映画「鑑識米沢守の事件簿」平成21年3月28日公開 ★★★★☆
原作本 「鑑識米沢の事件簿~幻の女房~」ハセベバクシンオー作 宝島社 ★★★★★ 米沢守の事件簿①


読んで♪観て♪

東京ビッグシティマラソンでの無差別爆破テロ捜査の最中、
鑑識課の米沢守は蒸発した元妻・知子の姿を発見。
なんとか彼女の住む部屋をつきとめるが、その翌日、
知子は自殺死体となって見つかった。
実はよく調べてみるとその女は元妻に瓜二つの同名の別人。
ほっとする米沢だったが、証拠不十分のまま自殺として処理されることに疑問を持った。
そこで死んだ知子の元夫の刑事・相原と共に極秘の捜査を開始し……。
                 [ GOO映画]

人気刑事ドラマのスピンオフ、というのは
今やありきたりなのですが、
「相棒」の影のブレイン、
「米沢鑑識官」のドラマを待ち望んでいたのは、
私だけではないと思います。
もう原作も読んで、犯人もわかっていても
それでも観たい!のは、米沢に惹かれるものがあるから。
特命係に依頼された以上の
ふみこんだ調査や分析をさらりと差し出す
彼の頼もしいこと・・・

ところで、劇場を出てから、
自分の手のひらに
「11852」の数字を発見!
これ、米沢が元妻と思った女性のゼッケン番号なのですが、
映画を見ている最中に、
「これはすぐに調査しなくては!」と、
おもわず、ボールペンを探して、自分でメモしてしまったのです。
なんかもう、自分自身が米沢と一体化しているみたいで、
あきれてしまいました。

血液型B型・・・
携帯の着信音が出囃子・・・
「大人の科学」のファン・・・
すぐに妄想モードに入る・・・
なんか、他人とは思えません。

私だけでなく、ギター好きの親父の皆さんも
PCやコミックなんかのオタクの皆さんも
彼のくたびれた背広姿に哀愁を感じてしまったことでしょう。

今回の彼の「相棒」は、
やたら熱くて気の短い、所轄の刑事、相原。
ともに妻に逃げられた夫、という不思議な連帯感で
特命係の二人とはまた違った凸凹チームです。
原作以上に相原の猪突猛進ぶりは常軌を逸していて、
米沢はそのフォーローに追われるばかり。
ビジュアルでは勝っていても、
ここでは相原は米沢を引き立てる役回りです。

ストーリーは前半はほぼ原作通り。
一応推理ドラマなので、ネタばらしはしませんが、
後半、意外な展開で・・・
犯人もあえて原作とは違えていました。
私のような結末を知っている人たちへのサービスだったら、
「それは違うぞ!」と思います。
別に犯人探しをするのがこの映画の目的ではないのだから、
「どんでんがえし」は期待していません。
むしろ、登場人物が次々にキレまくって、
とッ散らかってしまう展開は、残念な感じでした。

エンドロールの米沢と知子の幸せそうな甘いビデオは
今となっては悲しい「真実」なのか、
彼の「妄想」なのか、よくわかんないところが
謎っぽくていい感じ。

席を立とうとしたら、こんどは「相棒」新シリーズの予告が。
テレビで映画のPRというのは普通ですが、
劇場でテレビ番組のPRというのは時代が変わったものですね。