映画 「スター誕生」 昭和51年公開 ★★★★★



読んで♪観て♪

ジョン(クリス・クリストファーソン)は、ロック界のスーパースター。

最近うまくいかない彼は、安クラブでエスター(バーブラ・ストライサンド)のすばらしいステージを発見する。

ジョンは自分のコンサートで、観客に彼女を紹介し、コンサートは大成功。

2人は結婚するも、立場はすっかり逆転し・・・    (GOO映画)



この映画は今から30年も前にロードショーと名画座で合計7回観た作品です。

「ミレニアム」とか「ディアドクター」とか「ミルク」とか、

映画館で3回というのは最近でも何作かありますが、

7回というのはコレだけだと思います。


そしてなぜかDVDがない!

「セルのみでレンタルなし」というんじゃなくて

DVD自体がないんですね。もちろんブルーレイも。

なんで?


今日は奇跡的に手に入ったVHSを30年ぶりに鑑賞することに。


もう古臭い感じはいっさいなし。

つづけざまに気付いたら3回見てしまいました。


人気はあるけど薬中・アル中のロックスター。

彼に見出された場末の歌手(バーブラ)が

その類まれな歌唱力でスターになるんだけど、

その落ち目のロックスターと彼女は憎みあい、愛し合い・・・

そして彼は静かにステージを去る・・・みたいな話で

設定はちがうけれど、これ、3度目のリメイクで、

ジュディ・ガーランドの「スタア誕生」はかなり有名です。

(私も過去に間違えてDVD予約してしまった経験が・・・)


話は目新しくないんだけど、見どころはライブシーンのすごさ!!

・・・っていう映画、よくありますが、

もうこれは「すごい」のレベルが違います。

そうでなきゃ7回も見ないって!


全米ナンバーワンヒットになった「愛のテーマ(エバーグリーン)」も

いいですが、エスターが場内ブーイングのなかで歌いはじめ、

ほんの数秒で静寂を、そして満場の観衆を魅了した「月に住む女」

もう大興奮です。


この手の演出はミュージシャンものではありがちで、

たいていは演出に歌唱力がついていかずに

「ケッ!」

という感じなんですが、

バーブラの歌のうまさはハンパないですよ~


邦画ですが「ベック」では、奇跡の歌声を表現するのに、なんと

「口パク」というアンフェアな裏技でやりおおせましたが、

彼女みたいな女優がいたら、監督も楽チンですよね。


ところで、クリス・クリスファーソン演じるロックスタージョンは

完全なる薬物過剰摂取で、アルコール依存症です。

30年前は、こういう「破滅型」のスターは珍しくなかったし、

けっこう許してる部分あったのですが、

今は厳しいよね。

歌舞伎の舞台をちゃんとつとめていても

プライベートで夜飲んであばれたりしても

ひんしゅくの嵐です。


ライブの最中にコカインやったり酒をラッパ飲みしたり

バイクでステージめちゃくちゃにしたり(あ、これは当時でも犯罪!)

もうやりたい放題の彼は、30年ぶりにみるとちょっと引いてしまいました。

ステージ上でお高いギター折ったり、機材をひっくりかえしたり・・・

このくらいは(多分やらせなんでしょうが)当時は普通だったんですがね。


そんな荒くれロックスターなんだけど、

妙に優しいところがあったりして、

それでエスターも見てる女性たちもちょっと許しちゃうところがあったりして・・・

でも今だったら、それ以前にアウトなんだろうなぁ。

だいたい、完全なるアルコール依存症の患者が

なんの治療もなしに気の持ちようだけでまともになるかっ!

って話です。


それにクリス・クリストファーソンはとても引き締まったいい体をしているのですが、

こんな自堕落な生活をしてたら、もっと崩れた体型になるでしょうに・・・


30年前はそんなことちょっとも思わなかったですが。


あと、気付いたことがひとつ。

去年「クレイジーハート」を見たとき、

ジェフ・ブリッジス演じる落ち目のカントリーシンガー、バッドが

酒びたりだけど、時間は守る、ドラッグはやらない、

ステージはきちんとこなす・・・ことに

異常に感心したのは、無意識のうちにジョンと比較してたんだろうな。

ちなみに、バッドは、病院で成人病とアルコール依存症を告げられ、

きちんと治療して更正するんですよ。(そしてジェフ・ブリッジスはこれで去年オスカー獲りました)


とすると、

DVDにならないのはこのあたりに原因が?

とも思ったのですが、

当時のゴールデングローブ賞総なめ(作品、主演女優・男優)した本作が

今だれもが見られないというのは、どう考えても納得いきません。


映画は今日見られたからいいとして、

サントラや楽譜がほしいなと思ったのですが

(エバーグリーンだけはどこでも聞けますが)それも入手困難。

サントラのCDも9800円ですって!


きょうの日記のテーマは「DVD」になっていますが、正確には

VHSです。

今週ブルーレイレコーダーを買ったのですが、

こういうことがあると、VHSのビデオデッキも処分できないし、

CD化されてない曲もたくさんあるから、レコードプレイヤーだって捨てられない。


そういえば、前にもうレコードは聴けなくなる、といううわさで、

持っているLPを次々にMDにダビングしたのですが、

気がついたら、ウチにはMDを聴ける機器がなくなっていました。

ショック!!

逆にレコードは問題なく聴けるし、アナログレコードをデジタル化する機械だって買いました。

あとはリージョンコードのちがうDVDも見られるプレイヤーが欲し~い!



閑話休題。

「スター誕生」976年版は 口うるさいオバサンが今観ると突っ込みどころもあるのですが、

名作には違いないです。

ともかく、観たい人が観られる環境にして欲しいです。

名画座でリバイバル上映というのもいいですね。

とにかく、たくさんの若い人たちに見てほしい・・・