでしたね。


「法も証拠も無視して正義に生きている」

これがアウトローの定義のようですが、

やってることは「必殺仕置き人」という感じ。

ジャック・リーチャーものの第一作にしては、彼の経歴とかほとんどわからず、

自分だけおいてけぼりにされている感じでした。

原作も講談社文庫より上下巻で出ているようです。

こちらを読んですっきりしたいです。