映画「悪夢のエレベーター」 平成21年10月10日公開 ★★★☆☆
原作本 「悪夢のエレベーター」 木下半太作 幻冬舎  ★★★★☆ → 悪夢のエレベーター①


読んで♪観て♪

鋭い頭の痛みで小川順(斎藤工)が目を覚ますと、
そこは急停止したエレベーターの中だった。
一緒に乗り合わせたのは見るからにワケありな男女3人で、
非常ボタンは故障し携帯電話は電池切れ、助けを呼ぶこともできない。
なぜか互いの秘密を暴露し合うハメになった彼らがそれぞれに
不信感を募らせる中、思いもよらぬ事件が起きてしまう。  
                      (シネマトゥデイ)

「エレベータに閉じ込められる」という時点で、
閉所恐怖症の私には絶対無理、と思っていたのですが、
原作を読んだら、テンポの良いシットコムで、
二重三重にはりめぐらされたトリックを楽しめそうな感じで
決してパニック映画ではなかったので、OKかな?と。

私は少なくとも最初のオチは承知していたので、
前半部分、結構くどい伏線がえんえん続いたので、
ちょっとウトウトしてしまいました~。 
「ネタバレ」以降はサクサク進み、さらなるドンデン返しへ・・・


「自分の人生は優勝の決まった後の消化試合みたいなもの」
「それもベンチへも入れない二軍の選手」
「起死回生の逆転ホームランなんて、ありえない」・・・・
主人公の愚痴ではじまるこのドラマ。 
最後は
「いやいや、残りの人生も捨てたもんじゃない」
・・・と爽やかにすっきり終わるのかと思いきや・・・・
後味の悪さが残るラストでした。

そうなら、中途半端な人生訓めいた投げかけは
しないでほしかったな。

クリスティの「そして誰もいなくなった」の引用も
ちょっと使い方を間違えている気がしました。
これは、一応ミステリーを自称しているドラマなら
致命的じゃないかと思います。

もうひとつ、
「境界性人格障害」という、実在の病名を出して、
殺人の動機にしているのも気になります。
この病気で苦しんでいる人もいるのでしょうから、
あまりに配慮が欠けているのでは・・・?

ただ、なんといっても見どころはキャストの熱演。
内野聖陽の大阪弁のやくざも凄かったけれど、
ゴスロリ少女役の佐津川愛美、
それにものすごく気持ち悪い管理人役の大堀こういち。
この二人の出る映画、必ずチェックしたいです。

原作本読んでなくても、説明過剰の親切な伏線の張り方だったので
ほとんどの人が前半で気づくんじゃないかな?
「キサラギ」や「アフタースクール」にはとうてい及びませんが、
閉所恐怖症の人も、
「明日からエレベーター乗れない!」
なんてことは決してないので、
安心してご覧ください。