映画「運命じゃない人」 平成17年7月16日公開  ★★★★★
原作 「運命じゃない人」 内田けんじ 作 ぴあ ★★★★★ → 運命じゃない人①

読んで♪観て♪

典型的ないい人・宮田(中村靖日)をはがゆく思っていた
私立探偵の神田(山中聡)は、
いつまでも前の彼女のことを引きずっている宮田のために、
レストランで1人で寂しそうに食事をしている女性(霧島れいか)を
ナンパするが……。     (シネマトゥデイ)

本を熟読して、予告編を見て、
自分の中で何回も映画を想像していたので、
すっかり観たつもりでいたこの映画。
レンタルショップでもいつも貸し出し中で
なかなか見られなかったこの映画。
やっと観られました!

TSUTAYA DISCAS、万歳!

犯罪とは無援な「いい人」のまわりで
わずか一晩の時間軸のなかで、
大金が動いたり、やくざが暗躍したり、
モノスゴイことになっちゃうストーリー。

いわゆる「いい人」って、トリックものの作品では
いつも損な役回りなんだけど、
この主人公宮田は、少なくともバカじゃないし、
空気読めるし・・・だけど、思いやりにあふれた
ホントに常識を超えるいい人なんです。
だから、彼に幸せになってほしい~
とだれもが願ってしまいます。
友人の神田も、脚本家も、観てる私たちも・・・

中村靖日もこの役にぴったりで・・・
というより、
彼に当てて書いたんじゃないかと思わせるほど。

他のキャスティングもぴったりでした。
一見いい加減で悪そうだけど友達思いの神田や、
圧倒的な美しさで、だれもがだまされちゃう詐欺師あゆみ、
幸せ薄そうだけど、言っていることは超正論の真紀・・

でも私がツボだったのは、浅井組長と便利屋山ちゃんかな?
(現実はわからないけど)組の運営の大変さに
同情しちゃいました。
せこい仕事もプロの技術できっちりこなす山ちゃん。
いいなぁ~

キャストはみんな「見たことある人」なんだけど、
すぐに名前がでたのは山下規介、板谷由夏くらいです。
予算もあまりかかってなそうなんだけど、
満足度高い映画。
作ればつくれるんですね。
劇場でみられなかったのは残念ですが、
副音声とか、特典映像とか、DVDならではの
楽しみもあります。

ところで、こんなパーフェクトな脚本を書いたら、
このあとがキツイ・・・と思ってしまうのですが、
「アフタースクール」では、
さらに難しい制約を課して成功していると思いました。

本作では、あゆみというプロの「女詐欺師」が
ウソつきまくるのですが、
アフタースクールでは
基本的にだれも嘘をついていなんです。
(相手が勘違いするだけ)
どこまで凄いんだ!内田カントク!
と思いました。