映画 「クリスマス・ストーリー」 平成22年11月20日公開 ★★★★☆
フランス北部の街ルーベ。クリスマスを迎えるヴュイヤール家に子どもたちが帰ってくる。
初老の母ジュノンが白血病に冒され、長女エリザベートと息子のポール、末っ子のイヴァン一家、
甥っ子のシモンに加え、
5年前に家族から追放された問題児の次男アンリも恋人フォニアを伴い顔を揃える。
かつて6歳だった長男ジョゼフを同じ病で亡くしたジュノンは、
夫アベルの励ましを余所に唯一の治療法である骨髄移植を躊躇していた。 (GOO映画)
去年、カトリーヌドヌーブ主演の映画が立て続けに日本公開されたのですが、その中の1本。
「隠された日記 母たち、娘たち」はミステリー仕立て、(→こちら )
「幸せの雨傘」は思いっきりコメディでしたが、(→こちら )
これも家族映画だけれど、それぞれが問題を抱えている「フランス版東京ソナタ」みたいなの。
ただちょっとちがうのは「不幸の元凶が病気」ということ。
でも病人の役作りもないし病院のシーンもほとんどないので、難病系?という感じではないです。
とにかく、登場人物とても多いです!
それを危惧してか、アニメでの説明がはいり、字幕もでるのですがなかなか頭に入らず、
DVDだったので、元に戻って冒頭部をもう一度観てしまいました。
映画館だったら分からないまま観るしかないですね。
アベルとジュノン(これがカトリーヌドヌーブ)の長男ジョセフ(67年生まれ)は重い白血病を発症し、
回復には骨髄移植しかないのですが、妹のエリザベートとは適合せず、
そのために赤ちゃんを作る事を決意。
このあたり、「私の中のあなた」っぽいですが、この時代はデザイナーベイビーの技術はなかったのか、
羊水穿刺で、生まれてくる子どもは型が違う事が判明。
その後病院でジュノンは
「役に立たないアンリを産んだ」・・・
その下にもイヴァンという弟が生まれるんですが、
それを待たずにジョセフは6歳で死んでしまいます。
ここまでが過去の話。
生まれたときから役立たず!のアンリ(マチューアマルリック)はお金で問題ばかり起こ放蕩息子で、
姉のエリザベートとは絶縁状態が続いています。母のジュノンにも嫌われてます。
彼女は戯曲家で成功し、夫もフィリーズ賞の高名な数学者。
ただ息子ポールの病気(心の?)に悩んでいます。
末っ子のイヴァンは元気な双子に恵まれて一見幸せですが、
妻といとこのシモンの関係を疑っています。
そんななかで見つかった母ジュノンの病気。
死亡率75%のガンで、やはり骨髄移植以外に助かる手立てがないというのです。
兄弟同士 → 一番可能性あり
親から子へ → ありえる
子から親へ → あまりやらない
孫から祖父母へ → ありえない
兄弟間では4分の1の確率で適合すると聞いたことがあるのですが、
親も兄弟もなく、骨髄バンクでほとんど適合しない型をもつジュノンに残された道はなし、ってこと?
移植片対宿主病( GVHD)で死ぬ可能性とか、治療しなくて死ぬ可能性とか、
もう本人目の前に事務的に話す医者のことばには驚きました。
ちゃんと説明しないとあとで責任問題になるからなのかな?
子や孫がドナーとしたがらないのは単に倫理的な問題でしょうか、
ともかく、検査の結果、よりによって家族の中で二男のアンリ、それに孫のポールが
ジュノンと適合することが判明し、それぞれの心が千々に乱れます。
クリスマスの日、実家に家族が集まるところは、
日本でいったらお盆休みの帰省みたいで親しみもてますが、
「部屋割」できるほど広い家に住んでいるのはうらやましいな。
これから年金もカットされる私たちの世代はみんな狭い部屋暮らしで、
「子どもや孫たちが集まる」なんてこともできなくなるかも?
ウチはなんとか子どもはいるけれど、「孫」ができる保障もないし・・・
なんて関係ないことを心配してしまいました~
家族って、いちばん近しくて昔の思い出も一番共有していて、
憎んでいると思い込んでいても実は愛していたり、
だいたい、骨髄バンクに一つもない型が家族内に2人もある、というだけで奇跡、です。
いわゆる家族映画とは一線を画していて、
ものすごくヘンテコな演出が多く、私には意味不明の幻想シーンとか
いきなり観客に語りかけたり、道路で前のめりに倒れ込んだり
え、何?と思っているうちに次のせりふを聞き逃したりしてました。
人間関係が分かりづらかったのは、母親に向かって「ジュノン」と名前で呼んでいたことも。
これは親子の距離感を表していたのでしょうか?
あと、登場人物がみんなオーラを背負った大物ぞろいで、
「みるからにどうでもいい脇役」が一人もいないのも、フランス映画初心者には
ちょっと疲れました。
2時間半という長い映画でしたが、昼ドラだったら毎日15分で1年持ちそうな内容ですよ。
今チラシをチェックしたら、「相関図」が載っていました。
2回観てだいたい理解していたつもりが、父アベルの母親があの人だったとは!
公式サイトにはあるのかな?これからDVD観ようという方も見ておくと便利かも。
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