●真夜中のドアは開いた | サンロフトの本とテレビの部屋

●真夜中のドアは開いた

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先日、FM福井の『A・O・R』という番組で、松原みき特集があった。FM福井はFM東京系だが、件の番組は関東では放送されていない。ラテ欄には「松原みき特集」とあったが、1980年前後の女性歌手特集で、彼女については2曲のみ。

松原みきは後の作曲家活動が長いが、実質デビュー曲『真夜中のドア ~Stay with me~』(1979年)だけの一発屋だった。もう1曲の『ニートな午後3時』はCMソングとして薄っすら覚えているが、懐かしのCM特集等で紹介される機会も無い。知られざる名曲だ。尚、今回の放送で既に故人であることを知ったが、亡くなったのはかなり前のことなので、当時ニュースで見聞きしたかもしれない。


『真夜中のドア』には格別の思い入れがある。1990年頃の懐メロ番組でこの曲が流れ、言葉では説明できない激しい感情に襲われた。通常、この程度のスマッシュヒットが懐メロ番組に登場することはないので、長い間(と言っても10年ぐらいだが)、存在すら完全に忘れていた。

曲と直結した思い出は無いので何かを思い出したわけではないが、何度も聴く懐メロとは違い、まったく混じり気のない小6(1979年)当時の感覚が甦ってきた。過去へのドアが開いたのである。

この話はずっと前に書いたと思うが、昨年来の昔話の後だけに、伝わるものがあると思い、再び書いた。

時は流れた。あの懐メロ番組から四半世紀。曲に限らず、完全に忘れていたものに再会する機会はほぼ無くなった。あったとしても、あの時ほどの衝撃は無い。いや、忘れていることは絶対条件ではない。覚えているけど、生きている間にもう一度聴きたい曲もある。


番組の最後に、中森明菜カバーの『真夜中のドア』が流れた。珍しいものが聴けたのは収穫だったが、思い入れの強い曲のカバーって、受け入れがたいよなぁ。


関連ページ YouTube『MIki Matsubara - 真夜中のドア / Stay with me』

関連ページ YouTube『Miki Matsubara - ニートな午後3時』