映画「崖の上のポニョ」 平成20年7月19日公開予定 ★★★★☆






人間になりたいおさかなの女の子の話、ということを聞いていたので、

アンデルセンの「人魚姫」のお子ちゃま版かな、

と思って見に行きました。


まあ、確かにそうではありましたが、

天下のジブリがディズニーのまねをしておわり、

なんてこと、やるわけがないですよね。


ところで、

「ポニョ」というのは、宗介がつけた名前で、

本当の名前ではありません。

本名は・・・

ブリュンヒルデ!!

あの「ニーベルングの指輪」のヒロインではありませんか!

とすると、フジモトが海を支配する神ヴォータンで

たくさんの妹たちがワルキューレ??

音楽もワーグナーっぽかったのは、偶然?


これ以上のことは

ちょっと自信ないので省略しますが

北欧とかドイツで上映したら

きっと日本とは違う反応があるような気がします。


一見したところでは、

5歳の子どもが主人公の

かわいらしい手書きアニメです。

人間になったポニョは

トトロのメイちゃんそっくり。

主題歌も幼児が喜んで歌いそうな歌詞とメロディーです。


「小さい子ども向け」という人の多い中、

「こんどのジブリはむずかしいぞーっ!」

と思った私はひねくれ者でしょうか?


まず思ったのは、

子ども向けのアニメでは

ほとんどの登場人物のキャラクターが

はっきり決まっていて、わかりやすいのですが、

この作品では、みんながファジーです。

性格だけでなく、いい人・悪い人、という

レッテルも誰にも貼っていないのです。


ポニョが実はブリュンヒルデであったように、

悪役っぽく登場したフジモトは

ほんとうは地球をまもろうとしている

有能な科学者かもしれないし、

世界を自分のものにしようとしている

おそるべし独裁者かもしれないし、

ただ単に趣味でコレクションして

悦に入っているオタクな親父なのかもしれないし

・・・・

「ひまわりの家」のトキさんは

ひねくれ者で浮いていたけれど、

フジモトの誘いに一人だけ乗らなかったのは

立派だったのか、

迷惑なだけの話だったのか・・・・


しっかり者のはずのリサなのに、

夫が帰れないくらいでマジ切れしたり、

あのインディージョーンズもビックリの

無謀運転はなに??

いつも話をつけるのがメチャ早い彼女が

グランマンマーレとずーっと長い時間

どんな話をしていたの??


竜宮城のように海に沈んだ「ひまわりの家」では

人間はどうやって呼吸するの?

気になって、よーく観ていたのですが、

その時どきで、

口から泡が出たりでなかったりしてました。


最後のトンネルで

ポニョがものすごく怯え、

魚に戻りそうになったのはなぜ?

魚→「人魚」→人間でなく、

「半魚人」というリアルなことばを

あえて使ったのはなぜ?


実は、

冒頭で宗介がポニョをバケツに入れたとき

「海の生き物に水道水は死ぬよ~っ!」

と叫びそうになりました。

でも水道水の入ったバケツの中で

元気に泳ぐポニョ。

金魚(らんちゅう?)みたいなポニョの形も

海中を高速で泳ぎ回るには

流体力学的にないでしょう!

とか、

最初の20分くらいは

つまらないことが

気になって気になって仕方なかったのですが、

なんかもう、そのうちに

なぜ?なぜ??なぜ???

の連続で、もうどうでも良くなっちゃいました。


でも、これらのささいな突っ込みどころは

製作者のかたがたは

先刻承知なことでしょう。


公開後に

「実は、あれはね・・・・」

と、少しずつ小出しにしながら

疑問を解いてくれるのか、

それとも、

観た人がそれぞれに考えてくれれば

いいんですよ~!

という方針なのかは、


自由だぁ~!!


なんかもうわけがわからなくなってきましたが、

それ次第で、★がもうひとつ

ふえるかもしれません。