【パソコン狂時代】22 ●カシオFX-9000P ~謎の外部記憶装置1 | サンロフトの本とテレビの部屋

【パソコン狂時代】22 ●カシオFX-9000P ~謎の外部記憶装置1

【パソコン狂時代】22 ●カシオFX-9000P ~謎の外部記憶装置1


また話が戻ってしまうが、1981年秋、まだPC-6001、PC-8801の発売を知る前だったと思う。
パソコンのカタログを集め、PC-8001、MZ-80K2、FM-8、カシオの総合カタログの4部が手に入った。FM-8はPC-6001等の後かもしれないが、まあいいだろう。
単行本『だからいまマイコン』のパソコン紹介記事等も見た。
その段階で、PC-8001とカシオのFX-9000Pが買う候補に挙がった。


知らないというのは、恐ろしい。昔は、とんでもないマイナーで不便なパソコン(または周辺機器)を買ってしまった人が、数多くいた。私も、危うくそうなるところだった。
でも、カタログを見た限りでは、FX-9000Pが最も魅力的に思えたのだ。
5.5インチグリーンディスプレイを内蔵した一体型(7.2Kg)で、32文字×16行。グラフィックも256×128ドットだった。確かに画面は小さいと感じたが、実用上どのサイズが必要か、どの文字数が必要か等、何一つ知らなかった。


CPUはZ80Aコンパチブル、ROM 12Kバイト、RAM 4Kバイト(最大32Kバイト)。後から思えば、BASIC(ROM)は貧弱そうでRAMも少ないのだが、当時はその意味も分からなかった。
RAMは電源バックアップつきC/MOS-RAMパッケージを最大4基搭載可能。今ふうに言えば、SDカードを入れてディスク容量を増やすみたいな感覚だ。


後々書いていくが、当時の外部記憶装置と現代のそれとは全く意味合いが違う。HDDは仮想メモリでもあるし、何をするにもHDDアクセスが欠かせない。しかし、昔はプログラムやデータの読み書き以外に外部記憶装置にアクセスする発想は無かった。
ゆえに、このメモリーパッケージは、今でいうメインメモリかつ外部記憶装置に相当するのだ。極めて独創的だったが、これを採用したモデルはその後どこからも出なかった。


メモリーパッケージには、ROMパッケージE-4K(BASIC拡張/1万9000円)、RAMパッケージD-16K(ダイナミックRAM 16Kバイト/1万9000円)、RAMパッケージC-4K(電源バックアップC/MOS RAM 4Kバイト/2万3000円)の3つがあった。
また、本体の下に敷くように設置するオプションボードOP-1(3万5000円)があり、カセット・インターフェース、グラフィックプリンタ・インターフェース、キャラクタプリンタ・インターフェース(別々の端子!)、カナ文字表示機能、時計機能が追加された。最後の2つは今考えると不思議な感じがする。


1981年5月(一説に1981年2月)発売。↓にも載っている。パソコン史上、最も独創的な機種の一つといって間違いない。


関連ページ  『Time Machine』