歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」 | 世界文学登攀行

世界文学登攀行

世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


読もうかどうしようか迷った。
乾くるみの「イニシエーション・ラブ」を読み終わった後に、その本のレビューを見ると、「葉桜の季節に君を想うということ」の方がよかったと言っている人が複数人いたので、読もうかなどうしようかなと思っていたけれど、結局読むことにしてしまった。


「イニシエーション・ラブ」を読んでいる人ならピンとくると思うが、そういう本なのであらすじなんて書くだけ野暮ではあるし、なんにも考えずにヘラヘラとした顔で楽しく読むのが、この本の正しい接し方であろう。


そして、僕の感想は、断然「イニシエーション・ラブ」の方が面白かった。
とは言え、方向性がちょっと違うので、好みが分かれることもあるのかもしれないなとは思ったけれど。
この本は、この本のいいところがあって、ほんとに?大丈夫?と思ったけれど、もう一度読もうという気持ちはあるが実行には至っていない。


「イニシエーション・ラブ」は2度読んだ。
「葉桜の季節に君を想うということ」は1度しか読んでいない。
そういう意味では、優劣をつけるには少しアンフェアかもしれない。
「葉桜の季節に君を想うということ」も2度読めば、評価が逆転するかもしれない。


一般論ではなくて、この本にはそういう魅力がある。



葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)/文藝春秋
¥724
Amazon.co.jp