映画「幻影師アイゼンハイム」 平成20年5月24日公開 ★★★★★
原作 「バーナム博物館」 スティーヴン・ミルハウザー作白水社 ★★★☆☆ → 幻影師アイゼンハイム①




19世紀末、奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。
中でも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイムという名の幻影師。
ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィと再会する。
今では、皇太子の婚約者として注目を集める彼女は、
その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げてしまう。
謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルのさ中、
アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。
                            (GOO映画)

DVDも発売され、(おそらくもう)最後の劇場上映でみることができました。
映像がすばらしく美しいので、これは大きなスクリーンでみたい作品です。

原作は、ずいぶん前に読んだので、すっかり忘れてしまいましたが、
幻想的な神秘的な文章で、ストーリー性はあまりなかったような・・・
映画のほうは、淡いせつない初恋の令嬢ソフィーが、
皇太子の婚約者となって幻影師アイゼンハイムと再会します。
かなわない恋!悲しいラブストーリーと思いきや、
ソフィーが遺体となって発見されるところからは
クライムサスペンス風展開。
ウール警部は、皇太子の「腰巾着」のような立場なので
アイゼンハイムの逮捕を強要されているのですが、
だんだん彼の中に芽生える良心と正義感・・・
「真犯人」皇太子を彼自身が追い詰めるのです!

それもこれも、衝撃のラストに向かう、
複雑に張り巡らされた伏線だったのです!
今年見たすべての映画の中でダントツの爽快さ!!!
ジアマッティ演じるウール警部のさわやかな笑顔がすべてを物語ります。

原題は「イリュージニスト」ですが、
(それだと、大がかりな仕掛けを使った奇術のようにきこえるので)
邦題のほうが私は好きです。

ともかく最高!
ブラヴォー!!を叫びたくなる映画です。
ぜひまた、リバイバル上映してほしいです。。