映画 「婚前特急」 平成23年4月1日公開 ★★★☆☆

ノベライズ 「婚前特急 池下チエ 結婚まであと284日」 高田亮 リンダブックス ★★★★★ →婚前特急①


読んで♪観て♪



人生を楽しむためには時間を有効に使い、いろんな人といろんな体験をすべき、

がモットーの24歳OL、池下チエ。

目下、5人の彼氏と交際中。

当然、結婚なんて全く考えていなかったチエだったが、

親友のトシコが結婚したことで気持ちが揺らぎ出す。

そこでトシコのアドバイスに従って5人の男を査定し、最後に残った人と結婚することに。

そして、まずは一番低かった田無に別れを切り出すチエだったが…。 (allcinema)



あれ、あれ・・・

ノベライズでかなりチエに入れ込んでいて、なんとか名画座でもいいから

映画館で観ようとしてたんですが、映画はずい分とテイスト違いますね。


チエが5股掛けてる男たちは年齢も年収もビジュアルもバラバラ。

彼女はそれを「用途別」に使い分けてそこそこ満ち足りた毎日だったのですが、

「つまんない男と結婚した」親友トシエがなんだか羨ましくて

「カレシの一本化」を決意する、というお話。


部屋の合鍵をもってる5人の男たち。

金持ちは妻子もちだし、若くて可愛い男は先行き不透明だし・・・

そのなかでどう考えても何も良いところのない田無をまず切る!というはずが

どんどん予期していない方向へ行くというのは

最初からほぼ展開は想像はできちゃうのですが、

この田無タクミという男、ホントにいらつくんですよね~


本はチエの一人称で語られるのですが、タクミのどうしようもないところ

カネない、ずうずうしい、空気読めない、物を知らない・・・などが果てしなく語られます。

でも彼といると「楽」という言葉の裏に、なんか癒されキャラを感じてしまいました。

バカでビンボーでブサイクなんだけど、きっと大柄であったかい感じなんだろうな・・みたいな。


ところが、映画に出てきたタクミは、性格は上記のとおりですが

それに加えてチビでデブでダサイんですよ。

少なくともチエとは「セフレ」なわけでしょ?

俳優さんに罪はないけど、これ、ちょっとオエーってなっちゃいますよ。


でも、一番イメージちがったのはチエ本人です。

本で語られるチエのことばは「心の声」で、実際にはそんなこと言わず

場をわきまえた大人の対応をしてるんだと思ってたんですが、

映画では普通にヒステリックな痛い女でした。

もう共感度最低レベルに落ちてしまいましたね。


吉高由里子は小悪魔的な感じはナイスだけれど、もうちょっと

仕事できる感じが欲しかったかも。


トシエは「美人だけど地味で話のつまんないスケールのちっちゃい女」というふうに

本では思っていたので杏のキャスティングにはびっくりしましたが、

これ、すごく良かった。

本のなかでは、なんでこんな地味な結婚にヤリマンチエが惹かれたのか分からなかったのですが

これまた何がいいのかわかんない地味な夫との会話がすごく楽しげでした。



原作をきちんと伝えられていない映画とか、

原作をぶちこわしている映画とか

そういうのは今までずいぶん観てきましたが、

ノベライズをはるかに下回った映画って、かつてなかったと思います。


もともと若い女性が「5股かける」という時点でちょっと現実離れしているので

映像化したら、もうドタバタコメディにするしかなかったんでしょうか。

逆に言ったら、ノベライズの方が「奇跡的に面白かった」ということなんでしょうか?


私は吉高由里子以外のキャスティング知らない状態で

5人の男たちの人となりを想像しながら読んでいました。

「会社の仕事の全くできない30過ぎの後輩」を含め、6人の男たちの

情けないところをチエがばっさり斬っていくところは

ホントに痛快でしたよ。


映画を観た人も観てない人も、ノベライズのほうはオススメなので機会があれば、是非!













にほんブログ村 映画ブログ 映画劇場鑑賞へ
にほんブログ村