超未婚化社会の正体は非正規雇用者の増加が原因なのか?超未婚化の正体に迫る
結婚や出産世代である25~34歳の年齢層の若年層の未婚率は
男性は5割を超え、女性は4割を超えるという
今日、男女ともほぼ二人に一人は婚姻していないと言う異常とも言って良いであろう状況にあります。
どこかの空気を読めない厚生労働大臣 が子供を生む機械として女性にがんばれと
エールを送って散々な目にあっていたのが記憶に新しいですが
基本的に婚姻関係が成立しなければ子供は生まれにくいものだと思います。
某大臣はまずはがんばって結婚して下さいと
男女を結婚するための機械に例えて発言した方がまだカッコがついたのかもしれません。
この某大臣 、最近は挙句の果てに景気回復を受けて雇用環境が改善しているなどと
ボケ老人のような世迷いごとを連発していますが
労働力調査を見る限り、雇用環境が改善しているようには私には到底思えません。
なんにせよ、理解しがたい人物が税金を高額な給与にして
国務大臣に居座っていると思うとその任命者である総理大臣とともにうんざりする毎日です。
ともかく超少子高齢化が声高に叫ばれる今日ですが、
そもそも超少子化と切っても切り離せないであろう未婚化社会については
とうの国務大臣すらケアしていないようなので、あまりスポットが当たらないような気がします。
今回も前回の記事 から引き続き、結婚、出産世代である25~34歳の世代を中心に
さらに婚姻と雇用(就業)形態がどのような関係にあるのか、詳しく探って行きたいと思います。
①と②は15歳以上就業者の男女を年齢層と雇用(就業)形態別に分けたグラフです。
①は比率で②は人数で見たものです。①はちょうど前回 のグラフ を年齢層別に分けた物になります。
①を見てみると15~24歳の世代の未婚率の高さは婚姻するには若すぎる世代なので除くとして
(15~24歳の世代の未婚率に100%と言う数値が存在しますが、これは統計ですのでご了承ください。)
やはり、結婚、出産適齢期世代である25~34歳の年齢層が
35歳以上の世代と比較して、どの雇用形態でも、大幅に高い傾向にある事がはっきりとわかります。
25~34歳の年齢層の未婚率を雇用(就業)形態別に大まかに分類すると
アルバイト(70.49%)・派遣(67.31%)・契約・嘱託(70.97%)、その他の非正規(60.71%)が高い未婚率
自営業(34.29%)、家族従業者(45.45%)、内職者(0.0%)、役員(40.91%)、パート(31.25%)が低い未婚率
正規は(55.35%)と両者の中間になっており
雇用(就業)形態別により婚姻状況に違いがある事が浮き彫りになっています。
ちなみに25~34歳の世代は②の人数の面から見ても25~34歳に継ぐ、
35~44歳の世代と比較しても全就業人口は約1400万人 とほぼ同じなのに
25~34歳の世代では未婚数が倍以上になっている事がわかります。
単純に歳がまだまだ若いから結婚してないだけという理由も考えられますが
それで、かたずけられる数値には到底、思えません。
年齢層別の婚姻状況は①と②のグラフで十分わかりますが
雇用形態別に見ると非正規雇用で不安定な職種であるはずのパートなどが
低い未婚率になっているなど、婚姻と雇用(就業)形態による関係が
イマイチ理解しにくい部分があります。
さらに雇用(就業)形態と婚姻の関係を探るためには
やはり、本ブログのいつものとうりの手順で性別で分けてみたほうがいいのかもしれません。
③④は①のグラフを⑤⑥は②のグラフをさらに男女別に切り分けた物です。
③から結婚適齢期である、25~34歳の年齢層の男性の未婚率を雇用(就業)形態別に見ると
パート(90%)、アルバイト(84.62%)・派遣(72.22%)・契約・嘱託(67.86%)、その他の非正規(66.67%)と言った
非正規雇用といわれる雇用形態全般と家族従業者(66.67%)が高い未婚率
自営業(30.77%)、内職者(0.0%)、役員(38.89%)が低い未婚率
正規は(49.85%)と両者の中間になっています。
男性の非正規は未婚率が家族従業者を除く、非正規以外の就業(雇用)形態よりも高く
前回の記事でも取り上げていた、男性の婚姻と職の安定度の関係がここでも裏付けられているようです。
④から結婚適齢期である、25~34歳の年齢層の女性の未婚率を雇用(就業)形態別に見ると
正規(66.67%)、アルバイト(60%)・派遣(64.71%)・契約・嘱託(73.53%)が高い未婚率
家族従業者(20%)、内職者(0.0%)、役員(25%)、パート(25.49%)が低い未婚率
自営業(44.44%),、その他の非正規(53.85%)が両者の中間になっています。
女性の場合は男性とは違い、雇用(就業)形態が婚姻に影響しているというよりも
婚姻が雇用(就業)形態に影響していると言う見かたが出来るのではないでしょうか。
女性は職の安定度に関わっている非正規または正規に関係なく
積極的に社会参加する事で未婚率が高くなり
婚姻する事でパートや家族従業者を選択するような傾向が読み取れます。
なるほど同世代(25~34歳)の男性の雇用(就業)形態別の未婚率と比較してみると
パートの男性は90%、女性は25.49%、家族従業者は男性は66.67%、女性は20%と
パートや家族従業者以外の雇用(就業)形態よりも、性別によって差異が激しく
①のパートや家族従業者の未婚率を女性の婚姻者が引き下げているのがわかります。
男性では未婚の雇用(就業)形態であるはずのパートや家族従業者は
女性にとっては逆に未婚率が低く、婚姻者が従事する雇用形態で
労働力調査におけるパートや家族従業者と言う就業(雇用)形態は
女性の婚姻者が主に就業している就業(雇用)形態であり
女性の婚姻状態が就業(雇用)形態の選択に影響を与えている事がわかります。
非正規雇用などの雇用形態の質の悪化が直接に婚姻に影響を与えるのは
主に男性の場合にだけ当てはまる話のようです。
ここで一つの疑問が浮かび上がります。
俗に言われている非正規雇用の増加等の雇用環境の悪化が未婚化社会の原因である。
正規雇用を増やせば婚姻者が増えるんだと言う主張です。
たしかに男性の未婚率が職の安定度と関連がある事を見る限りにおいて
男性の不安定な雇用環境が女性の自立を促して
女性の未婚化にも影響しているという見かたも出来なくはありません。
未婚化社会の正体は一体なんなのでしょうか?
非正規雇用などの不安定な雇用形態が増加し
正規が減少するからなどという、わかりやすい答えでは私は満足できません。
なぜなら⑤と⑥の人数で見ると結婚適齢期の男女でもっとも未婚者が多いのは
ほかならぬ正規雇用だからです。
たしかに比率で見れば男性の非正規雇用は未婚率が高く
男性の非正規化は婚姻相手となる女性に影響を及ぼすと言う主張
は少なからず間違いではないと思うにたる主張です。
しかし、では⑤と⑥の正規雇用の圧倒的な未婚者数は一体どう説明するのでしょうか?
どうみても数で見る限り未婚化社会の主役は正規雇用です。
③と④を見る限り、非正規を正規に変えても、それほど未婚率が下がるわけではありません。
少数派の非正規雇用者を正規雇用にする事がそれほど
未婚社会に対する効果的な結果を生み出すとは正直思えないのです。
非正規雇用が増加し、非正規雇用者は婚姻しにくいと言うのも
男性に限っては間違いではありませんが
未婚化社会の正体はその数から正規雇用が婚姻しない社会だと言う事です。
私にわかるのは今回の記事から、今や正規雇用だからといって
安心して婚姻できる社会にはなっていないと言う事だけです。
出典
総務省統計局 の 労働力調査、平成18年平均(詳細結果)
特別集計-第1表-年齢階級・教育・配偶関係,就業状態別15歳以上人口
※空気を読めない厚生労働大臣 -自民党 柳澤伯夫(71歳) 衆議院議員