映画 「相棒ー劇場版」  平成20年5月1日公開 ★★★★☆

ノベライズ本 「相棒ー劇場版」司城志朗作 小学館←未読←相棒ー劇場版②


ゴールデンウィークも終わり、映画館もあの人いきれも消え、

ほっと一安心。

ただこの作品だけは別格で、劇場はほぼ満席の入りでした。


テレビでおなじみのドラマの映画化というのは

映画全体からいったら特殊な分野だと思うのですが、

エンターテイメントを追求した作品だとすると、

ともかく面白い!!大満足でした。

最近では、キムタク主演のHIROが人気でしたが、

私は「相棒に1票!」です。


HIROは、いつもの2時間特番に、意味のない韓国ロケと、

イビョンホンのおまけがついただけ。

こちらは、東京マラソンの大観衆と参加者が目玉で、

これはやはり大きなスクリーンで見て満足です。

必要なところにお金を使った感じ。

大物政治家役、昔で言ったら山村聡や佐分利信(古すぎ?)

に相当するこわ面の大物俳優が、みんなバラエティーに汚染されて

ほとんど残っていないように思います。

今回の、平幹二郎、津川雅彦、小野寺昭の三人は、ベストの人選だったと思います。

(HIROなんて、タモリでしたもの・・・)

木村佳乃の代議士役も良かった。

さつきさんにも優子さんにも聖子さんにも百合子さんにも見えました。


さて、ストーリーですが、序盤は、とこかで関連のありそうな、

猟奇的な連続殺人事件。

これをチェスの棋譜を手がかりに、右京が解いていきます。

チェスは洋画には良く出てきますが(ハリポタとか?)

邦画では普通将棋ですよね。将棋

中学生のとき、ヴァン・ダインの「僧正殺人事件」を読んで、

(チェスのルールがわからないと話にならないので)

チェスのルールブックを買ったことがあったなぁ・・・

なんだか、杉下右京が、ファイロ・ヴァンスに見えてきました。

右京もまどろっこしい付き合いにくい人間のようですが、

ヴァンスに比べたら、延々と薀蓄を語らない分、めんどくさくないかも・・・?


右京の灰色の脳細胞がパズルのように事件を解いていく前半にくらべ、

後半は亀山薫が大活躍。(たぶん)CGなしの体当たり演技です。

マラソン走る人の大観衆は、この映画のためだけに集めたのでしょうか?

すごすぎる!! 有森裕子さんもいて、興奮しちゃいました。

この大観衆を巻き込んで、爆弾がドカーン!ドンッ

CGを駆使して東京タワーがポキン!東京タワー

六本木ヒルズがグニャリ!なんていうのだったらがっかりですが、

そうはならなくてもそれ以上のインパクトがあったように思います。


この一連の事件の原因ともなる「人質の自己責任論」。

かなり重いテーマで、過去の事件を思い出して、

見てる私たちひとりひとりもドッキリだし、

テレビをはじめ報道機関の責任にまで言及して、

テレビドラマのスペシャル版のくせに、骨太だなあ、と思いました。

ただ、舞台を(中近東ではなく)南米の架空の国にしたり、

ロケもフィリピンでやったり、うまくかわしてる感はありましたが。


机上のゲーム感覚の部分とやけに現実的な部分があって、

不自然なところは多かったけれど、エンターテイメント映画としては満点だったです。

特に昨日「春よこい」で、あんまりに動かない警察を見てしまったので、

もう展開が速いだけで、スカーッとしました。


本のほうは、原作ではなく、映画のノベライズということだったので、

先に読む必要もないと思い、未読です。

でも「オリジナルエピソードもあります」と書いてあったので、

機会があれば、映画を思い出しながら、読んでみようと思います。