映画 「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」 平成22年10月16日公開 ★★☆☆☆
原作本 「インシテミル」 米澤穂信 文芸春秋 ★★★★☆ → インシテミル①
時給11万2,000円という怪しい求人広告を見て、暗鬼館へと集まった男女10人。
仕事内容は24時間監視されながら7日間を過ごすこと。
そして、個室にはそれぞれ異なる凶器が置かれ、
何も起きずに7日間経過するか、生存者が2名になるまで暗鬼館に残らなければならない。
しかし早速2日目に銃殺による死者が出てしまい、彼らは疑心暗鬼に陥っていく。
(シネマ・トゥデイ)
映画化の話を聞いたときはけっこう楽しみにしていたのですが、
ふたを開けたらかなりの悪評で、
結局DVD発売を待ってしまいました。
原作を読んだとき結構苦労した12人の参加者の名前とキャラクター、
映画では10人、しかも映像付なので、ほとんど頭をつかわずにいけるのが
むしろ物足りなかったかな?
ホリプロ50周年記念作品で、ホリプロ所属の俳優タレントだけでキャスティングされており、
登場人物のイメージにはそれぞれあっていたのですが、
なんかこういう観客無視の企画物って、好きになれません。
10人にしたのは、クリスティの「そして誰もいなくなった」の
「10人のインディアン」からかな?とも思ったのですが、
それにしては、カーとかクイーンとかドイルとか
古典ミステリーのタイトルを匂わせただけで
ちょっとも踏み込んでくれなかったのには、かなりがっかりでした。
「ライアーゲーム」とか「カイジ」とか、
(原作がコミックで見てないのでなんともいえないですが)
ゲーム感覚な感じはコミック系に近いのかな?
「バトルロワイアル」みたいなくだけすぎのオリエンテーションの
単純さにもちょっとがっかりでした。
監督はホラー映画の人なので、それもミスマッチだったかも。
「このミス」ベストテンにはいった人気ミステリーにしては
あまりに軽すぎる感じ・・・でした。
最後の最後までビビリをとおしてくれた藤原竜也演じる結城はじめ、
怯えるシーンが続くので、けっこう怖くはあったのですが、
「いきなり死体があってびっくり」とか
「ガードに見つかりそうになってどっきり」とか
そんなじゃなくて、
もっと心理的に青ざめさせてほしかったです。
間にCMをはさみつつ、テレビの2時間枠でやるドラマだったらオッケーですが、
おまけで★2つ、というところですね。