厚生労働省は28日、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(座長=田中滋・慶大大学院教授)の初会合を開き、ケアマネジャーの現状をめぐり意見交換した。委員からは、ケアプランの質の評価を求める意見などが相次いだ。
同検討会は、社会保障審議会介護給付費分科会が昨年12月にまとめた審議報告で、「ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置
し、議論を進める」と提言したことを受けたもの。具体的には、▽養成カリキュラムや研修体系の在り方▽試験の在り方▽資格の在り方―を中心に議論し、今年
秋をめどに中間報告を取りまとめる予定。さらに、「次期(介護保険)制度改正や(介護報酬)改定の議論が始まる前」(厚労省老健局振興課の川又竹男課長)
には、最終的な報告をまとめたい考えだ。
意見交換では、ケアプランの質の評価の必要性を指摘する意見が相次いだ。筒井孝子委員(国立保
健医療科学院統括研究官)は、「ケアマネジャーの能力を評価する方法を確立した方がいい」と指摘。野中猛委員(日本福祉大教授)は、「どんな(よい)ケア
プランを作ろうが、成果として評価されない。成果を評価するインセンティブが必要」と強調した。
また、ケアマネジャーの研修制度に関し
ては、畠山仁美委員(日本介護福祉士会常任理事)が、「個々の力量の差をなくすためには、研修しかない。しっかりした体制づくりが必要」とした。馬袋秀男
委員(民間介護事業推進委員会代表委員)は、「達成レベルが不明瞭。どのような訓練を入れるか整理しないといけない」と訴えた。
このほか委員からは、自立支援型のケアマネジメントがどのようなものかを議論し、確立すべきとの意見が上がった。また課題として、▽ケアプランの様式▽医療機関側の対応▽居宅介護支援事業所の介護報酬―などを挙げる声も出た。