映画「キサラギ」 平成19年6月公開 ★★★★★

原作「キサラギ」 古川良太作 相田冬二ノベライズ 角川文庫 → キサラギ②


1年前、映画公開の直前に原作本の発売。

発売日に本を買い、公開直後に映画を観ました。

映画の予告編でただならぬ気配を感じ、

本を読んでびっくり!

映画を観たら、これまた予想以上でした。


密室劇といえば、昨日みた「12人~」ですが、

この映画も語り継がれる名作となると思います。


萌系アイドルの如月ミキの事故死から1年。

一周忌にオフ会を開くということで

密室に5人のオタクたちが集まるのですが、

そこで彼女の死の真相が明かされていく。

加えて、彼ら5人の正体も少しずつ明らかになっていく

といったミステリータッチのコメディ、

いや、コメディータッチのミステリーです。

もともと舞台用の脚本だったのをノベライズした本ですが、

(映画とはラストが若干違います)

すべてのページが伏線、といってもいいほど

計算し尽くされた構成です。

キャストはわかっていたので、もう頭の中で

イチゴ娘や安男さんが動いていました。

ただ、小出恵介が主人公(家元)で

小栗旬はスネークだと思っていたので、

映画をみたときは少し違和感がありました。

私は本をよ~く読んでからみたので

完全にネタバレ状態でしたが、

それでも面白かったし、

もちろん映画を先に見ても

いくつかの見落としはあるかもしれないけれど、

「難しくて理解できない」ことはないはずです。


私はレディーズデイの昼間にみたので

女性客が多かったのですが、

ホールはまさにライブ状態。

「わあ、そうだったんだぁ~」

「ええっ!ほんとにぃ~!」

みたいなささやきも、数があつまると

けっこうなどよめきになりますし、

最初はおかしいところでも遠慮して笑っていたのが

ラスト近くなると、爆笑にかわっていきました。

ホール内が一体になった感じでした。


映画のサイトでは

この作品はかなり評価が高いですが、

興行的にはどうなんでしょう??

公開していたのは限られた劇場だったし、

低予算ぽいから、それでいいのかな?

如月ミキ役の新人タレントを大々的に売り出す、

なんていう話もなかったみたいだし。


そういえば、原作本も平積みじゃありませんでした。

図書館にも置いていないし。


私の買った本はノベライズでしたが、

今年になって映画版の脚本も発売したとか。

ぜひ読み比べてみたいです。


「キサラギ シナリオ版」 古沢良太 白水社